アフリカに近い常春の楽園 テネリフェ

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ヨーロッパからお手軽に行ける常春の島、テネリフェ。スペイン領であるカナリア諸島7島のうちのひとつですが、アフリカに近いこともありロンドンから飛行機で4時間半ほどの距離にあります。アフリカに近いとつい砂漠や乾燥した大地をイメージしそうですが、カナリア諸島の中でもテネリフェは緑が比較的多く、世界遺産でスペイン最高峰のテイデ山(標高3,718m)と周辺の国立公園、植物園やガーデン、美しく整備された公園など自然を満喫できる観光スポットがたくさんあります。気候が温暖で極端に暑くなることも少ないため、冬にはドイツ、イギリス、北欧などから避寒目的で、夏は酷暑になることが多いスペイン本土からの観光客が増える避暑地として賑わいます。カナリア諸島の人口の8割が第三次産業、主に観光業に従事してるそうです。

一番の人気スポットはビーチだと思うのですが、お花好きの方には小さいながらも熱帯・亜熱帯地方の植物が楽しめる植物園巡りもおすすめです。中でもGarden of Acclimatization of La Orotava(通称El Botánico)は1788年に王の命を受けて造られた歴史ある植物園です。熱帯地方から持ち帰られた貴重な植物を、スペイン本土よりも気候が自生地に近いテネリフェで育てることを目的として造園されたそうです。カナリア諸島の固有種から世界中の熱帯植物が所狭しと植栽されています。大陸から遠く離れたカナリア諸島では他の地域では見られない固有種が700種ほど自生しており、こちらでその多くを見ることができます。園内では大きく育った植物が心地よい木陰を作っていて、その下はたくさんのシダ植物や日光が苦手な植物で覆われています。満開のオレンジのアロエの花にハチドリが蜜を求めてやってきたり、極楽鳥花とも呼ばれる美しい鳥のように見える花が咲くストレリチアが群生していてとても綺麗です。静かな園内を散策した後は、植物園向かいにあるレストランやカフェでお茶をしたり食事をして楽しめます。

植物園近くのラ・オロタバの街は小さいながらもカラフルな可愛い建物が多く、美しく整備された公園や小さな植物園があっておすすめです。こちらの街では年に一度フラワーカーペットのイベントが行われているそうです。町の中心に素敵な雰囲気の市庁舎があるのですがその広場いっぱいに砂絵が描かれたり、街の道路にも花びらで模様が描かれるそうです。残念ながら4月に行ったのでお祭りを見ることはできませんでしたが、いつか行ってみたいです。街歩きがお好きな方には世界遺産として登録されているラ・ラグーナもおすすめです。私は個人的にラ・オロタバ街がとても気に入って滞在中何度も立ち寄りました。

ちょっと変わった所では、テネリフェに実はピラミッドがあった?というグイマーのピラミッドも面白かったっです。階段状に積まれた石積みを古代に造られたピラミッドだと主張したノルウェー人の考古学・民俗学者で冒険家のトール・ヘイエルダールが、実業家から資金援助を受けて建設した立派な複合展示施設です。現段階ではそれらの石組みは19世紀に農作業の副産物として作られたという説の方が有力らしいですが、それだけではないようなロマンを感じる所でした。屋外にはピラミッドが4基ほどある広大なエリアが広がり、その周辺を歩くパスにはカナリア諸島の固有種を中心とした植栽が美しく施されています。オーナメンタルなサステイナブルガーデンや熱帯植物や有毒植物の展示もありました。園内のあちこちにあるパネルにはカナリア諸島の伝統・歴史や動植物の情報が短くまとめてあります。時間のない方にはそちらでも十分楽しめると思いますが、より詳しく知りたい方にはオーディオガイドもおすすめです。複数の室内展示施設にはピラミッド発掘に関する資料や彼の冒険の功績や研究結果、航海やポリネシア民族やイースター島に関する展示があり、海洋学・航海学や民俗学に興味がある方にはおすすめ。それぞれのテーマによってチケットがわかれているので、興味のある分野を含んだチケットを買えばお得です。私たちは全テーマが見学できるチケットを買ったのでそこそこ値段はしましたが、十分楽しむことができて満足しました。真剣に見学すればけっこう時間がかかる教育的な観光スポットですが、ピラミッドと周辺風景や興味のある分野の情報だけ軽く見るのもいいかもしれません。好き嫌いが割とはっきり分かれる観光地だと思います。

またテネリフェならではと言いますか、これでもか!というくらいヤシの木が植えられているサンタ・クルス・デ・テネリフェのPalmetumにも行ってみました。カナリア諸島に生育する種はもちろん世界中のヤシの木をはじめとする様々な植物を見ることができます。こちらは1970年に堆積していたゴミの山を利用して作られた丘を利用した庭園で、除草剤、殺虫剤を一切使用しない広大なエコロジカル・パークでもあります。表土はたった0.5~1mほどとのことで驚きです。ヤシの木は単子葉植物の中では珍しい木本植物(草などと違い幹が固く木化する)で世界中に2500種以上ありますが、ここまで沢山のヤシの木が一度に見れる所もなかなかないかもしれません。カナリア諸島の固有種はカナリーヤシ(Phoenix canariensis)1種類のみですが、その美しさと耐寒性の高さで世界中で人気です。特にカリフォルニアや中国にはカナリア諸島よりたくさんのカナリーヤシが植えられているとか。園内にはもちろん他のオーナメンタルな植物や面白い木々もありました。イギリスのキューガーデンなど世界各国の植物園や研究機関と提携している学術的にも貴重な庭園です。

時間のない方やビーチやクジラ・イルカ・ウォッチング、テーマパークなどをメインで楽しむ方でも、ホテル内のプール周辺の植栽や浜辺のサボテン、ドライブ途中で見かけるアガベやエキウムの巨大な花、路肩のサボテンや屋根の上の雑草のアエオニウム、街中で見かける美しい中庭、テイデ山を登る際に標高によって変わっていく周囲の植物に、日常とは違う緑を楽しんで頂けることと思います。もちろん料理は美味しくとてもお手頃、特にシーフードは最高です。時期によって違いますが、パパイアやマンゴーなどのフルーツも美味しい!もともとワイン作りが盛んだっただけに安くておいしいワインが頂けますし、テイデ山のイラストが目印の地ビールドラダは日本人になじみのあるラガーで美味しいです。雨季以外は雨が少ないですが、サハラ砂漠から飛んでくる砂で時々視界が悪くなる日もあります。強風や視界が悪くなると登山口まで運航しているロープウェイが運休することもありますので、テイデ山登山をお考えの方は日にちに余裕を持ってお出かけください。

Garden of Acclimatization of La Orotava(植物園) スペイン観光局サイト
ラ・オロタバ観光情報 スペイン観光局サイト
グイマーのピラミッド 公式サイト
Palmetum(ヤシ園) 公式サイト

★情報は2018年4月時点のものです。事前に必ず公式サイトで詳細を確認してからお出かけ下さい。

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About Author

ちょしっち

在英17年、ロンドン郊外の自宅の庭で節約とリサイクル・無農薬をテーマに土いじりに奮闘、花や木、ハーブ、野菜や果樹などいろいろ挑戦中。ロビンなどの小鳥に癒されつつも、庭を荒らす狐やリスに頭を悩ます日々。フラワーショーやガーデン巡り、ガーデンセンターでの底値チェックに余念がない、植物オタク。庭と旅とお笑いをこよなく愛し中年生活を満喫中。ブログ「イギリスの片隅で庭仕事」http://gardenuk.blog.fc2.com/もよろしくお願いします!

2件のコメント

  1. ちょしっち
    ちょしっち on

    近いようで意外に遠いですよね~。次はマンゴーの時期に行きたいです♪ピラミッド、めっちゃ面白かったですよ。世界中のピラミッドの展示もあって、一つずつ訪ねてみたら面白そうだなーって。イースター島とのつながりとかの展示もあってロマン満載^^

  2. 江國 まゆ

    エキゾチックな花々に植物、風景・・・・すごい、飛行機で4時間半なんて! シーフードやパパイヤ、食べたいな〜♡ そして庭園もいいけど、ピラミッドなロマンにすごく惹かれる・・・!!w

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