Not a foxy stuff?

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usagi


友人がクリスマスとお正月を海外で過ごすため、再び彼らの愛猫のお世話に参りました。
寒い毎日が続いておりますが、三匹ともすこぶる元気で大変嬉しゅうございます。

「猫はこたつで丸くなる」という歌詞があるように猫は暖かいところが好きなのだと思っていたのですが、これがなかなか寒さに強く、天気がよければ零下に近い気温でも陽の当たるところでじっとおすわりをしている近所の猫の姿をよく見かけます。ローラという黒猫のために冬場はガーデンチェアに毛布を敷いてその下に湯たんぽを入れておくようにと言われているのですが、ローラは午後遅くなるまでは湯たんぽをよけた向こう端に座っているのです。ただ猫でも人間と同じようにやはり年を取ると体温を上げるのが苦手になるのでしょう。ローラよりも10才近く年を取っているボビーは室内でも私が使っている湯たんぽの真上に座っております。

ロンドンは数日前にまた雪が朝のうちに降りました。さすがにこの日はいったん屋外に出たローラもトイレを済ますとつま先立つようにまた家に戻って参りました。この日の朝ローラの毛布の下に湯たんぽをいれようと庭に出たら、その毛布が庭に敷き詰めた芝生の真ん中に落ちておりました。夜のうちにガーデンチェアが引き出されていたり植木鉢が倒されていたりすることがあるのですが、これはキツネの仕業です。前にも書きましたがロンドンはキツネが大変多く、特に冬場はキツネと通りをよくすれ違います。クリスマスはキツネにとってもプレゼントがいっぱいのようで、ゴミ袋からクリスマスの大きな残飯を咥えて歩くキツネの姿の写真をロンドンに住む作家の入江敦彦さんがFacebookに掲載しておられました。

2004年に禁止となったキツネ狩りは、ボクシングデー(26日)のみ愛好者の間で政府のガイドラインに違反しないよう細心の注意を払いながら未だ行われているようです。ハウンド犬がキツネをかみ殺す前に銃殺すればよいなどの色々な項目があるようですが、今年はSuffolkで法に違反してキツネ狩りをしていると警察に通報が入ったそうです。ポール・マッカートニーをはじめ大勢の有名人もキツネ狩りに反対しておりますが、クィーンのギタリストブライアン・メイは2015年にBBCの番組でキャメロン首相を厳しく非難いたしました。キツネ狩りは害獣の駆除を目的とすると政府環境局は述べておりましたが、ブライアン・メイは「キツネ狩りの愛好家は狩りをするためにキツネを繁殖させ、キツネを捕まえることを楽しみ、苦痛を与えることに喜びを感じている人間で、そこが問題だ」と。

昔グレイハウンドを飼っていたのですが、その子はリスやウサギを夢中になって追いかけてしとめてしまうことも少なくありませんでした。グレイハウンドでなくても大抵の犬(ここの猫も)は、鳥やリスを追わずにはいられません。彼らにとっては例えお腹がすいてなくても駆け回る小動物をしとめるのは本能であり、ハウンド犬がキツネを追いかけるのは当たり前のこと。しかし猟犬にキツネを追わせてそれを馬で追い、最後は猟犬にかみ殺させてそのまま食べさせてしまうのというのは全く違うと思います。狩猟で自分たちの食べるものをしとめる生活をするのともまるで違います。キツネ狩りをされる方々にとってはスリリングで楽しいことなのかもしれませんが、わたくしは絶対反対を唱えます。

わたくしは子供の頃「野生の動物」というテレビ番組でライオンがインパラを補食するのを夢中になって観ていたり、校庭でカマキリがコオロギをバリバリ食べるのを見つけてドキドキしたり、「鴨のローストがこの世で一番美味である」などとついこの間大声で友人と談笑しておりましたが、ブライアン・メイのおっしゃることに深く同意し、キツネ狩りの狩猟法の改訂はおろかキツネ狩りそのものに大反対であります。

これは矛盾しているでしょうか?

Fox b

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洋画とグラフィックデザインを専攻したのち、イラストの道へ。縁あって英高級紙「The Times」の挿絵イラストを担当。同紙から数多くの依頼を受け、新聞のタイトル欄にエリザベス女王と並んでイラストが印刷される。児童福祉に関わる団体をはじめ、クライアント・ベースの仕事をするフリーランスのイラストレーター。4年に渡ってロンドン動物園で週に一度ボランティア活動にいそしんだ経験があり、動物イラストは本物からのインスピレーション。

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