2025年春、大阪のベイエリア・夢洲(ゆめしま)で「大阪・関西万博」が始まりました(2025年4月13日-10月13日の184日間)。世界中の国や地域が集まり、それぞれの文化や最新のテクノロジーを披露する大イベントです。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。ちょっと難しそうに聞こえますが「これからの暮らしや命の在り方ってどうなるの?」を世界中の人と一緒に考える場所であります。

修学旅行先として人気があり10月はピークシーズンで混雑が予想される
会場には各国のパビリオンがずらりと並び、まるで “地球まるごと体験ツアー”。空飛ぶクルマやロボット医療、AIとの共生など、未来の生活を垣間見る展示が盛りだくさん。そして食べ物好きにはたまらない、各国のレストランやカフェも充実しています。

手前はフランス館、奥はアメリカ館。

フィリピン館(上):1,000枚を超える手編みのラタンパネルと伝統工芸の手織りファブリックパネルで構成。マレーシア館(下):空に向かって垂直に並んだ竹の棒で正面から見るとリボン模様に構成。設計 隈研吾。

スイス館:公式マスコットはハイジ。「人間拡張」「生命」「地球」の3つのテーマを通じスイスの創造性が体験できる。

鳥取県の企業が手がける建築の基礎となる鉄筋を全面に押し出し作られた斬新なデザイン。親子連れや子どもたちの憩いの場として注目されている。
そんな中で今回私が向かったのはもちろん英国パビリオン。パビリオンとレストランに並ぶ長蛇の2列。さらにレストランはイートインとテイクアウトの2列に分かれます。さてどれかを選択しなくてはなりません。手元の時計は12時45分。ここらで何かお腹に入れておかなければ午後は持たぬと思い、パビリオンは午後遅く並ぶことに決め、イートインの列に並びました。並ぶにも屋根がありませんからね、日傘必須、水分補給で熱中症には気をつけましょう。

イギリス館:建物自体が「積み木」をモチーフに設計。「個性の違う人々が力を合わせて未来をつくる」というコンセプトを体現。

撮影スポット🇬🇧

万博ボランティアは会場で行う活動と会場に訪れる前の街中で行う活動がある。万博情報、交通情報、美化活動、外国人対応他。
レストランのスタッフはほぼ外国人スタッフ、言語は英語。テイクアウトの列に「ドリンクはいるかい?」と聞いた際、いらないと返事したお客さんには「それはとっても残念だな〜」という気持ちのいい笑顔のリアクション。逆にアルコールを頼んだりしたら「もっちろんさ、そうこなくっちゃ!」っていう今にも踊り出すような笑顔。日本に住む私たちにとってはオーバーリアクション気味な彼らの反応も、ただ並んでいるだけで本場イギリスに行った感になってしまいます。
庭園が見渡せるレストランではチキンティッカマサラカレーやプラウマンズ弁当(英国産チーズとピクルスの盛り合わせ)、伝統のアフタヌーンティーなど様々な英国料理を楽しむことができます。またリバティの壁紙とともに、イギリスの陶器の町 ストーク・オン・トレントで製造を続けているバーレイも展示されています。

イートインスペースで、バーレイを使ったアフタヌーンティーが楽しめます。
30分足らずでレストランに入れたのはラッキー♪ スモークサーモンか、それともフィッシュ&チップスを選ぼうか。30分とはいえ炎天下で並んでいたので、さっぱり涼しげなサーモンの冷たい料理に決めました。キリッと冷えたビールも忘れてはいけません。何よりも注文はテーブルで待たずに自分で並んじゃいましょう。そっちの方が断然早いです。
スコットランド・ヘブリディーズ諸島産のスモークサーモンは、肉厚で燻製の香りが強く塩分も控えめ。薄切りサワードウブレッドにはサバの燻製のピリ辛パテを添えて。付け合わせはべビーリーフサラダ、シトラスドレッシング(¥2,150)。王室御用達「ウィンザー&イートン」醸造所で造られたラガービールが、乾いた喉を潤してくれます(¥1,500)。イギリス館でどっぷり食体験。並んだ甲斐がありました!
そこへ70歳代と思われる男女3人組が隣の席にやってきました。「暑い中並ばれたのですね、お疲れ様です!どうぞどうぞ、ゆっくり座ってともにランチを楽しもうではありませんか」と心の中で呟きました。彼らは注文を待っている様子でしたが、ついつい「待たずに並んじゃった方が早いかもしれませんよ〜」なんて声をかけてしまいました。「あら、ご丁寧にありがとう、何を食べようかしら」と楽しそうにカウンターへと並びに行きました。
そして隣に運ばれてきたのはフィシュ&ハンドカットチップスが3皿。加えて王室御用達のビール。この暑さの中、元気で明るく3人で、パビリオンレストランでイギリス料理だなんて素敵じゃありませんか。一人で黙々と食べている私にとってはなんとも羨ましいばかりです。やっぱり食事は一人より大勢で食べた方が絶対に美味しいですよね〜。大勢だといろんな料理がシェアできますが、一人では一皿を平らげるのがやっとのこと。また写真に収めた時の豪勢さが違いますよね。私が食べているサーモンのひと皿に、お隣のフィシュ&ハンドカットチップスの写真が加わると、みなさんにもご紹介することができていいなと思い始めたら、もう私のこの口がお隣さんに喋りかけてしまっていたんですよね。^^;
ナミヘイ:「すみません、そのお皿、写真撮らせてもらっていいですか?」
お隣さん:「なんや、ひとくち食べさせてや、って言うんかとおもてたわ〜」
さすが大阪のおっちゃん、おもろいや〜ん。こちらがその一枚です!

ビール入り衣の白身魚フライ、ミント風味グリンピースマッシュ、 ホームメイドタルタルソース。
暑い、ひたすら並ぶの万博ですが、その並ぶもまた楽しい時間のように思えました。パビリオンスタッフは全て外国人スタッフ。各国の民族衣装を間近に見ることができるのは感動もの。特にクウェートの男性衣装は、頭部を覆うスカーフから全身白い服がひときわ眩しく、すれ違うたびにまじまじと見つめてしまいました。(残念ながら写真はありませんが)

クウェート館:実物の砂漠に触れるなど五感に訴える展示が特徴的。砂をかき分けるとサソリやヘビなど砂漠の生き物が登場。

フランス館:テーマは「愛の讃歌」。昼と夜のエントランスの神秘さの違いもぜひ見てほしい。

大屋根リングからも見ることができたカナダ館での演奏会♪

ナツメヤシの大きな柱があるアラブ首長国連邦館。入りたかったけれどダメだった( ; ; )
さて夜になって向かった英国パビリオンですが、受付時間ぎれで並ぶこともできませんでした。残念…。
万博のシンボルとして建設された世界最大の木造建築物「大屋根リング」は実に見事でした。全周約2キロメートル、約30分かけて1周することができます。リング内にすっぽりおさまった世界中の国々は、見る時間によって様々な姿を映し出してくれます。そしてその背景に連なる山並みと臨海線もとても美しい。多様性を求める世界でありながらも世界は一つなのだと、大屋根リングを歩いてそう感じました。

万博閉幕後には解体・撤去され、木材の一部のみが再利用される方針。現在は仮設建築物として設計されているため、常設化には大規模な補強や維持管理費など多くの課題がある。
大屋根リングに飛来する虫(シオユスリカ)にはご用心!特に夕方から夜にかけて大量に飛来します。発生場所は、南側にある大屋根リングの上(スカイウォーク)と水辺エリア。私も遭遇しましたが危害を加えることはありません。できるなら避けた方がいいかもしれませんね。
さあ、夏本番!ミャクミャクに会いに行こう〜!

細胞と水がひとつになったことで生まれた、ふしぎな生き物。人懐っこく、おっちょこちょいなミャクミャク♡
【2025年日本国際博覧会】(略称「大阪・関西万博)
開催期間:2025年4月13日(日) – 10月13日(月) 184日間
開催場所:大阪 夢洲(ゆめしま)
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