チェルシー・フラワーショー2016

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Uk☆エコ・ガーデニング格闘記


毎年5月はあっという間に過ぎてしまい、ふと我に返ると6月半ば・・・。バラも次々と開花して、宿根草や早春に種蒔した1年草も競うようにぐんぐん成長しています。今年もチェルシー・フラワーショーが5月末(5月24日~28日)に開催されましたが、皆さんはいかれましたか?ショー期間中は世界中から16万人ほどのビジターが訪れます。行かれた方は皆さんご存知だと思いますが広大な会場内は人であふれかえり、ガーデンやパビリオン内を見るのも、移動するのも、カフェでご飯を食べるのもなかなか大変になりますよね^^;。それでもまた行きたくなってしまうのがチェルシー・フラワーショー。今年は女王の90歳のお誕生日ということでお祝いムード満載でしたね♪その分セキュリティもすごーくタイトでしたが。

2016MayChelsea_1会場へ続くゲートには女王のお誕生日を祝う特別なフラワーアレンジ

今年は17のショーガーデンが造園されました。その中でベストに選ばれたのはチェルシーに久しぶりに参加したデザイナー、アンディ・スタージョンが手がけたThe Telegraph Garden(写真上二つ)。ドラマチックなブロンズの板状のオーナメントは古代の山脈を、ガーデン内のウォーターフィーチャーは山から溶けて流れる水の流れを表現しているそうです。非常に男性的なデザイン。また、ビジターやTVで観覧した方が選ぶピープルズ・チョイス・アワードには今年で2回目のチェルシーへの参加となるマシュー・ウイルソンが手がけたGod’s Own County – A Garden for Yorkshire(写真下二つ)。去年に続いて2度ともゴールド受賞を逃しがっかりしていただけに、ピープルズ・チョイス・アワードを受賞されたときは本当に感激されていましたね^^。こちらはなんといっても植栽が本当に素晴らしかったです!2016MayChelsea_2

個人的にはやはり女性デザイナーが手がけるロマンチックなガーデンに心を奪われました。まずは韓国人の素敵なデザイナーさんが手がけたThe LG Smart Garden(写真上二つ)。淡いピンク、紫、白を貴重としたなんとも優しい色合いの植栽。風にそよぐお花が本当にきれいで感嘆の吐息があちこちで聞かれました。以前チェルシーで見かけた彼女のお庭とは全く違うデザインでしたが、北欧とアジアのミニマリズムを感じるインテリアと優しい植栽がLGのガジェットとうまくマッチしていてクライアントの期待に十分以上答えたお庭でした。白いシンプルなパーゴラを彩る藤がもし開花していたらさらに素晴らしかったでしょう。残念ですが自然には勝てないですね!またイギリスで有名なハーブ研究家で園芸家が手がけたガーデンThe St John’s Hospice – A Modern Apothecary(写真下二つ)が素敵でした。チェルシーのフラワー・マーキーで多くのゴールドを受賞してきた方ですが、チェルシーのショーガーデンを手がけるのは初めてだったそうです。このまま自分の庭に持って帰りたくなるような素晴らしいデザイン、美しいペイビングとフォーマルなヘッジやトピアリー、見事に誘引された果樹の中で色とりどりのハーブの美しさが際立つお庭でした。お料理や薬効だけでなく、美しい庭を造りワイルドライフにも役立つハーブ。もっとガーデンにハーブを使いたいなと思った方が多いのではないでしょうか。

chelsea1その他のショーガーデンもそれぞれ明確なコンセプトとメッセージがこもったものでした。インスパイアリングなデザイン、美しい植栽、今までに見たことのないアイデアや植物。多くのガーデニング好きの方の心をつかむ何かが会場のあちこちに散らばっていました。chelsea2一つ一つのお庭についてかければいいのですが時間もないので、興味のある方はぜひインターネットで検索してみてくださいね!下手な私の説明より、写真を見ていただくのが一番いいですしね。って、写真の腕も下手だったりするのですが・・・。

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ちなみにショー期間中は毎日BBCでチェルシーの関連番組が放映されています。映像で見ると実際に会場で見るよりさらにガーデンの隅々までクリアに見ることができるのでおすすめです。人がいっぱいだしガーデンの中に入らないと見れない部分もあるので、こんなの見えなかったぞ!なんてところがはっきり見れますよ♪

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ショーガーデン以外にも2つカテゴリーがあるのですが、まずはアーティザン・ガーデンの中から素晴らしかったガーデンの写真を。左上の写真のガーデンはメコンリバーにインスパイアされたお庭で、アーティザンの中でベストに選ばれました。デザイナーさんはグランド・パビリオンの中のガーデンでもゴールドを受賞し、全てのカテゴリーで金賞受賞の記録を達成されました。右上の写真はチェルシー・フラワーショーの常連で根強いファンを持つ日本人ガーデンデザイナーさんのお庭。RHSのプレジデントからプレジデント・アワードを受賞されました。この賞はショー、アーティザン、フレッシュの3カテゴリー計30の庭の中でプレジデントにとってベストのお庭に与えられるものだとか。左下の庭は去年も素晴らしい庭を作っていた方が手がけた髄膜炎患者のための慈善団体のために作ったガーデン。このカテゴリーの中でピープルズ・チョイス・アワードを受賞。右下の写真は身体障害者を助ける慈善団体のためのお庭で音をガーデンデザインにうまく取り入れ、有名なアーティストの演奏もあったりと評価が高く、ゴールドを受賞されていました。

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こちらはフレッシュ・ガーデン・カテゴリーの中で素晴らしかったお庭の数々。左上のお庭は去年春にイギリスで制定された現代奴隷法を祝うためのガーデン、The Modern Slavery Garden。イギリスでも今も多くの人が強制的に働かされています。世界でも年々その数は増加の傾向にあるよう。植栽、デザインも素晴らしく、庭のひとつひとつのものにこめられた意味をスタッフが一生懸命説明しておられました。デザイナーさんは見事にクライアントのメッセージを世の中に伝えられていました。文句なしでゴールドだと思います。一つ一つにのお庭に大切な意味がこめられているのですが、長くなってしますので今年はこの辺で・・・。そうそう今年はショー期間中に雨が降らなくてよかったですね!来年もまた素晴らしいフラワーショーを期待して、1年待ちたいと思います♪さて、放置していた自分のガーデンを何とかせねば~。

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About Author

在英20年、ロンドン郊外の自宅の庭で節約とリサイクル・無農薬をテーマに土いじりに奮闘、花や木、ハーブ、野菜や果樹などいろいろ挑戦中。3年間のカレッジ生活を経て園芸とガーデンデザインの資格を取得。フラワーショーや造園現場の通訳・コーディネイト、デザインや園芸相談、メンテナンスサービス、ガーデンガイド等10年ほどやってます。庭と旅とお笑いをこよなく愛する植物オタク。ここ数年家族の闘病等でガーデニングもブログもサボってました(;^ω^)ぼちぼち復活できるかな?ブログ「イギリスの片隅で庭仕事」http://gardenuk.blog.fc2.com/もそのうち復活する予定。

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