容赦なく、ぶっちゃける人々

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realkyusyoku


この学校のキッチンの皆さん、とにかくおしゃべりが大好き。

女性はみんなおしゃべり好きだが、とにかくケイティーを筆頭に喋りまくっている。おまけにミスターCまでお喋り好き。仕事中はバタバタ忙しいので 、あんまりお喋りしているとミスターCに注意されるが昼休みともなると喋りたい放題。

しかし、この人たちオンとオフの区別がなくプライベートのことも包み隠さず喋りまくる。日本人にとってはちょっと驚きである。個人的にプライベートのことをぶっちゃけることはあるが、さすがにみんなにぶっちゃけるのは勇気がいる。

しかし、聞いてる側からするとかなり面白い。

ある日のスタッフのランチタイム。
大陸出身のミスターCに、ルルが質問を浴びせかける。

「ミスターC、ちゃんとママに電話してる? 」

「もちろんしてますよ。」

「電話だけじゃなく、ちゃんと会いに行きなさいよ。」とルル。

「ほら、僕ら8人。そんなに僕が行かなくても寂しくないんですよ〜!」

(え??  何8人って?!)
と、思った途端ジャッキーが突っ込む。

「ねえ、ミスターC。おたくら三つ子はみんな同じ顔なの??」

(三つ子……?!)

「男二人は同じだけど姉は違いますよ。私たちが 、一番下で上の5人もわりと年が近いんですよ。ナハハハ!!!」

(マジ??   ミスターC、8人兄妹ってぶっとびなんだけど……!?)

冗談かと思いきや本当の話らしい。さすが、奥が深いぞここのメンバー。
長いこと働いてても、まだまだ発見があるらしい。

そして後日、新人リーリーが妊娠についていろいろ語る。
彼女は働き始めて2ヶ月あまりのシングルマザー。6歳の女の子が一人いる。
しかしながらいきなり妊娠報告。
しかも、前の旦那とはまだ離婚は成立していない。
ん? 父親はいったい?!?

ある日のランチタイム、リリーが先日休んで病院に検査に行った事などを話し始める。どうやら週末に調子が悪くなったため、病院に検査に行ったらしい。

ミスターCがリリーに体調について質問すると、
「ちょっと調子が悪くって赤ちゃんのスキャンしてもらったんだけど、今のところ問題なさそうでした。」

みんなも心配してたので安心した様子。

そこへおしゃべりケイティーが容赦無く質問。
「彼氏とはもう長いの?」

「ん〜、付き合って8ヶ月くらいかしら。前の仕事場で知り合ったのよ。」

(えー!!  離婚してないなくても子供産めるんだぁ。やっぱりこの国はシングルマザーでも子供を育てていける環境があるのねぇ………………。)

ここにいて思った事、とにかくみんな明るくてあっけらかんとしている事。

日本でシングルマザーだとフルタイムで働いて、さらに子育てや家事などなど。
とにかく休む間もなく、生活するのに必死なイメージがある。
でもこの国、みんなわりと余裕でシングルマザーをこなしているように見える。

その理由はズバリ!
シングルマザーは充分ではないとはいえ、国からの保証がある事。
まず、家を確保してもらえる事がかなり大きい。
そして子供が5歳になるまでは仕事をしなくても生活は保証されている。
子供が就学する年齢(イギリスでは5歳)からは、何であれ仕事にさえつけば
保証が降りるといったシステムであるらしい。
但し、給料に応じて。
もちろん、一定の金額枠以上の所得者はもらえない。

そして、ここで働いているメンバーの半数が何と!?シングルマザーである。

はっきりって、ここでのお給料で生活をしていくには無理がある。
しかし、この給料だからこそ補助が出るのである。
そして、みなさん必ず夏のビーチホリデーは欠かさない。

それを考えると、日本は全てにおいて難しいのかもしれない。

この国は、日本より子供を産みやすい環境であることは間違いなさそうだ。

つづく

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About Author

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福岡県出身。グラフィックデザイナー、アートディレクターを経て、2005年の結婚を機にイギリス・ロンドン郊外に移住。2009年出産後から専業主婦生活に。2014年6月より現在の仕事、地元中学校にてケータリングアシスタントを始める。幼少の頃より大のスピリチュアル・ファンである。

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