木のない美しい土地ウェールズへ

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我輩はバーミンガムを満喫した後、1泊して翌朝に出発することにした。まだまだバーミンガムには居たい気持ちはあるのであるが、他にも行くべき場所があるので別れを惜しみながらも次の新しいエリアであるウェールズ/Walesに行くのである。

ちなみにご存知の方も多いと思うが、イギリスはイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの連合国であるのだ。今回以降、しばらくはそのウェールズで沢山の古城見学を目的として、自転車で巡っていこうと思うのである。

我輩は北東のスノードニアを目指して自転車で出発してから野宿をして2日経ち、早朝についにウェールズの国境を越えることができたのである!  しかし天候は生憎の曇天で霧に包まれており、何もない平地を黙々と通って行くのだ。そろそろ我輩のお腹が呻き声をあげてきたので道路の脇にあった、こぢんまりとしたカフェ屋さんに立ち寄ることにしたのである。中に入ると落ち着いた木の内装をしており感じ入っていると、気品ある田舎のお姉さんが我輩を席に案内してくれたのである。そこでイギリス伝統のイングリッシュブレックファストを注文することにしたのである。

ひっそりとしたカフェで食べる朝ごはんは落ち着くのだ。

料理を待ちながら辺りを見てみると常連さんらしき人がちらほらと居たのだ。我輩は何か常連から情報がつかめるかなと盗み聞きをしようとしたのだが、理解が出来なかったのである。いや、英語を聞きとれなかったのではないのだ、その人達は違う言語を喋っておったのだ!

看板には英語の上にウェールズ語があるのだ!

どうやらウェールズではウェールズ語と言う言語が存在していて、英語とウェールズ語を使い分けているみたいなのだ。その上ウェールズの人達は、珍しいところにアジア人が来たなと言わんばかりに、まじまじと我輩の事をずっと見ているのである。我輩は見られる事にもじもじしながらも未知との触れ合いで「旅が楽しくなってきた」と心の中で感じるのであった。

全く木が無く、日本との大きな違いが不思議な気持ちにされるのだ。

それからまたしばらく悪天候の道を進んでいると、我輩が今までに見てきたような山とは違う、木のない沢山の丘のような小山に出会ったのだ。そこには動物も放し飼いをされていて、これがウェールズか!と感心したのである。

すごい濃霧なのであるが動物も点々といて、永遠に草を美味しく食べているのだ。

しかし最初は楽しかったのだが、途中からそんな事を思う余裕すらないほど峠の多い道に苦難するのであった。そのエリアは意外と道路が狭く多くの車が通り、羊がよく道に飛び出してきて、なおかつ坂道が恐ろしいほどに多いのだ。峠を何度も通り、ようやく平地になってきた場所で我輩は昼ご飯を食べる事にしたのだ。

峠を越えて、頑張った褒美にポテトとサンドイッチを!

そしてようやく、そのすぐ近くにある小さな町にたどり着いたのである。そこはスノードニア国立公園の中にあるDolgellau / ドルゲラウという町で、コッツウォルズの建物を黒に染めたような建物ばかりが目に付く場所なのだ。

水と緑と建物の配色を美しく思うのだ。

水と緑と建物の配色を美しく思うのだ。

我輩はあまりゆっくりはせずに野宿できる場所を探すために、この町を直ぐに出てしまうのだ。もっとゆっくりしたかったのだが先を急ぐのである。

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兵庫県神戸市出身。子供の頃に母から「占い師曰くあんたの前世はイギリス人のバロン(男爵)らしいよ」と言われ、バロンだった“我が輩の故郷” を探し出すためにいつかイギリスに行くことを決意。大学で建築を学び、卒業後にワーホリVISAを取得。2018年9月にイギリス上陸!自転車でイギリス全土を周る旅を敢行した。旅中で感染したライム病と闘病しつつ、英語を学ぶため2年間ロンドンに滞在、2020年秋に帰国。性格はのんびり屋だけど新しいこと好き。まさに至高と思えるほどの食事好きで、旅中は予算内でたまに美味しい物を食べることが楽しみの一部であったほど。Illustration by なぽりん

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