キキ、だいじょうぶ?(危険すぎるダンス・チャレンジ)

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昨年の夏は、YouTube での再生回数が過去最高を記録した『Despacito』の、あのなんともいえないラテンのリズムの暑苦しさがヒット。この夏も、じつに多くの人たちがチャレンジしているダンスがあります。世界のあちこちで撮影した動画がSNSで拡散され、「名演技」だと再生回数がうなぎ上りに増える、「キキ・チャレンジ」がそう。ただ、スター気取りで踊る必死な姿を笑っていられるだけならいいのですが、じつは命の危険をともなうチャレンジなのです。

チャレンジの仕掛け人はネットコメディアンのThe Shiggy Show。♪「Keke, do you love me?」とDrakeが歌うダンス曲『In My Feelings』に合わせて、何気に道路で踊る動画をインスタグラムにアップするなり、たちまち拡散し、彼の「Shiggy Dance」に挑戦しようとする人たちが次々と現れました。TVキャスターや、(ややハードル高すぎた?みたいな…失礼)BTS(防弾少年団)をはじめ多くのセレブも挑戦するほど、まさにこの夏のホットな話題になっています。

ところが、単なるダンスのチャレンジなら問題なかったものの、アーティストのPVかミュージカルのワンシーンさながら、動いている車からスムーズに道路に降りて、何事もないかのように踊りだす姿を移動する車から撮影、という演出が、お決まりになってしまったのです。SNSで拡散された動画のなかには、踊っている途中で落としたバッグをバイク強盗に持ち去られたり、踊りながら舗道のポールにぶつかったり、ひどいケースでは車に跳ねられたチャレンジャーも…。

ネットメディアのサイトを見るかぎり、英国ではまださほど騒がれてはいないようです。が、転ばぬ先の杖といいましょうか、「キキ・チャレンジ」の危険度について、26日のデイリーメールにつづいて、本日、ガーディアンも報道しました。それによると、インド、スペイン、米国、マレーシア、アラブ首長国連邦の各国の警察は、この危険な行為(移動する車から降りてのダンスおよび撮影)をした者に対し、罰金が科せられるか刑事告発される場合もあると警告しています。

それでもきっと、挑戦者は現れるのでしょう。ネットで目立ちたいがために、うっかりリアルに命を落とすユーチューバーはあとを絶ちません。「キキ・チャレンジ」は命を危険にさらします! しか~し、(Craig David Sacha Baron Cohenを足して2で割ったようなDrakeの顔が、わたしの頭から離れなくなった)この曲で踊るだけなら、なんの危険も罪もありません。ちょっと、踊ってみたくなりますよね? そういう方は、インストラクター編のこんな動画をご覧ください。

ひるがえって、日本では、ラジオでDrake の新譜がかかるなら『Don’t Matter to Me』のほうで、危険をともなうかともなわないかは別にしても、「キキ・チャレンジ」はまだ話題にもあがってないようです。この夏、日本はたびたび自然災害に見舞われ、しかも、気象庁が警告するほどの「命にかかわる危険な暑さ」がつづいているので、チャレンジよりも耐え難い蒸し暑さから身を守るので精一杯、といったところかもしれません?

暑くても寒くても、ひきつづきたのしい夏を!

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About Author

京都東山の生まれ。19歳から雑誌の仕事(編集者/スタイリスト/コーディネーター/ライター)に携わる。英国では、憧れのフローリストの下での花修行や、尊敬するアーティストが学んだカレッジで現代アートを勉強し、通算11年間のロンドンライフをエンジョイした。オーサカン(大阪人)となった今も、“心”はロンドナー。変わらぬ日課として読むUK のオンライン新聞から、旬なニュースをあぶそる~とロンドンのためにピックアップ。帰国後は本の翻訳を手がけ、この5月に『ヴェネツィアのチャイナローズ』(原書房)、2014年7月に『使用人が見た英国の二〇世紀』(原書房)、ほかを上梓。ロンドンで目覚めた世界の家庭料理チャレンジ&花を愛でる趣味ブログserendipity blogは、開設して11年目に突入。

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