ストーンヘンジ 21-06-2016

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6月20日午後9時過ぎ。北ロンドンの友人宅に集合。21日の夏至の日の出を見るため、ストーンヘンジへ向けて出発する。車で約2時間半の距離である。

ストーンヘンジに近づくにつれて渋滞してくるのかと思いきや、まったくそんなことはなく、深夜0時頃にはすんなり到着。現場から少し離れたところに設けられた駐車場に車を停め、車中で仮眠をとり、いざストーンヘンジへ。

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飲食店のストールはちらほら立っている

飲食店のストールはちらほら立っている

 

広い緑地を通って、巨石サークルを目指す。

近づくにつれ、弾むようなパーカッションのリズムが小気味よく大地に鳴り響いているのが聞こえてくる。そのサウンドに身を任せていると、身体が忘れていた原始のビートを思い出す。

祭りだ。

石の周りを人間の熱気が取り巻き、あたり一帯が高揚した空気に包まれている。

イングランド南西部にあるストーンヘンジは、どのくらい前からそこにあるのか分からないほど古くから存在している巨石サークルである。たしか15年くらい前まで、行けば石に直接触れることができたと思うのだが、現在は周囲にロープが張り巡らされ、遠巻きにしか見学できなくなってしまった。世界遺産なのだ。

しかし年に一度だけ、古代に立ち返って石に触れながら太陽の恵みに感謝できる夏至が巡って来る。一般に無料開放されるこの日、イギリスだけでなく、ヨーロッパ中からライクマインドな人々が駆けつけ、原始的な自然崇拝スタイルで踊り騒ぎ楽しむのだ(駐車料金は別。アルコールは持ち込み禁止)。

21日午前4時半。日の出前。

空を覆っていた鉛色の雲が、次第にちりぢりになってゆく。

夏至の太陽が水平線から顔を出す間際。幾重にも層をなす雲が朝日に照らされ、ドラマチックなピンク・オレンジに染まる。めくるめく変化する雲の表情を追っているだけで来た甲斐があったと思え、自然のスペクタクルに圧倒される。

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それぞれの思いを胸に、太陽が顔を見せるのを今か今かと待ち受ける。

 

思い思いのコスチュームで、夏至の日を祝う

思い思いのコスチュームで、夏至の日を祝う

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人々が固唾をのんで見守るなか、夏至の太陽が神々しい顔を出す。天気は完璧だ。

 

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言葉もなく、太陽を見つめる人々。私たちは、この太陽によって生かされているのだと、しみじみと考えさせられる瞬間でもあった。だからこそ一年でいちばん日の長い一日の始まりを、みなで祝うのだ。

 

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ストーンサークルの中心に小さな石が鎮座しているのだが、そこから「光の柱が立っているよ」と、連れの一人だったあまね理樺さんが教えてくれた。

その石に手をあてて、目を閉じてみる。石は記憶装置だとも言うので、このストーンヘンジの巨石群がどれほど地球の記憶を保持しているのかを考えるだけでにんまりしてしまう。悠久のときにしばし思いを馳せて・・・

 

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【ロンドンからストーンヘンジまで】
ヴィクトリア・コーチ・ステーションからエクスプレス・バスが走っているので、車がなくても簡単に行ける。私たちはストーンヘンジの後、グラストンベリー、セント・マイケルズ・マウントを巡るレイライン・ツアーを企画していたため、 車の旅を選んだのだった。(もっとも夏至の日は特別なので、ストーンヘンジ・エクスプレスは走っていないのだが、通常の観光にはもってこいだ)

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About Author

江國 まゆ

岡山県倉敷市出身。ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。東京の文芸系出版社勤務、雑誌編集・ライターを経て、1998年渡英。英系広告代理店にて各種媒体の翻訳ローカライズや日本語コピーライティングを担当。日本語翻訳リライトのスペシャリスト。2009年からフリーランス。趣味の食べ歩きブログが人気となり『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房)を出版。2014年にAbsolute Londonを立ち上げ、編集長として「美食都市ロンドン」の普及にいそしむかたわら、オルタナティブな生活、人間の可能性について模索中。

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