友人がお母さんの家の地下室で頭をぶつけました。
お母さんは彼の頭にFlozen pea (冷凍のグリーンピース)を乗せ、「ぶつけた時は糖分を取るといいのよ」と、砂糖入りのミルクティーを作ってくれました。
ボイラーの修理屋さんや塗装屋さんなど、家の中の工事をする人たちに「お茶はいかがですか?」と聞くと、大抵砂糖入りのお茶を所望されます。
私は4年ほどボランティアをしている事務所で飲み物を作る仕事がございます。コーヒーだったら、クレアはブラック、リチャードは砂糖一杯、シャーリーとアンとケンはミルクのみ。紅茶はティーバッグをそれぞれのマグに入れて、お湯を注いで作るのですが、デビーはお湯を入れた途端にティーバッグを引き上げて、ほんの僅かにお湯に色がついた程度がお好み。エリザベスもほんの5秒ほどの軽いお茶にすごい量のミルクを入れます。ロズは普通の倍もある大きなマグを持参していて、ティーバッグも長いこと浸しておかなければならないのですが、軽いお茶が好きなエリザベスと一緒のタイミングでお茶を作るので、気をつけなければいけません。
ここでは砂糖を入れる方は少ないのですが、一人だけレモンティーを飲まれる方がおられます。アメリカや日本では、レモンティーはさして珍しくないことでしょうが、イギリスでレモンティーを所望される方は、私にとってはまだマーティンさん一人だけです。オランダ、ドイツ、ポーランド、デンマーク等では、レモンを浮かべたり絞ったりするのは、紅茶のポピュラーな飲み方なのだだそうです。過去の歴史やトルコ人、ダージリンティーを除けば、イギリスではほとんどの方がミルクティーを飲むのではないかと思うのです。
マーティンのレモンティーは、スライスをお茶に浸すのではなく、作ったお茶に半切りにしたレモンから、ポタポタっと適量垂らすのでございます。小さい瓶に入った調理用のレモンジュースがありますが、マーティンさんもそれを使っていたことがありました。でもやはりお口に合わないらしく、今は冷蔵庫に半切りにしたレモンが常に入っています。二つに切ったレモンは二、三日で使い切ってしまいますから、カビたりすることはないのですが、ちょっと絞ってそのままラップも何もかけずに冷蔵庫に戻します。
ここがイギリス。
他のヨーロッパ諸国やアメリカはどうだか知りませんが、こちらではラップをかけて冷蔵庫に物を入れる人は稀なのでございます。あぁラップについては、日を改めて語らせてくださいませ。