風の時代へ向けて:スキー・リゾートで想ったこと

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先日数十年ぶりに?スキーをしました。

あれは確か40代前半だったでしょうか?
北海道の富良野で数日スキーを楽しみました。
その時、私のスキーの腕は上達し、うまく滑れるようになりました。
楽しくて楽しくて、夜の吹雪だって何のその!
家族3人が暖かく気持ちの良いホテルの最上階のレストランで
食事中、私は一人で数時間、ナイター練習をしたのです。

その後、息子の留学に合わせて、スコットランドへ引っ越す事になったり、
諸々の事情により生活形態が変わり、せっかくあの時の1人ナイター猛特訓で上達し、
これからはもっと練習して上手くなるぞ!と張り切っていたのに…

あれ以来スキーをする機会をすっかり失ってしまいました。
そしてあっという間に約20年のスキー空白期間!

子供の頃からやっていて、大好きだったスキーも、
それだけ時間があくと、再開するのに、勇気が必要でした。
道具ももうないし…。スキーというのは、慣れていないと
雪山へ行って、ウェアを着てスキーを装着する、
そのことだけ考えても、少々面倒です。

そして何よりも、空白の20年の間に
もし、怪我でもしてしまったら…

と、その思いが心に広がっていたのでした。

だから、ここ数年北海道に行くことがあっても、
スキーから目をそらすようにしていました。

本当は、とても氣になっていて、もう一度やってみたい!
と、心の底では思っていたにも拘らず…

私の母は80代になった頃だったか?
ある日、自宅のマンションの天井にクモを発見してしまい
(目が異常に良いので、細かいものがよく見えた!)

「あらまあ、天井のすみにでも蜘蛛の巣を作ってしまったら、大変だわ!」

綺麗好きな母は、蜘蛛を取ろうと思い、台に乗りました。
そして、バランスを崩し転んで、床に強く腰を打ちつけてしまったのです。
骨は無事だったけれど、かなり痛い思いをしたそうです。
それからと言うもの

「一人でいるときに、また何かあったらどうしましょう…???」
と、そんな事を思い始めてしまいました。

心配性の母は、心身ともに元氣だったのに、
それ以来毎日そんな事を一人で考え悩んでいるうちに、
心配事はどんどん大きくなり、
遂に、老人性鬱病(と言うそうです)になってしまいました。

そして掛かりつけの頼りにしていたお医者様に
これを飲めば氣持ちが落ち着くから、と抗鬱剤を処方され
数年かけて、じわじわと薬の副作用のせいもあったでしょう、
あんなに元氣一杯だった体までも弱ってしまい、
最終的には寝たきりになり、長い闘病生活の末一昨年の夏に亡くなりました。

母は本当に頭もしっかりしていたし、体が丈夫だったので
あの蜘蛛の一件がなければ、きっと90代を元氣に楽しく過ごせたはずだと
私と姉は信じています。

そんな母を見ていたからでしょう

【歳を取ったら、怪我に注意!】

私は、ずっとこの言葉を頭に叩き込んで暮らしていました。

だから約20年もの間やっていなかったスキーは、もうやめよう!
怪我は怖い、母のようになりたくない…

そう自分に言い聞かせていました。

でもね、チャンスがあれば、もう一度挑戦したいと思っていたのです、
本当のことを言えば…

楽しそうに、氣持ちよく滑っているスキーヤー達が本当に羨ましかったのです!

先日、相棒の仕事関係で、北海道のルスツ・リゾートへ行きました。
3泊している間中、目覚めてカーテンを開けると、美しい蒼空が広がっていました!

悔しいけれど、何と言うスキー日和!

その日は、朝から温泉でのんびりした後、部屋に戻ってちょっと仕事をして
お昼頃、外へ散歩に行くことにしました。

ホテルの下からトコトコ電車に乗ると、スキー場へ行くことが出来るのですが
それに乗ってみないか?と相棒が提案すると、

「え〜、嫌だな、あっちへ行くと、スキーをしたくなっちゃいそうだし…」
「良いじゃない、ちょっとだけ行ってみましょう」

そんなんで、私は相棒に引っ張られるように、トコトコ電車に乗って
スキーヤーの世界へ入っていきました。

「いいなぁ〜」
「じゃぁ、カオちゃんやったら?全部レンタル出来るでしょう」
「でも、スキー用のソックスも履いていないしね…」
「あそこに売ってるんじゃない?あのさ、カオちゃんは、
いつもやりたいやりたいと言うのに、でも、やっぱり
怖いとか面倒だとか言ってばかりで、結局やらないんだよね」

スキー用のソックスが売っていそうなショプを指差しながら、そう言った相棒の言葉に
私は、カチンと来て、そして背中をドーンと押されてしまったのです!

心の中で悔しい〜 と、思いながらつい、口を出てしまったのが

「じゃあ、やってみようかな…」

午後になったこの時間から、心の準備も出来ていないのに、
ソックス買って、スキー用具一式借りて、着替えて本当に滑るの??!!?!?
この急展開に少々ドキドキしていると、
相棒がさっさとレンタルの申し込みを始めてしまったのです!

そんなんで、後戻り出来ず、スキー一式セットを借りてしまうと、相棒は

「じゃ、氣をつけて、楽しんでね!」

と言いながら、ホテルへ戻って行ってしまいました。
私は一人置き去りにされたようで、急に心細く不安な氣持ちになりました。

「こんな氣持ちでいてはダメ!せっかくの念願だったスキーじゃない!」

と、自分に叱咤激励し、スキーブーツに足を入れると、
何かとても懐かしい感じがしました。
履くと自由が利かず、ロボットにでもなったような感じです。
スキーを担いで、ガチガチガチと音をさせながら歩き、外へ出て
雪の上で、遂にスキーの板を装置しました。

「さあ、滑るぞ!」何だか楽しくなってきました。

少し上がった所にある小屋がリフト売り場だと言うことなので、
そこへ登ろうとしたのですが、

「うわっ!うまく登れない…」

こんなところなのに、ささっと上がれないことを知った私は

「あ、どうしよう、本当に大丈夫かな〜???滑れるのかな〜」

と、またドキドキしてしまいました。

何とかリフトカードを買って、
先ずは、ビギナーズコースへ行くことにしました。

スキーを履いてリフトに乗るのも、久しぶりです。
乗る時、降りる時、ちょっと緊張してしまいました。

本当に、20年間の空白って、恐ろしい…

でも、自転車に一度乗れるようになると、体が覚えるように
20年の空白期間があっても、リフトを降りて、坂を少し滑ってみたら、出来ました!

ふ〜、かなりかっこ悪かったと思うけれど、何とか下まで滑ることが出来ました。

その後は、徐々に慣れて行き、ビギナーズコースを5回ぐらい滑った後
遂に、決心して中級者コースへ行ってみました。
山の上からの眺めにまず見惚れ、それから上手な人の滑り方を見ながら
それを真似するようにやってみましたが…

あー、悔しい〜
富良野で出来た滑り方は、出来ませんでした。
あの時に戻るには、まだまだ練習が必要です。

リフトを何度も使って上まで行って、何とか思い出そうと
練習をしたのですが、ダメでした。カッコよく滑りたいな〜
と、上手な人を見ながら、上手な人を追いかけながら
練習したのですが、ダメでした。ホント、悔しい…

その上、もう一つ悔しいことがありました!!!

それは、40代前半のあの時の私の体力がもうない、と言うこと!
数時間滑ったら、もうクタクタになってしまいました。

最後にもう一度、上まで行って滑って終わりにしようかな?と、思った時
いやいや、これ以上やって怪我してはいけない、
もう止めておきましょう、と自分に言い聞かせ
私は、スキーを脱いホテルへ戻ることにしました。

富良野の時のようには上手に滑ることが出来なくて、そして、体力が落ちたことも
ハッキリと知り、何だか悔しい思いをしたけれど
でも、そんなことは今回どうでも良いのです、

重要なことは、ずっと避けていたこと、心に引っかかっていたことを
正面向き合ってクリアーしたこと、そのことを思うと氣分は最高でした。

氣になっているけれど、見ないフリをして過ごしているようなこと
そういうことって、ありませんか?

私の心の中には、長い間どうしても氣になっているのに、
やっていないことが、まだいくつもあります。

今回のスキーは相棒が背中を押してくれたから、
遂に一歩前に進むことが出来ました。

勇気を出して、飛び込むと、初めは本当に、ちょっとした事にも
恐怖を感じたりすることがあると思います。
でも、強制的にでも、何とかそこに入って仕舞えば、あとは流れに任せて
行くしかなくなる、そんなものだと思います。

来年は、軽やかな風の時代が始まります。
風にさえ乗ってしまえば、上手く風が私を運んでくれるはず!

しかし、そんなに上手く行く、気持ちの良い風ばかりでなく、
恐ろしい強風が私の周りを渦巻くこともあるかもしれません。
でもそうなったらそれに上手に乗って、バランス取って
心の引っ掛かりとちゃんと向き合って、ゲームでもするように
少しづつクリアーして行けば良いのだと思います。

そして、自分の中にまだまだ隠れていそうな
可能性を広げていこうと、思っています。

来年はそういう年のような氣がします!
何だか楽しみになってきました。

みんなで、これから来る風に軽やかにポン!フワっと!乗って
楽しい世界を創って行きましょう。

来年もどうぞ宜しくお願いします。

Happy Holiday Season and a Happy New Year !!!

今回の絵の描き方はこちらの2本の動画でご覧ください!
https://youtu.be/-ZTW-eSSryQ
https://youtu.be/BmU04oUfHF8

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【きょうのカフェ】
今回のカフェのありか、そのヒントは、ヒントではありません。

それはルスツ・リゾートのウェスティンホテルのラウンジカフェ。
夏はゴルフ場が見渡せるし、冬は美しい白銀の世界です。
スタッフは優しく、氣が利くし、お食事もとても美味しいのです。
こんなに氣持ちが良いと、ホントずっと居たくなってしまいます。

そんなんで、実は私達一泊のつもりだったのに、結局3泊してしまいました。
どんな季節でも、氣持ちの良いところです、是非行ってみて!
https://rusutsu.com/the-westin-rusutsu-resort/

 

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About Author

島田カオル

東京生まれ、ロンドン在住の絵本作家。高校卒業してすぐに渡米。その後、パリ、南仏に暮らし、ロンドンへ。ロンドンでセシルコリン氏に師事、絵や陶芸などを学ぶ。1984年からイギリス人の夫と2人の子供と暮らしながら東京で20年以上イラストレーターとして活躍、その間、「レイジーメイドの不思議な世界」(中経出版)の他、「ある日」「ダダ」「パパのたんじょうび」(架空社)といった絵本を出版。再渡英後はエジンバラに在住後、ロンドンへ。本の表紙、ジャムのラベル、広告、お店の看板絵なども手がけている。現在はロンドンのアトリエに籠って静かに絵を描いたりお話を創る毎日。生み出した代表的なキャラに、レイジーメード、ダイルクロコダイル氏などがいる。あぶそる〜とロンドンにはロンドンのカフェ・イラスト・シリーズを連載。好きなものはお茶、散歩、空想、友達とのお喋り、読書、ワイン、料理、インテリア、自転車、スコーン、海・樹を見ること、旅行、石(特にハート型)、飛行場etc etc...

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1件のコメント

  1. ”氣になっているけれど、見ないフリをしていること”
    、、、たぶん、色々あります。
    可能性を広げていく、そう思って、見落とさないようにしたいなって思います!(;^_^A )

    お母様、本当にお気の毒でした。やはり、病は気から、、ですね。

    「風にのって、軽やかに、ポン!フワッ!」を見習って、
    楽しい時をより一層大切にする2021年にしたいと思います!

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