Dreamin’ around the World

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前回の投稿からかなりの時間が経ってしまいましたが、ロックダウンの規制が緩和されてから信じられないほど沢山の方々から声をかけて頂き、週に一回以上のペースでライブ、イベント、とノンストップで奔走している毎日です。
前置きと全く関係ないのですが、新しく帽子を作ってもらいましたw

2016年だったと思うのですが、ライブに来てくれたミケーラさんという女性から、

「あなたの楽しそうな笑顔を見て、私も自分のやりたい事をやりたいと思いました。」

と言われその言葉だけが印象に残っていたのですが、何とその数ヶ月後彼女から連絡があり、

「帽子をプレゼントしたいのですが会ってもらえますか?」

と!

お会いしてお話を聞き、輪郭や髪型に合う物を選んでもらい、それからライブの時はいつもその帽子を被るようになりました。

↑ どれにしようか選んでいる最中です

ところが…

風の強い夜、疲労が溜まっていたのか、ライブの後の帰宅途中にフッと気が抜けてしまい、強風で帽子を飛ばされてしまいました!

ミケーラさんに申し訳ない気持ちでいっぱいだったのですが、正直にお話しすると、

「それは残念だけど、また新しいのを作ってあげますから大丈夫!」

「素材はフェルトがいい?」

「次のは飛ばされないように紐をつけてあげます!」

「今日 材料を決めてくれたらすぐに作ります!」

「形は前のと同じがいい?ツバの部分はフラット(平ら)にしてみる?」

↑ 日本語ペラペラです。:-)

と元気一杯の返事をもらい、僕もすっかり暗い気持ちが吹き飛ばされました。:-)

せっかくの機会だからと思い色々お話を伺ったところ、ミケーラさんは小さい頃からずっと洋服や帽子を作りたいと夢見ていたそうなのですが、大学を選ぶ際に両親から、

「堅実な仕事を見つけられるような大学に行きなさい」

と言われ、いわゆる普通の大学に進学したのだそうです。

…僕も全く同じ事を両親に言われましたw

でもそこに日本語の基礎コースがあり、それがきっかけで日本に興味を持つようになったのだとか。僕がミケーラさんに出会ったライブも、日本人ミュージシャンが多く出演するイベントでした。

学生時代は自宅からローマまで何時間もかけて電車で行き、日本文化センターを訪れ、何時間もそこで過ごしていたそうです。

…僕も大学時代、よく図書館に入り浸って本やCDを何時間も楽しんでました〜。:-)

ここでストーリーが急展開し、何と奨学金をもらってその後5年間日本に住まれたそうです。最初はほとんど日本語を話すことが出来ず大変だったそうですが、勉強と仕事の合間に歌舞伎や日本の音楽に触れて心を奪われた、と仰っていました。

…僕も英語が殆ど喋れないままイギリスに来て大学に6年在籍し、毎日コンサートを見に行ってましたw

ところが…

その後イタリアに戻ったミケーラさんは日本と祖国の文化の違いを再認識し、ショックを受けられます。

「自分のやりたいことやる」

と決心しローマに移り住み、そこでファッション・アカデミーでみっちり修行されたのでした。

こちら、最新の作品の中からのリサイクル素材で作られた防水ハットを被っているミケーラさん。 Coolissimo!

その時期、偶然日本のバラエティ番組「笑ってコラえて」のイタリア支局員としての仕事もするようになり、勉強を続けながらイタリア中を旅行し、沢山の面白い人々にインタビューをしたんだそうです(この時ありとあらゆるタイプの人にインタビューした事で視野がとても広がったんだそうですw)。

ファッション・アカデミー卒業後は日本のパターンメイキングの天才、佐藤慎権氏の元でその極意を学び、あらゆる知識・技術を身に付け…

ついにイギリスに来られます。

ウェールズの首都カーディフに移り住み、Misa Harada Millineryで働きながら毎週末ロンドンに通い(!)、さらにRose Coryのもとで帽子作りを学ばれました。なんと彼女は45年間エリザベス女王の帽子を作っていた(!)方で、その後ミケーラさんは遂にロンドンに住むことを決意されます。

夜はレストランで働き、昼間は帽子を作るという生活の中、僕のライブにミケーラさんが来てくれたのがちょうどこの頃でした。↓



全てが順調に思えた2020年春、パンデミックとロックダウンに襲われます。世界中のアーティストが仕事を失っていたこの期間はミケーラさんにとっても辛い時期だったのでは、と聞いてみたところ…。

「私にとって最高の時でした!久しぶりにイタリアに帰国する機会にも恵まれて、自分がこれからどうするのかちゃんと考えることができました!」

とw

驚いたことに、ロックダウン中に過ごした時間と研究結果、新たな経験を基にKickstarterプロジェクトを発足し、何と自らのブランド、Laughter in the Rain を立ち上げられたんです。もちろんすぐオーダーしましたw

全てリサイクルもしくは廃棄する材料を使ったレイン・ハット(?)です!↓

オフィシャル・ページ、写真と動画はこちら

そんな話をしている間にどんどん帽子が出来上がってきました↓

↑ まずはサイズを伝えて型を作ってもらいます

↑ リボンや装飾の詳細を打ち合わせて…

↑ 完成間近!

↑ 飛ばされないようにストラップも付けてもらいました〜

Laughter in the Rain は、ミケーラさんが子供の頃から想い続けてきた帽子や洋服のデザインにサステナビリティというアイデアを組み合わせて完成された夢のようなプロジェクトです!

新たに工房もリニューアルし、何と近々日本での発売も予定されているそうです!:-)

余談ですが、ミケーラさんが新しく作ってくれた帽子は一生大切にするつもりで、新作‘Featherings’の作曲時とジャケットの撮影時に使った羽根ペンの先を切り取り、帽子に付けてもらいました(無理なお願いをすんなり聞いてくれて本当にありがとうございます!)

ジャケットの写真↓
帽子!↓


ミケーラさんの帽子が世界中で被られる日が早く来ますように!

最後に、ミケーラさんが電話越しにポロッと言われたセリフがカッコ良すぎたのでシェアしておきます!

“I’m dreamin’ around the world!”

ヒムロック!!

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京都府出身。ロンドンを拠点に活動するギタリスト。15歳の頃からエレキギターを始め、19歳の頃からクラッシックギターを藤井敬吾氏に師事。1999年からギルドホール音楽院 (Guildhall School of Music & Drama) で学び、奨学金を得てギルドホール音楽院のバチュラー(楽士)、演奏家ディプロマ、作曲家ディプロマを取得。音楽的バックグラウンドはインド、日本の伝統音楽、ポップ、ロック、ヘヴィ・メタルと幅広く、クラシックギターの新しい可能性を追求し続けている。2023年にフランスをベースに多方面で活躍している辻仁成とロンドンで出会い「2Gz」を結成。イギリス、フランスでのツアーを皮切りに活動を展開。作品に一川響(津軽三味線)とのコラボ『Four Springs』、シンガー・ソングライターTim Hopkinsとのコラボ『RED SHOES GREEN TEA』、自身の作曲作品集『SKY FLOWERS』、『FEATHERINGS』、Mojo Ozawaとのコラボ『Beau Sky』など。 公式ウェブサイト:www.hideguitar.com

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