ノーベル賞ウィークでしたね。日本人も英国人も受賞しました。昨年予想されたマララさんも。そして村上春樹氏は、今年も受賞ならず…。
さて、事件ではないものの、いま世界中のメディアが気にせずにはおれないこと、それは「Where’s Kim?」――北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)第一書記の居所でしょうか。9月3日に夫人を同伴したコンサート鑑賞が伝えられて以来、姿を見せなくなり、北朝鮮の国営メディアにまったく現れてないらしいのです。しかも、今月10日の朝鮮労働党創建記念行事にも出席しなかったため、国内外でさまざまな憶測が飛び交うのは当然。
とはいえ、北朝鮮の人々はおおっぴらに噂できるはずもないので、騒いでいるのはこれやあれやの外国メディアばかり。無論、英メディアも例外ではありません。今回のジョンウン氏の「アブセンス」に、父親、ジョンイル(正日)氏の時代からお馴染みの重病説や死亡説、クーデター説がもち出されたのはどこのメディアも同じでした。ところが、妹のヨジョン(汝貞)氏が現在の影の支配者ではないかという、意表を突く仮説も登場。
記事を発表したのは、刺激的な切り口が十八番のガーディアン紙。また他社を出し抜いたか!と思わせます。でも、日本と違って北朝鮮と国交を樹立している英国。内部事情に詳しい元英国大使や学識経験者に取材した記事ですから、あながち根拠のない話ともいえません。一方、記事では独創性に欠けるデイリー・テレグラフ紙は、ジョンウン氏の「キャラ」がハンパない写真の数々を、定番ギャラリーで紹介。テレグラフらしいなあ。
ひるがえって日本は、北朝鮮に対しては制裁から対話路線に転じたものの、なかなか進展を見せない「拉致問題」をいまも抱えてます。7日の国連本部での人権問題を巡る会合にいたっては、北朝鮮外務庁幹部に「拉致問題は完全に解決済み」とまで言われてしまう始末。例のごとく、北朝鮮の手玉に取られている感がどうも拭えないのは、拉致被害者のご家族のみならずほかの国民も同じです(が、安倍さんはどうなのだろ?)。
世界にはいろんな国があって、常識というものを共有できない国が山ほどありますけど、ここまでわけの分からない国は類を見ないかも…。拉致問題があるので、決してこれを面白がってはいけないのですが、21世紀になっても未だに北朝鮮は謎の国。ジョンウン氏が姿を見せない理由も、じつは思いっ切り突飛なものだったりして、わたしたちをあっと言わせるのでしょうか?
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