マイカフェ:ワイト島編

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cafevisit


最近週末プチ旅行が数回続いてる
そしてカフェハントも彼の地でしている

だから今回、もう一度ロンドンcaféビジットは、番外編で行くことに致します!

行き先は…

ちょっと美しい海を見たくなって、訪れましたのは
ワイト島(ilse of Wight)でございます

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ロンドン、ウォータールー(waterloo)駅から特急で約1時間40分
ポーツマス ハーバー(Portsmouth Harbour)へ
そこからフェリーに乗り換え、ワイト島の港町ライド(Ryde)へ渡り
トコトコ電車に乗って島を横断
そして目的地シャンクリン(Shanklin)へあっという間に到着です

*このトコトコ電車は
嘗てロンドンの地下鉄で使っていたものを再利用しています
一部木製のフレームも残る、古っぽい電車です

朝ロンドンを出て
地下鉄も含め乗り換えがとても便利な4つの乗り物を乗り継いで、約3時間
運賃も往復全部含めて、約50ポンド

電車やフェリーに乗って行くから旅行気分もしっかりと味わえ
その割に安く、また日帰りでも十分に行かれる距離、というのがワイト島

イイでしょ〜

さて、小さなシャクリンの駅とその周辺には
インド人のやっているキオスクと、一軒のcaféがあるだけ
他には何もありません

「なんか、ここ、本当にノンビリしているな〜」

島に到着するとよく感じる、このリラックス感!
それは、ここにもありました

私が行った日は、天気が良く空も海も真っ青で
とても気持ち良かったせいもあると思うけれど

やっぱり島の雰囲気は、ノンビリゆったりとしている

自転車を借りて、島を巡ろうかとも考えたけれど
今回は、歩いてお散歩をすることにした

歩いて気がついたのだけれど
シーズンオフのこの時期
泊まり客のいない寂しげなホテルが幾つも目に入る

夏が終わったビーチタウン、こういうのはなんだかちょっと淋しい…

と思いながらも少し歩くと

見えました、青い海!
崖の下に広がる美しい海!

あ〜なんて、気持ちがイイのだろう!

淋しい気持ちは吹っ飛んで
深呼吸しながら崖を下りて海辺に到着
そこには、レストランがずらりと並んでいました

ここでも、やっぱりシーズン後の寂しさがチョッピリ感じられるけれど
それでも、テラスに座って飲んだり食べたりしている人々で賑わっています

今日は、朝から
「お昼ご飯は、海辺のレストランでフィッシュ&チップスを!」
なんて、思っていたから、この辺りで食べましょうか…

どこに入ろうかと迷って、少し歩いて決めたのが Steamer INN
理由は単純に、一番賑わっていたから

潮の香りがするレストランのテラスで
そよ風を感じながら、エールを飲んで
フィッシュ&チップスを食べていると
島独特のノンビリ感が、私の身体にどんどん入ってきた

その時、ふっと憶い出したのが
2年ぐらい前のこと
ロンドンはまだまだ寒い、3月だったと思う

それは、初めて行ったジャージー島の空港でのワンシーン

《飛行機を降りて、到着ゲートを出ると1人の中年男が目に入った
日焼けをした顔でニコニコしながら友人を出迎えた彼は
ショーツとシャツという出で立ち
その時、肌寒いロンドンから飛んできた私は
「あ、ここは、本当に南の島なんだ〜、島に到着したんだ」と実感した》

という、こんなちょっとした想い出なんだけれど…

アイランドに降り立つと、いつも感じるこのリラックス感
なんなのでしょうか?

ハワイやカリブ海に浮かぶ島じゃなくても
アイランドには、独特の雰囲気があると思う

そういえば、スコットランドの小さな北の島に行った時にも
それは感じられる
さすがにショーツとビーチサンダル、じゃないけれど
でも、なにか人々がゆったりしているのを感じる

ノンビリゆったり感は、暖かい気候だから、というだけではないみたい
それは、本土にはないもっと違った自由な空気感が
呑気に流れる時間を作り出しているから?

兎に角、このアイランド感覚、私はとても好きです

さて、そよ風の中で頂いた
フィッシュ&チップスとワンパイントのエールで
気持ちのよいランチをとった後は海辺を散歩することにした

暫く歩いて思ったことは

『やっぱり自転車を借りれば良かったな…』ということ

車も多くないし、自転車で気持ち良く走れそうな道が多いから
海岸沿いを走ったら、どんなに気持ちが良かったことか
ちょっと悔しい思いをしてしまいました

でも、2つも悔いが残らないように、今日は絶対に素敵な
ビーチcaféを見つけるぞ!

そう思いながら
ノンビリと波の音を聞きながら海岸沿いを、お散歩しました

私は、石を集めるのが趣味の1つなので
川辺や海辺をゆっくり歩く、こういう散歩が大好きです

海を見にきたのか、石を見にきたのか
どっちなの?と、思うくらい

ビーチを歩く私はいつも、気付くと下を向いて
もう20年以上ずっと集めている、ある特別な石を探している
(この特別な石のことは、又いつか…)

そんな石探しのお散歩をしながらも

『見つけたぞ!』
『うん、これこそビーチカフェだ!』

th_Wight
それは、パステルカラーに塗った簡素な木造の家とテラスのカフェ
今年の2月に出来たばかりの真新しいカフェ
オーナーらしき女性がTシャツとショーツに裸足で動き回っている

内装はちょっと中途半端かなと、感じてしまうけれど
可愛いらしいインテリアの海の家は
もっと時間が経ったら、きっとイイ感じに風化していくと思う

この店は、ウォータースポーツの用具も貸し出しているみたいで
隣の小屋には、サーフボードやカヌーなんかが、色々と置いてある

テラスには、観光客の他に、お店の常連さんが数人
イイ色に日焼けした、50代?サーファー達がお喋りしている

『あー、この呑気な雰囲気、正しくアイランダー!』

私もテラスの端っこ席を選ぶと、太陽を背に座って
いつものように早速カフェスケッチを始めました

背中は暑くなってきたし、手元は太陽の光で眩しくて
うーむ、なんだかよく描けない
ここで絵を描くなんて、ちょっと場違いな感じだしね

せっかくこんなに気持ちの良いテラスに座っているのだから
何も考えないでただ海を見ていたい…
目を瞑って、海風を感じていたい…

なのに、私はコソコソカサコソとスケッチブックに向かっている

皆んなが海を見ながら、ボーッとしている中で
なにか、違うな〜、と思いながらコソコソカサカサ…

海を見にきたのに、気がついたら下を見ながら石を探していたり
スケッチブックに向かってしまったり

本当は、只々、海を見る旅にするはずだったのに…

コーヒーを飲んで、スケッチを描き終えて、立ち上がると
おじさんサーファーの1人が私に優しい目を向けて

「よく描けた?  又ね、Have a nice time in an island」
と、言って微笑んだ

「ありがとう、また来る…」

ロンドンから電車とフェリーで数時間なのに
まるで、イギリスの南西端のコーンウォール(Cornwall)の
ビーチカフェにでもいるような感じがした

目の前の真っ青な海、白いヨットの帆、波の音、そよ風、優しい人達

海が見たくなったらふらりと、又この島に来てみよう
今度来た時には、自転車に乗って風を切って走るんだ!
そして、石もやっぱり探しちゃうと思うけれど
もっと、ノンビリと海をボーッと眺めていたい…

そんな事を思いながら
コトコト電車に乗って、フェリーに乗って、特急電車に乗って
すっかり夜になってしまった頃

私は又日常の世界、大都会のロンドンに戻ってきてしまいました

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【きょうのヒント】
SandownとShanklinの間
天気の良い日に、サーフィンをしに行こう〜!

そうそう、この辺りには、楽しげなビーチ小屋が並んでいる
開いているドアから、可愛らしく飾られている小屋の中が見えるから
歩きながら、ちょっと覗いて見ると、たのしい
小屋の主達?
小屋の前に椅子とテーブルを出して
ノンビリとお茶を飲みながら

お喋りとお茶と波の音と風と太陽を
ただただ、楽しんでいるのでございます

【前回のこたえ】
The Plan
28-29 Morgan Arcade, Cardiff CF10 1AF

 

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About Author

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東京生まれ、ロンドン在住の絵本作家。高校卒業してすぐに渡米。その後、パリ、南仏に暮らし、ロンドンへ。ロンドンでセシルコリン氏に師事、絵や陶芸などを学ぶ。1984年からイギリス人の夫と2人の子供と暮らしながら東京で20年以上イラストレーターとして活躍、その間、「レイジーメイドの不思議な世界」(中経出版)の他、「ある日」「ダダ」「パパのたんじょうび」(架空社)といった絵本を出版。再渡英後はエジンバラに在住後、ロンドンへ。本の表紙、ジャムのラベル、広告、お店の看板絵なども手がけている。現在はロンドンのアトリエに籠って静かに絵を描いたりお話を創る毎日。生み出した代表的なキャラに、レイジーメード、ダイルクロコダイル氏などがいる。あぶそる〜とロンドンにはロンドンのカフェ・イラスト・シリーズを連載。好きなものはお茶、散歩、空想、友達とのお喋り、読書、ワイン、料理、インテリア、自転車、スコーン、海・樹を見ること、旅行、石(特にハート型)、飛行場etc etc...

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