もうすぐ10月。ちょっとクールなアンダーグラウンド・バーにもぐってみたいな。そんなリスのような気持ちになってしまう、秋の到来なのである。
そして! 10月といえば世界最大のカクテルの祭典「ロンドン・カクテル・ウィーク」開催月! 2024年は10月3日〜13日、11日間に渡ってロンドン中のバーがお得なカクテルやユニークなイベントを用意し、皆さんが訪れてくれるのを心待ちにしているのだ。これは利用しない手はない♪
目玉となるのは、市内200を超えるバーがそれぞれ自慢のレシピで挑む「8ポンドのシグニチャー・カクテル」、カクテル愛好家のためのとっておき「コノッサーズ・コレクション」、そしてバー同士の交流という側面もある「テイクオーバー」シリーズを含む100を超えるイベントの数々だ。
8ポンドのシグニチャー・カクテルをいただくには?
シグニチャー・カクテルをいただくには、気になる提携バーに足を運び、フェスティバルへのチケット的な役割を果たすリストバンドを提示するだけ。リストバンドは次のステップで入手しよう♪
1. このリンクからオンラインで20ポンドのリストバンド(チケット)を購入すると、DesignMyNight から確認メールが届く。
2. 最初に訪れたフェスティバル提携バーでメールを提示し、リストバンドと小さなガイドブックを入手しよう。10月3日以降は、バーでリストバンドを直接購入することも可能だ。ガイドブックには約200の提携バーを表示してくれるGoogle マップへのQRコードも含まれている。
3. あとは気になる提携バーを訪れてリストバンドを見せ、「シグニチャー・カクテル、プリーズ!」とお願いするだけ♪
このリストバンドはフェスティバル期間中はずっと有効。シグニチャー・カクテルは1名1杯までのところが多いので、人数分を調達することをお忘れなく。多くのバーでは複数の特製ドリンクが用意されている。例えば半数以上のバーが6 ポンドのノンアルコール・カクテルを用意しているほか、一部のバーでは12 ポンドのシャンパン・カクテルもいただくことができる。
フェスティバルの提携バーは、こちらでチェック!
https://londoncocktailweek.com/bars/
世界で最もナイトライフが充実している都市の一つ、ロンドンのバーは屋上や地下に隠れているだけでなく、驚くなかれ、ノンアルに特化した路面店も入っているのでぜひとも探検してほしい。
コノッサーズ・コレクションって?
これは真のカクテル愛好家のために企画された歴史と格式を感じるプログラム。例えばこんなカクテルだ:
☆ザ・サヴォイのThe Beaufort Barでいただく「ルーレット75」。ボンベイ・サファイア・プルミエ・クリュと、極上のプレミアム シャンパン。バーで初めて考案されたカクテルなのだそうだ。
https://londoncocktailweek.com/events/40394/the-connoisseur-s-collection-french-75-roulette-at-the-beaufort-bar-at-the-savoy/
☆ミシュラン星付きレストラン、Hideでは「ウィスキーとチーズのペアリング」を提供する。世界のウィスキーを使った3種のカクテルと季節のチーズの組み合わせ。Hideのクオリティを考えると行きたくなってしまう。
https://londoncocktailweek.com/events/42157/the-connoisseur-s-collection-whisk-e-y-and-cheese-pairing-at-hide/
☆ラッフルズ・ホテルの地下にあるザ・スパイ・バーでいただく「ヴィンテージ・マティーニ」フライト。ジェームズ・ボンドに捧げる3種類の異なるヴェスパー・マティーニを提供。過去・現在・未来を読み解く趣向で・・・
https://londoncocktailweek.com/events/42162/the-connoisseur-s-collection-vintage-martinis-at-the-spy-bar-at-raffles-hotel-owo/
コノッサーズ・コレクションの全貌はこちらで!
バーがテイクオーバーされるの?! その他のイベントも教えて
アンダーグラウンド・パーティーからブレンド・マスタークラス、テーマ別のポップアップなど、期間中は100を超えるイベントや1回きりのスペシャル体験が用意されている。
例えば英国各地や海外からロンドンにやって来る著名なバーによるユニークな“テイクオーバー”は、ロンドン・カクテル・フェスティバルの人気シリーズでもある。例えば・・・
10 月 3 日 9pm-12am
Side Hustle を「Agave A Go Go」がテイクオーバー
世界で最も有名なアガベ・バー4軒が協力し、NoMad London のSide Hustleのホストで集結。メキシコシティの Limantour、パリのCandelaria、ニューヨークのLeyendaが参戦し、1時間ずつそのスキルを披露! 非常に稀なイベントだと言えよう。
https://londoncocktailweek.com/events/40066/takeover-agave-a-go-go-limantour-mexico-city-x-candelaria-paris-x-leyenda-brooklyn-x-side-hustle-london/
10 月6日・7日 4pm-10pm
Lyaness を「The Dead Rabbit 」がテイクオーバー
ニューヨークの有名なアイリッシュ・バー、The Dead Rabbit が、ロンドンのサウスバンクにある大人気「Lyaness」を2 夜にわたってテイクオーバー。ライブ・ミュージック、アイリッシュ・コーヒー、生ギネスなどをお楽しみあれ。昨年フェスティバルの逆バージョン。
https://londoncocktailweek.com/events/41539/takeover-the-dead-rabbit-nyc-x-lyaness-london/
期間中はテイクオーバーの他、下記のリンクから飛べる100を超えるイベントが催されるので、ぜひ参加してみてほしい。
テイクオーバー
テイスティングとマスタークラス
フード・マッチング
その他のユニークなイベント
駆け足でロンドン・カクテル・ウィークの今年の魅力についてお伝えしたが、いかがだっただろうか。
バーやカクテルが日常にある人もいると思うが、私自身は、バーの非日常が好きだ。
独特のアンビエンスと、個性的なバーテンダー、ミクソロジストたち。カウンター席に座るミステリアスな客。陰影を形づくる照明。
個人的にはエドゥアール・マネの「フォリー・ベルジェールのバー」よりも、断然エドワード・ホッパーの「ナイトフォークス」のバーが良い。しかしバーはできれば地下にあってほしい。そうでなければ極力窓が少ないほうが良い。仄暗いことが重要だし、音楽は渋めでお願いしたい。
バーは好きな飲み物を味わいながら、ゆっくりと語り、人が親交を深める場所だと思っている。だから賑やかになりがちなイギリスのバー文化は少し肌に合わないと感じていたが、今回、皆さんに先んじて何軒かカクテル・バーを渡り歩いてみて、意外と日本のバーに似た場所もあるのだと気づいた。
例えばレスター・スクエアのど真ん中にあるカジノ、ヒポドロームの地下に、ひっそりとバーがオープンしているのをご存知だろうか。Archive & Mythというのだが、広さも雰囲気も、まるで新宿のビルの中に入っている小さなバーのようなのだ。
ホテルのバーも渋めが良い。
ウェストミンスターのThe Ruffles Hotelの地下にできている「The Spy Bar」は、仄暗くて秘密めいた雰囲気が宿泊客に受けてか、中はかなり賑わっていたが外から見ただけではそこがバーかどうかも分からない造り。写真は御法度で入店前に携帯電話のカメラレンズにシールを貼られてしまうのだからたまらない。しかし秘密クラブのような趣があり、訪れた人だけが、その姿を見ることができるというワクワク感がある。
その点、NoMad Hotelのバー、Side Hustleは私にとってちょうどいい塩梅のバーだった。照明の仄暗さや木の温もり、可笑しなバーテンダー、グラマラスとは真反対の5つ星のカジュアル(ちょっとパブっぽい)。計算され尽くされているが、人が出入りすることにより期待のようなものが崩れ去り、ほどよく温まり、本来の個性が浮き上がってくる。スタッフも客もバーの一部なのだから、そこも見どころ、ではないだろうか。
ちなみに、私のようにバーを愛するアルコールに弱い人にも、ロンドン・カクテル・ウィークは多大なる寛容性を示してくれる。ノンアル・カクテルもどんどん進化しているので、「私、飲めないから」という方も、ぜひ試してほしい。
2010年、世界で初めてロンドンで立ち上げられた「カクテル・ウィーク」。今年はなんと第15回目!(おめでとうございます♡)の節目を迎え、パンデミックを乗り切りますますパワーアップしているようだ。
私もリストバンドを入手して、特製のGoogleマップで確認しながらロンドンの街を歩き、いくつかシグニチャー・カクテルを試してみるつもり。これを書きながらしみじみ思った。やっぱりバーっていいなぁ。
LONDON COCKTAIL WEEK
https://londoncocktailweek.com