英国と日本。どちらも庭に関しては一家言あるお国柄です。
その両方のいいところをたっぷりと見て体験してきたイギリスの庭木職人、Jake Hobsonさんが、日本の剪定文化の素晴らしさをイギリスに伝えたいと、ご自身の冒険の新章を始められました!
ジェイクさんは日本で修業を積まれた庭木職人さん。つまり、ずっと日本の道具で仕事をされてきたのですね。そしてイギリスに帰って植栽業界で仕事を始めてみると・・・
「こんな道具で仕事をしているのか・・・」
と、逆カルチャー・ショックを受けた。それで日本の剪定道具やガーデン・グッズを扱うブランド、Niwakiを立ち上げられたのです。2006年のことだそうです。
剪定職人として最高峰の腕を持つジェイクさんが、本当に使いたい道具だけを扱うブランド。それがNiwaki。これまでもオンラインを活用して多方面で販売されてきました。
イギリスのドーセットに本社を置き、日本の神楽坂にも素敵なショップがあるそうですが、この9月に、満を持してロンドンにショールームを出店! マリルボーンでも個性的なお店ばかりが並ぶ、Chiltern Streetでのオープン。好奇心旺盛なロンドナーたちに新鮮な驚きをもたらして、たちまち注目されそうです^^
剪定鋏、刈り込み鋏、手斧や鍬、のこぎり、鋏ケース、盆栽や生け花用の道具などはもちろん、万能ナイフや料理用の包丁まで、日本の職人さんとの協働でお届けする商品は、すでにプロたちから絶賛されています。研ぎ石だってあります!
中でもジェイクさんの思いが詰まっているのは、剪定専用の脚立。昔のイギリスでは通常のDIYと同じ4本立ちの脚立を使っていたのだそう。これだと土の上では不安定で、安心して作業ができない。「イギリスのガーデン業界に安全をもたらしたのは僕だ」とジェイクさんが自負している商品でもあります。
作業服では、我が故郷、岡山県倉敷市のデニムを扱っているとのこと! グッと親近感が湧きました^^ やっぱカッコいいですね〜♪
シンプルで機能的、飽きが来ず、耐久性にすぐれ、美しい佇まいであること。あらゆる日本のクラフト品がそうであるように、Niwakiの真髄もそこにあります。商品はほぼすべてが日本製。最高品質の素材を使い、最高の品物を作る職人メーカーとだけ契約しているのだとか。ということは、職人の魂も一緒にくっついてイギリスに来ているはずですね ^^
オープニングのイベントで出会ったフラワー・アレンジメントのデザイナーさんが言うには、「Niwakiの商品は、一度使うと他のものに戻れなくなる」とのこと。プロを魅了する本物の輝きがあるのです。
そしてチルターン・ストリート店を訪れるとわかるのですが、そこはプロが通うことになるガーデン/剪定グッズのお店であると同時に、一般の人の心に温かな灯りをともす、ナチュラル・クラフトのライフスタイル・ショップでもあるのかな、と言う印象を抱きました。
なにせギフト・アイデアがいっぱい。自分へのご褒美としても、欲しくなるものがたくさんありました。ケンザンもいいもの扱ってますよ^^ クリスマス・プレゼントを探しに、ふらっと立ち寄ってみるのもいいかも。チルターン・ストリート沿いは、それはそれは個性あふれるお店が多いので、他では出会えないものを見つけることができるはず。
店舗デザインは、Niwakiさんと長年のお付き合いと言う建築デザイン事務所Jones Nevilleの仕事。白木をふんだんに使った、清潔感を感じさせつつも温もりのあるデザインは、Niwakiのコンセプトそのまま。素材にこだわり、フックなど細かいところまで全て手作りなのだそうです^^
それと忘れないうちに! ジェイクさんは、庭木に関する本も書かれているんです! 彼の専門でもある、玉つくりその他、日本の剪定技術について書かれています。個人的なエピソードや、そこから導かれるアドバイスなどが豊富。実用的かつ読み物としても優れていると評価の高い本です。日本の剪定技術のバイブルのような本なのかもしれません。
何はともあれ、日本のクラフトに興味ある方は、訪れないとソンソン!^^ とっても素敵なお店です。