三月ウサギとイースターエッグ

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時計も夏時間に変わり今週末からイースターです。イースターの卵には色々な伝統があります。卵はイエスが十字架にはりつけになって命を落とし墓に葬られてから3日後に蘇った復活のシンボルである、というのがよく知られていると思います。また、卵は四旬節の間は「肉」と見なされて食べることを禁じられるため、四旬節の節食が終了したことを祝うために食べられるのだそうです。

こういう習慣を見ても卵は肉であるされているのですが、今日一般に売り出されている食品の卵は受精させていないので、例え暖めてもヒヨコになることはまずありません。鶏から産まれたものが植物なのか?と問われると口ごもってしまうのですが、では牛からしぼったミルクは肉なのかと聞かれたら即座に首を振ることができます。でも先日カフェでカプチーノを頼んだら、「うちはヴェジタリアンカフェなのでミルクはオーツかソヤ(豆乳)なんだけど、どちらにしますか?」と聞かれました。確かに他のヴェジタリアンレストランのメニューにも、卵やミルクはまずありません。アレルギーで動物性タンパクがとれない人もいるのでしょうが、動物の命を奪って自分の食欲を満たすことに反対するヴェジタリアンにとっては大切なことなのでしょう。卵もミルクも動物を屠殺して得られるものではありませんが、自然の摂理ではなく人間の欲求のために作られた乳牛・無受精の卵というのも、考えようによっては人間のエゴなのかもしれません。と書いているわたくしは、肉も卵もおいしくいただいているのですが…。

さて、以前ここに書きましたが、イースターエッグはHareが運んでくるものとも言われています。Hareというのは日本語で言うと「野うさぎ」で、ウォーターシップダウンのウサギ達とかピータラビットは「野うさぎ」ではなく「ラビット」。不思議の国のアリスの時計を持っていつも走っているのが「ラビット」、帽子屋とハリネズミと一緒にお茶会を開いていた三月ウサギが「野うさぎ」です。

イースター前には早くからウサギや卵の形をしたチョコレートが売り出されます。卵はわかるけどなんでウサギなのだろうと不思議に思っていたのですが、なるほどそういうことか…と、納得しかけたのです。ではウサギはどうやって卵を運ぶのでしょう?と、疑問はさらに尽きません。

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洋画とグラフィックデザインを専攻したのち、イラストの道へ。縁あって英高級紙「The Times」の挿絵イラストを担当。同紙から数多くの依頼を受け、新聞のタイトル欄にエリザベス女王と並んでイラストが印刷される。児童福祉に関わる団体をはじめ、クライアント・ベースの仕事をするフリーランスのイラストレーター。4年に渡ってロンドン動物園で週に一度ボランティア活動にいそしんだ経験があり、動物イラストは本物からのインスピレーション。

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