レイジーメイドとの和解、任務遂行

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cafevisit


先日ワークショップをやりました、タイトルは

【レイジーメイドの塗り絵 ちょきちょきペタペタしてポストカードを作ろう!】

レイジーメイドの塗り絵をして、パーツを切り取って貼って
オリジナルポストカードにする、という楽しいワークショップです

来てくれた人達はとても喜んでくれた様子、数時間没頭している人もいたし
家族3人で参加してくれたHさん一家は、無言の集中時間を共有できてよかったと
そして、お父さんは仕事のモヤモヤから離れられてよかった、と話してくれました
こういう感想を聞くと、またやる気が出てきます!感謝!

ところで、私はワークショップの準備で
レイジーメイドの絵を線画で描いたのだけれど
レイジーメイドを描くのは、とても久しぶりのことだったからか
少し戸惑ってしまいました

あるキャラクターから遠ざかっていると
悲しいことに、私はそのキャラクターの描き方を忘れてしまうのです
特に、がっちりと近年、かれこれ10年の付き合いになる
ダイルクロコダイル氏から、このレイジーメイドに戻ってみると
不思議な違和感を感じ、なんと私は思い通りになってくれない
レイジーメイドに苛立ってしまいました

キャラクターとは、本当に不思議なもので、それぞれに
確立したものを持って動き出し、生きて行くのです
ダイルクロコダイル氏は、色々なことに興味津々ですから
私は、彼の後をただただ追いかけて行くだけで
色々なことを発見することができるので、ダイルクロコダイルの世界を
書き留めて行く作業は、楽しいことです

でも、レイジーメイドは、その逆で
とにかく、《何もしないキャラクター》だから、彼女を描くのは大変
【怠け者メイド】と命名してしまい、そう育ててしまった私がいけなかったのでしょう

レイジーメイドは、ダイルクロコダイル氏のように、多くを語ってくれるわけでもなく
いつも、黙ってただ寝っ転がっているばかり
そんなキャラクターだから、私もいつの日か嫌になってしまい
「もうレイジーメイドは描かない!」
と、大きな声で、宣言をしてしまいました、かれこれ25、6年前でしょうか?

それからレイジーメイドを実際描かなくなり
約10年の月日が流れました

th_Spitalfields

ある冬の寒い夜、エジンバラの屋根裏部屋の
明るい電気の下で、私は水彩画を描いていました

その時、唐突に私のテーブルの上にあったペン立ての後ろから
ひょっこりと、出てきたのです
なんと、3cmの妖精になって、レイジーメイドは戻ってきたのです

私達は和解をし、今また一緒に仕事をするようになりました

私が創り出したキャラクターですが、キャラクターとは子供と同じ
生まれ出てきた後、しばらく育ててしまうと、勝手に成長を始め
そして、そのうち巣立って行くのです

小さな私の小指ぐらいの大きさの妖精になって戻ってきても
「嫌なことは、嫌!絶対に、私そんなことしないからね」
と、レイジーメイドはとても高飛車な言い方をします
そして、プイッとティーカップの裏側に隠れてしまいます
私の希望に沿って動いてくれない
レイジーメイドと付き合うのはやっぱり大変です

以前に一度【オリジナルのキャラクターを創ってみよう!】
という、ワークショップをしたことがあります
あの時も、みんなとても楽しそうに、ワークショップが終わる時には
オリジナルキャラクターを生み出して、大事にファイルにしまって持ち帰って行きました
そういえば、あの時に皆んなが一生懸命に創ったキャラクター達は、その後どうしているのでしょう?
作者であるお母さん、お父さん達はその後キャラクター達を育てているのでしょうか???

キャラクターを生み出したら、それを何度もなんども描いて描いて
描いて描いて描きまくるのです
これは、人間の子育てで考えてみると
ベイビーにミルクをあげて育てている過程に似ているかもしれません

何百回と描いているうちに、キャラクターは育っていき
ある日、すっかり成長すると巣立って行くのです
子育てが終われば、あとは意外と簡単
大きくなった、子供達が外で仕入れた面白いことを家の中に持ち帰って
あなたに色々と話しをする、そんな時がくると同じように
成長したキャラクター達も、あなたに色々なことを語り始めます

本当に、キャラクターを作り出すというのは、子育てと同じです

生まれた時から、毎日ミルクをあげて、食事を作って、話を聴いて
その子の世界を創っていく手助けをすることが親の役目、と思うと
キャラクターを創って、育てて、一冊の本の世界を創るというのは同じこと

そういえば、私のファッションデザイナーの友人は
創った服について話す時「この子はね…」と呼んでいました

考えてみれば、なんだって同じことではないでしょうか?
洋服を作ることも、お店や学校、工場を作ることも
作った会社やお役所で働くことも、なんだって
それは、何かを【育てる】と、いうこと

人は、なぜ生まれて数十年生きるのか?

それは、子供を、自分を、社会を育てるため!

そうして、歴史も育っていくのです

と言う事です
…つまり、だから!さあ!
何はともあれ、頭と手と足を動かしましょう

そして、私は今日もこの壮大な歴史を育てる
小さな一人としてダイルクロコダイル氏やレイジーメイドと相談しながら
私の任務を遂行していかないとね

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と、こんなことを、カフェに座って考えていた時
ふっと見ると、あそこに!
やっぱりでてきたレイジーメイドです
あっちのテーブル、こっちのテーブルのカップの横から
ひょっこりと現れ黒猫と戯れて、踊っています
このカフェは、確かにレイジーメイド好みかもしれません
座って周りを見ているだけで、楽しくなるお店だから
ここへ来れば、きっと、あなたのティーカップや、グラスの後ろ側から
レイジーメイドは、顔を出すはず
是非、探して行って見て!

【きょうのヒント】
今回のカフェ、ヒントはLiverpool St 駅の反対側にある
spitalfields の端っこ
あ、そういえば、レイジーメイドが、教えてくれました
「ちょっとした食事やカフェもいいけれど、ここのカクテルは結構いいのよ」
ということです
この界隈は楽しいから、お散歩した後にでもぜひ!

【前回のこたえ】
Pitfield
‪31-35 Pitfield Street, London t N1 6HB

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About Author

島田カオル

東京生まれ、ロンドン在住の絵本作家。高校卒業してすぐに渡米。その後、パリ、南仏に暮らし、ロンドンへ。ロンドンでセシルコリン氏に師事、絵や陶芸などを学ぶ。1984年からイギリス人の夫と2人の子供と暮らしながら東京で20年以上イラストレーターとして活躍、その間、「レイジーメイドの不思議な世界」(中経出版)の他、「ある日」「ダダ」「パパのたんじょうび」(架空社)といった絵本を出版。再渡英後はエジンバラに在住後、ロンドンへ。本の表紙、ジャムのラベル、広告、お店の看板絵なども手がけている。現在はロンドンのアトリエに籠って静かに絵を描いたりお話を創る毎日。生み出した代表的なキャラに、レイジーメード、ダイルクロコダイル氏などがいる。あぶそる〜とロンドンにはロンドンのカフェ・イラスト・シリーズを連載。好きなものはお茶、散歩、空想、友達とのお喋り、読書、ワイン、料理、インテリア、自転車、スコーン、海・樹を見ること、旅行、石(特にハート型)、飛行場etc etc...

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