カンノンコーヒー松陰神社であったかモーニン’ スコーンに出会う

1月は思いのほか仕事が例年より少なくて、自分にゆとりを持って過ごせた1ヶ月であった。遠く離れて住む子供たちが、休暇で急に帰ってくることになっても一緒に過ごすことができた。

1月も半ばを過ぎた頃「冬休みに入るから1週間だけ帰る」と急に子供から連絡が入った。実は彼女、年末から下宿先と東京自宅を３往復している。彼女と東京の街なかを歩いていると、ふと私は今どこにいるんだろう、と考え込むことがある。あぁ、ここは東京だった..。頭の回転スピードが落ちてきている自分をひしひしと考える瞬間でもあります。

彼女が初めてスコーンの美味しさを経験したのは10歳の時。当時住んでいた社宅の目の前の駒場公園（目黒区）。その敷地内にある日本近代文学館の「喫茶室 BUMDAN」のシェイクスピアのスコーン。二人で夜遅くまで昔話に盛り上がっていると「久しぶりにスコーンが食べたいな」と彼女が言った。その言葉を聞いた途端、私は朝ごはんにぴったりのカフェを思い出し「もう寝よう、明日は早起きしてモーニングスコーンに行くよ。起きたら帽子を被って8:30には出発しよう。おやすみ〜」と。

店内約2万冊の書籍が全て閲覧可能。現代の「文学」の道標ともなる場所。

さすがに夜更かしした私達に早起きは辛かった。でもノーメークで帽子ときたら30分もあれば準備万端。お金とiPhoneを上着のポケットに放り込み、チンチン電車、東急世田谷線松陰神社前駅で降りました。
駅前から延びる商店街。個性的なカフェや古書、食べ物屋さんが連なります。2分ほど歩くと、大きく開け放れたカウンター越しの窓が見えてきました。

不思議なことに、カウンター付近の道路には誰も見受けられないのに、カウンター奥から何やら声がしてきます。近くまで行くとその声は今日のお目当てのカフェから響いてくることがわかった。
街のコーヒースタンド「カンノンコーヒー松陰神社」。テイクアウトメインのコーヒーと焼き菓子のお店です。店名の由来は、一号店が名古屋の「大須観音」の近くであることから「カンノン」と名付けられました。全国に6店舗。関東では鎌倉に2店舗、吉祥寺に継ぎ、松陰神社前に2019年オープンしました。

看板メニューは オリジナル・ブレンドコーヒー、焼き菓子、シーズナルドリンク。
◆コーヒー豆は飲みやすいようにブレンド。コーヒーが苦手な方にも気軽に親しんでもらえるよう、自家製シロップなどを使った人気の創作ドリンクもご用意。
◆見た目も可愛く、個性豊かなお菓子たちは、安心素材をふんだんに使ったものばかり。体に優しい素材だから毎日が美味しさのお楽しみ。また季節の果物やハーブを使ったスパイスの効いた手作りのお菓子は、各店舗によって様々。並んだお菓子を選ぶのもワクワクですね。
◆大人気♡月変わりの限定ドリンク。季節やイベントに合わせた、今しか出会えないスペシャルメニューです♪
2月は《ラズベリーホットチョコレート》と松陰神社店考案《自家製キャラメルオレンジラテ》。バレンタインな甘みと、すっきりしたキャラメルラテのスペシャルテイストです。

コーヒー豆のコクと甘み、特有のフレーバーをお楽しみいただきたい

ドリップパック:まろやかなコク♪香り高き上品な味わい♪適度な苦味♪

愛知県瀬戸焼きの手に馴染みやすいオリジナルカップ: カンノンのイラストはイギリス在住🇬🇧RIKAKO SUZUKIさん

まずは道路越しのカウンターで注文、支払い。その後店内へ。
商店街があるメインストリートにあった古民家を改造されただけに、天井は高く、梁や建具、鴨居などがむき出し。それがまた趣きある空間を創り出しています。その広々とした空間にはベンチタイプの席が設置され、お買い物帰りや散歩のベビーカーのママたちのほっとした空間にもなっていることでしょう。

座っているとテイクアウト利用の方が多いことに気づきました。。そして商店街を行き交う方々が、窓越しに店員さんに声をかけていることにも気づきました。
行き交う人：「おはよう！今日も寒いね。行ってきます。」
店員さん　：「おはようございます。行ってらっしゃい！」
そっか、さっきお客さんもいないのに、お店の中から聞こえてきたあの声はお客様と店員さんの挨拶だったんだ！たった数秒の毎朝を、一声かけあってスタートさせる。時間がなければ「よっ！」って手を上げるだけの時もあるのかもしれない。年中無休で人を見守り見守られ、人々の生活に寄り添ったあたたかい街のコーヒースタンド屋さんです。

道ゆく人がお客様

モーニング限定（9時〜12時）ミニスコーンセット600円。ボックスに入れてお持ち帰りもOK。
セットドリンクは、アメリカーノ（ホット、アイス）と、プラス50円でカフェラテにも変更可能です。
スコーンのフレーバーは《プレーン》《紅茶オレンジ》《ダブルチョコレート》の3種類。クローブを隠し味に加えた自家製カシスジャムを添えて。（スコーンの組み合わせは期間によって変更します）

ふたり同時に顔を見合わせて「これは何もつけなくても絶対に美味しいに違いない」と目くばせをし、それぞれ一口ずつ頬張ってみた。茶葉の香りと爽やかオレンジ味の初体験。チョコレート好きにはたまらないこの色合い。全てそのままを味わいたくて、二人とも最後までジャムなしで食べ切ってしまいました。素朴なプレーンスコーンには、カシスジャムをたっぷりのせて。カシスの酸味とスパイシーな香りが口の中いっぱいに広がって、朝からなんとも大満足♡

シーズナルドリンクはどんなアレンジをすればいいだろう。どんな素材を合わせればスコーンの美味しさを引き出せるだろう。どんな時も、街の人が喜んでくれるアイデアづくりや店作りを、スッタフの皆さんは考えています。
忘れてはならないものがもうひとつ！それは武士でもあり、明治維新の精神的指導者・理論者だった吉田松陰にあやかった「吉田松陰先生ビスケット」(^○^) 松陰神社には松蔭先生が祀られています。歩くだけでも楽しい松陰神社通り商店街。神社への参拝客や、初めてこの地を訪れた方が笑顔になってもらうためのアイデアのひとつだそうです。