枯れてもなお美しき

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usagi


イギリスではちょっと前に洪水の影響で、普段は£1.00のレタスが£3.00に値上がりしていたんだそうです。そういえば日本も台風などの天気の影響で、野菜がひどく値上がりしていたと聞きました。ここのところロンドンではバターがちょっと高くなっています。半年前もすでにひどく高かったのですが、昨年の秋頃がくんと安くなり、年末に向けてまた高くなりました。高いと言っても日本のバターに比べたら可愛らしいもので、250gで180円くらいでしょうか。帰国をした時に、いとこの子供たちは甘いものが好きだと聞いたので、Steamed Pudding を作ろうと思い立ち、無塩バターを買いに行ったら200gで450円もするのには仰天いたしました。

こちらの友人に、日本のバターは目が飛び出るほど高いという話をいたしますと、日本は牛をあまり飼わないの?と聞かれます。日本の牛肉は、一般に世界で食べられている牛肉とまるで違います。あの霜降り肉はこちらの人に写真を見せても、ほとんどの人が一体なんの写真なのかわからないことが多いです。赤身の中にぽちぽちと霜が降っている様子は、日本人のわたくしでもついつい見入ってしまいます。日本人は焼肉もハンバーグも大好きな人が多いですから、かなりの量の牛が飼育されているに違いありません。そういえば、日本のカレーの王道はビーフカレーなのよと言うと、こちらのインド人の友達は目を丸くいたします。飲むミルクに比べると、バターにするミルクは価格が全然違うという話も聞きました。日本人はお菓子を作ったりホットケーキを食べたりと、バターを消費する機会は少なくないのに、何故にあれほどバターは高いのでしょう。もしくはなぜクリーム(シングルクリーム、ダブルクリーム、サワークリームなど)があまり売っていないのでしょうか?なのにヨーグルトの数はものすごいと思います。チーズもほとんどがプロセスチーズで、パルメザンチーズは細かい粉になって筒型の容器に入っております。なぜになぜにと終始スーパーマーケットで首をひねってしまうのです。

さてここのところ、イギリスでは随分と日が伸びて参りました。スーパーマーケットでも花屋でも、Daffodill (ラッパ水仙)が束にして売られています。Daffodilはイギリスでは早春を知らせるこよなく愛されている花であります。わたくしは自分のために花を買うことはまずないのですが、Daffodilだけは特例で必ず毎年購入いたします。安いところでは£1.00で売っていて、数えてみたら一束に20本も入っていました。先週買った一束がすでにもう枯れてしまったのですが、枯れても美しくつい名残惜しくてそのまま花瓶に挿してあります。動物園はリージェントパークの中にあるのですが、まもなく見事に咲き誇るDaffodilで囲まれます。明日は動物園の帰りにもう一束購入いたしましょう。

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洋画とグラフィックデザインを専攻したのち、イラストの道へ。縁あって英高級紙「The Times」の挿絵イラストを担当。同紙から数多くの依頼を受け、新聞のタイトル欄にエリザベス女王と並んでイラストが印刷される。児童福祉に関わる団体をはじめ、クライアント・ベースの仕事をするフリーランスのイラストレーター。4年に渡ってロンドン動物園で週に一度ボランティア活動にいそしんだ経験があり、動物イラストは本物からのインスピレーション。

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