世界の皇室王室を迎える、華やかな由緒

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Claridge’s

ロンドン最高のロケーション・メイフェア地区中心に位置するクラリッジスは、英国をはじめとした世界の王室や日本皇室とゆかりが深く、ロンドンを代表する伝統と格式のあるホテルだ。その歴史は長く、クラリッジ夫妻が1800年代初頭に経営していた小さな宿を拡大し、1856年に現在の場所にクラリッジスをオープンした。1860年にビクトリア女王とアルバート公が訪れた際にその素晴らしさを賞賛したことで知名度が世界中に広まり、「バッキンガム宮殿別邸」と言われるほど、ヨーロッパ各国の首脳、王室御用達となっていった。

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エントランスホールに飾られているクラリッジ婦人の肖像画

1893年にザ・サヴォイホテルの創業者リチャード・ドイリー・カート氏がクラリッジスを買い取り、壮麗なビクトリア調の建物に全館改装しリニューアルオープンした。

ビクトリア時代を象徴する赤いレンガ造りの美しいホテル外観はまさに英国を代表するイメージ。デザイン担当はイギリスが誇る老舗百貨店ハロッズを建築したチャールズ・ウィリアム・スティーヴン氏によるもの

ビクトリア時代を象徴する赤いレンガ造りの美しいホテル外観はまさに英国を代表するイメージ。デザイン担当はイギリスが誇る老舗百貨店ハロッズを建築したチャールズ・ウィリアム・スティーヴン氏

第一次世界大戦後の混沌とした時代に台頭したフラッパーたちによる華やかな数々のパーティの舞台となり、1920年代後半にその当時大流行していたアールデコデザインで客室を追加しボールルームやロビー改装も行った。芸術の都パリで発祥してから、アールデコ様式が花開いたのは独立から100年を経て芸術・文化の面でも世界の中心になりつつあり、自由で新しい発想を受け入れる土壌があったアメリカであった。エンパイアステートビルなどニューヨーク マンハッタンの建築群に利用され、世界的に流行するきっかけとなったのだ。線や記号、幾何学的な模様やパターンで構成され、機能的でシンプルなデザインが特徴的なこのスタイルは、ホテルのあらゆる内装に取り入れられていて、その魅力を最大限に生かしたクラリッジスは「アールデコの宝石箱」と称賛されている。

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華やかなエントランスホールは息をのむほど美しい

ビクトリア様式の建物に、アールデコデザインが随所にちりばめられ、煌びやかでエレガントなエントランスホール、レストランや、バーは宮殿のようだ。

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美しい階段からエントランスホールを望む。もともとリフトがない時代の建築物のため、低層階にスイートルームが作られた歴史があり、 1−3階の天井が高いのが特徴

The Foyer & Reading room  は朝食からアフタヌーンティー、ランチを提供する雰囲気抜群な地元のイギリス人たち憧れのスポット。オーガニックの良質食材を活かした自家製のサンドイッチ、スコーンやケーキを味わうことのできるアフタヌーンティーは記念日や誕生日など特別なイベントに利用する人が多く、予約受付開始の3ヶ月前の朝9時に予約がすぐ埋まるという大人気ぶり。ピアノやチェロの生演奏もあり、とびっきり優雅なひと時を過ごすのに最適だ。

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The Foyer & Reading room: 天井にかかるシャンデリアのようなベネチアグラス600個からなる見事な作品はV&A Museumでも有名なデイル・チフーリ作

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ミシュラン1つ星を誇るメイダイニングFera。農園から直送された季節ごとの新鮮な具材を利用したコンテンポラリー ブリティッシュ料理を提供している。クリエイティブでモダンかつシンプルなレストランの内装やテーブルセッティングは、料理とマッチしていてハイセンス。レストラン内のバーカウンターにはファッション界巨匠ポール・スミス、ダイアン・フォン・ ファステンバーグや米女優サラ・ジェシカ・パーカーなど常連客の肖像画が飾られている

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宿泊者のみ利用可能な落ち着いたラウンジMap room

第二次世界対戦中にはヨーロッパ各国の王室が戦火を逃れるために疎開滞在し、ユーゴスラビアの皇太子はスイートルームの1室で産声をあげたという。今でも日本の皇室をはじめ、世界各国王室のロンドン滞在時に利用されている。また、映画界やファッション界のセレブたちにも愛され続けていて、歴史と伝統にモダンなタッチの組み合わせもクラリッジスが常にロンドントップクラスのホテルであり続ける所以だ。

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米ファションデザイナー マーク・ジェイコブスが、コレクションのインスピレーションを得たという歴史を感じさせる蛇腹ドア開閉式のレトロなエレベーター。ロンドン現存のリフトの中でもオペレーターがいる珍しい特別なサービスだ

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常連客であったラップドレスで一世を風靡したファッションデザイナー ダイアン・フォン・ファステンバーグ デザインのカーテンやカーペットがGrand Piano Suiteを彩る

また、エリザベス女王の甥でインテリアデザイナーであるデビット・ リンリー氏が幼い頃に訪れたクラリッジスの記憶を元に、客室のベッドヘッドやキャビネッド等を手がけている。ホテルの昔の姿を知っている人にデザインをしてもらうのはとても意義があるとのこと。

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Superior queen room : エントリーカテゴリーの部屋で32m2の広さを誇る。ベッドヘッド、ワードローブや鏡など随所に残るアールデコとモダンなデザインの調和が見事。歴史と伝統を重んじながら、現代的な要素を持ち合わせるロンドンの今を反映しているようだ

建築当時は富裕層執事やメイド達をい、1-2ヶ月滞在するのが常だったため、収納スペースが豊富で、従者を呼ぶ際に利用していたボタンやバスルームの紐が今でも残されており、過去の豊かな人々の生活を垣間見ることができて興味深い。

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無料の靴磨きサービス用の袋と日本をはじめとした各国のプラグ(左上)、ふかふかのスリッパは男性用と女性用のサイズが別に用意されているという気の利いたサービス(右上)  、ミニバー(有料)常備(中)、 ミネラルウォーターは無料で提供あり。 英国が誇るダイソンの最新式ヘアードライヤー(下)、スイートルームには各サイズの用意があるバーバリーのトレンチコートが常備されている!(左下)

また、日本人向けに、日本経済新聞の無料提供、日本語番組放映JSTB 含めた各国衛星放送や日本仕様のプラグが設置といった嬉しいサービスもある。そして、ルームービスが充実しているため、コーヒー&紅茶メーカーは部屋に常備されていないが、リクエストすると湯沸かし器とお茶を用意してくれるそうだ。

バスルームアメニティー

大理石がふんだんに使われ、広々としたバスルーム。アメニティーはパラベン、石油化学品等の化合物を使用しない安全で自然なボディーケア製品で知られる英国産COWSHED製品をホテルオリジナルのパッケージで提供 (左上)、全室で提供されるふかふかのバスローブ(右上)と子供用の肌に優しいアメニティー(右下)

そして、子供向けサービスが充実しているのも特筆すべき点だ。子供用バスローブや肌にやさしいシャンプーなどのスキンケア製品(上記写真内)、プレイステーションなども貸し出し無料。

地元のイギリス人たちも憧れるクラリッジスは、温かく迎えてくれるフレンドリーなスタッフ達のサービスとおもてなし精神も一流。優雅で心地よい特別な時間を過ごすために、一度は訪れてみたいホテルだ。

ホテル名 Claridge’s
住所 Brook Street, Mayfair, London W1K 4HR
最寄り地下鉄駅 Bond Street ( Central, Jubilee Line)駅より徒歩 2 分
ホームページ https://www.claridges.co.uk/
予約電話番号 44 (0)20 7629 8860
メールアドレス info@claridges.co.uk
部屋数 200
宿泊費 Superior Queen room( 32 m2) 450£ +VAT20% ~ 朝食追加代金35£
お得なキャンペーン Timeless Weekendプランなど週末に宿泊時にお得なプラン有り
喫煙室 喫煙室フロアー有り
車椅子対応客室 3室有り
チェックイン時間 15:00
チェックアウト時間 12:00
Wi-Fi ホテル全館であり。使用代宿泊費に含まれる
日本語スタッフ 日本人営業スタッフ
ホテル施設 Fera at Claridge’s (レストラン), The Foyer & Reading Room(レストラン),Claridge’s Bar,  The Fumoir (バー), ビューティー トリートメント室, ジム、会議室、イベントスペース

 

[私がリピートする徒歩圏内おすすめスポット]

  • 編集長おすすめのメイフェア地区レストランはこちら
  • Fortnum and Mason:王室御用達の店舗として認定されている老舗百貨店。紅茶をはじめとした高級食材のお土産選びに最適。有料のギフトラッピングで素敵なギフトに仕上げてもらえる。朝食やアフタヌーンティも人気
  • Liberty : 1875年にオープンした老舗百貨店。独創的な品揃えの百貨店とテキスタイルにおいて常にトレンドを発信している。チューダー朝の歴史ある建物、内装も見ごたえがあるが、世界的に人気のあるリバティ柄の小物もイギリス土産としておすすめ
  • Whole Foods Market :自然食品、食材、自然派生活雑貨、化粧品や質の良いビタミン剤を購入する際に利用。中で軽食も取ることができ、お手洗い休憩など何かと便利
  • Tibits :ベジタリアンバイキングレストラン。ベジタリアンでなくても大満足できるバラエティ豊かなヘルシーメニューとデザート、ドリンク類が手ごろな価格で味わえる。店内モダンでスタッフの対応も良く、居心地抜群のため、長居したい時、友達とのおしゃべりに最適
  • Café Bateel : ロンドンで一番美味しいアラビックコーヒーとデイツを味わえるカフェとして有名。とても小さなカフェだが、静かで落ち着いていて、上品で洗練されたスイーツも味わえるので、Bond Street近辺で一息つくのにおすすめ
  • The Wolseley:ホテルリッツの隣にある朝食、ブランチでイギリス人に人気のレストラン。1921年に車のショールームとして建てられた開放感のある高い天井、美しい内装にも定評がある
  • らいすわいんショップ : 小さいながら品揃え豊富で良心的価格の日本食材店。私も定期的に通ってます
  • Royal Academy of Arts: ピカデリサーカス、Fortnum and Mason 前にある国立芸術学校。創設以来現在までの約250年間、イギリス美術界をリードしてきた芸術機関。併設の美術館の特別展覧会は有料だが、ナショナルギャラリー等有名美術館に匹敵するほど非常に質が高い「美の殿堂」として世界的に有名。建物自体、17世紀の個人の邸宅で見ごたえあり。火ー土まで一日一回Royal Academy訪問の無料ツアーがあるので、ご興味がある方はぜひ

 

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About Author

東京都出身の旅するOL。在ロンドン18年。 日本とロンドンの旅行会社で10年以上にわたり、ヨーロッパツアーの企画や、海外ツアーコンダクターの業務に携わる。現在はプライベートの旅行や仕事上で、快適で思い出に残るホテルとの出会いに喜びを感じる日々を送っている。Instagram で、miyuki.london 名でロンドン生活の様子を投稿始めました!https://www.instagram.com/miyuki.london/

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