心地よさを運ぶ、Steve Harrisonのティーカップ

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長年コーヒーを愛飲してきましたが、昨年からティー派になりました。
毎日飲むには、コーヒーはちょっと強く感じられてきたからです。
飲み方は濃いめの紅茶にミルク多めで。最近、イギリス流の「ビスケットを浸して食べる」美味しさを知ってしまい、これはまずいぞと思ってますが。

そんな私のお気に入りのティーカップがこちら。

ブルーとブラック、さらにブラウンが混じり合った色み。完全な丸でない形も好き。

毎日見ても飽きない、絶妙な色合いと緻密な細工、個性の立ったフォルム。
イギリスの陶芸家、スティーブ・ハリソンのものです。
見た目のみではなく口あたりも良くて、紅茶がいっそう美味しく感じる。それと、手にフィットして、軽い。
ロンドン北部にある彼のアトリエを訪れた際に購入したものですが、正直、ティーカップとしてはなかなかのお値段。でもそれに値する心地よさをくれる、買って大正解の品でした。
朝、このカップでぼんやりお茶を飲むのが日々の幸せ。

ロンドン発ながら、実は日本から火がついたとも言えるスティーブ・ハリソンのポタリー。
日本ではすでに通好みの銘品となっていて、東京や京都にて個展もたびたび開催。その人気は年を追うごとに増しています。

そんな彼の作品が、今イーストロンドンで見られます。

場所はショーディッチにある「BLUE MOUNTAIN SCHOOL」のトップフロア。

このミニマルなロゴが目印。

ーー少し話は逸れますが、このBLUE MOUNTAIN SCHOOL、イーストらしい感性溢れる存在です。服、ハウスホールドグッズ、家具など、さまざまなアーティストの作品が並ぶ、ギャラリーでありショップ。通常の小売業と違って、作品(商品)はアーカイブとして保管されているので、トレンドから離れ、本当にいいもの、欲しいものを見つけたい人にはぴったりです。有名シェフによるサパークラブや調香師のアトリエまで入っていて、どれも気になるところ。

さて、「The Lost Pots」と銘打った今回のエキシビジョン。
新作に加えこれまでのアーカイブ、さらに写真家Richard Cannonによる制作風景のムービーも。アーカイブの40作品はウェールズにある焼き釜を再現したオブジェに並べられています。
(ちなみに私がアトリエを訪ねた際、スティーブがこのディスプレイの設計図を見せてくれたのですが、「fantastic!」と目を輝かせエキサイトしていた姿が忘れられません。笑)

アーカイブセットの一部。

ラインナップはティーカップにティーポット、プレートなど、お茶にまつわるものが中心。スティーブ自身もお茶愛好家です。すべての作品は、塩釉を吹きつけて焼く「ソルトグレーズ」という製法で作られていて、そのためこんな表情が出るのだそう。この均一でない模様と、作為的でない色のグラデーションがなんとも魅力的なんですよ。

個人的には、ふたつめが買えるならこの白だなぁ・・と夢を馳せています。シンプルだけど白の風合いとハンドルとの色のバランスがたまりません。

ポタリーと紅茶をこよなく愛するスティーブのつくった茶器、日用品としてもオブジェとしても素敵なものです。写真では伝わりきらない色の深みや質感をぜひ実際に見てみてください。

会期は1月末までの予定でしたが、2月15日までに延長されました!
2月6日にはトークショーも開催とのこと(要予約)。

★アトリエを訪ねたストーリーも是非こちらから。(noteに飛びます)

 

BLUE MOUNTAIN SCHOOL
https://www.bluemountain.school/

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About Author

ファッションエディター/ライター/ディレクター。主な仕事に雑誌『装苑』『CREA』『FUDGE』『KINFOLK』、多数のブランドムック、英国ブランド『MARGARET HOWELL』『SUNSPEL』の日本版カタログ制作など。昔からイギリスのファッションやカルチャー、雰囲気が好きで、2019年春にロンドン暮らしをスタート。現在は英語や写真やファッションを学びながらゆるりとイーストで生活中。東京でもロンドンでも暮らしは変わらず、ひとり好きで気の向くまま過ごしています。趣味は写真、映画、アート、コンテンポラリーダンス観賞、旅、ヨガ。モットーは「人生は全部ひまつぶし」。真面目に、全力でひまをつぶしています。【Instagram】sekinemaki 【note】https://note.com/makisekine/m/m48fb72d934d5

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