気分はもうロカビリー

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わたくしの部屋の真下には、騒音にとても気難しいオヤジさんが住まわれております。

ここに住む10人のテナントは玄関のフロントドアを共有するのですが、このドアは自動ロックで閉める時に多少の音が生じます。地上階に住む初老のオヤジさんはこの音が我慢ならないようで、新しく入居してくるテナントを必ず捕まえてドアのロックの赤いボタンを押しながらドアを閉めるようにと注意します。赤いボタンを押しながら閉めると確かに音はいたしませんが、困ったことにロックがかからないのであります。その度に大家さんに最近フロントドアが空いたままになっていますとメッセージを送り、大家さんは新しい入居者に「赤いボタンを押すとドアの鍵が閉まらないので押しちゃダメですよ」と言ってくださるのですが、およそ3ヶ月ごとくらいに新しいテナントさんが入ってくるので、ちょっと物騒なのであります。

さて、わたくしは時折歌を歌うことがございまして、そんな時には近所のスタジオで練習をいたします。なぜなら先に申し上げましたように、ここのフラットではオヤジさんがいる限り騒音は絶対厳禁なのであります。なので、このスタジオは家にも近いしよく愛用させてもらっているのですが、実はここのオーナーさんはプロのロカビリーのギタリストでヴォーカリストでもあるのです。先日彼のステージを”Paper Dress Vintage“というヴィンテージの洋服を販売するブティック兼ライヴハウスで拝見してきました。ここのお店は『ロンドンでしたい100のこと』にも掲載されております。

彼らのバンドの演奏はそれは見事なものでありました。私はロカビリーというものを実はほとんど初めて生で聴いたのですが、困ったことにどの曲を聴いても同じように聞こえてしまうのです。ひぃごめんなさい、次回はもう少しお勉強をして伺います。

Ro1 for Mayu

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洋画とグラフィックデザインを専攻したのち、イラストの道へ。縁あって英高級紙「The Times」の挿絵イラストを担当。同紙から数多くの依頼を受け、新聞のタイトル欄にエリザベス女王と並んでイラストが印刷される。児童福祉に関わる団体をはじめ、クライアント・ベースの仕事をするフリーランスのイラストレーター。4年に渡ってロンドン動物園で週に一度ボランティア活動にいそしんだ経験があり、動物イラストは本物からのインスピレーション。

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