014 | 春まで不足がちになる、ビタミンD

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その後、発酵食品や食物繊維たっぷりの食事で、腸内のエコバランスが整いましたか? 腸内細菌同様、免疫システムを語るのに欠かせないのが、ビタミンD。これからの冬に向け、ビタミンDを最良値に保って、さらに免疫力を強化したいところです。

イギリスとビタミンD

イギリス(特に北部)では 、秋から春までの間、ビタミンD合成が日光からでは十分にできないといわれています。そのため、仕事でクライアントにビタミンDのテストを受けるよう、リクエストすることが結構あります。数ヶ月前にBBCでビタミンDに関する記事が取り上げられた際、テストを受けるよう勧めたクライアント数人から、立て続けに同じリンクのついたメールが届きました。それは、ビタミンD不足に関する記事で、イギリスに住む人は全員サプリメントでの摂取が必要という内容でした(1)。ナチュラル・ヘルス業界では、かなり前から問題となっているトピックなので、公の記事で取り扱われるのはいいことです。ビタミンDが足りないと、いろんなところでからだがうまく機能しなくなります。基本的には長期でのサプリメント使用は避けたいのですが、ビタミンDは欠かせないもののひとつ。ちなみにビタミンDは、機能的にはホルモンに近い物質で、厳密にはビタミンではないそう(2)。

なぜ不足気味の傾向にあるのか

わたしたちのライフスタイルや環境の変化が、ビタミンD不足の大きな原因といえます。食品からある程度摂取できるビタミンDは、環境の変化に伴って含有量が減っているところに加えて、太陽の光を浴びることなく、屋内で一日の大半を過ごす人が、圧倒的に多い今日この頃。理想的な時間帯に、必要な量が合成できる程度に日光浴する人は、ほとんどいないと思います。ビタミンDは脂溶性なので、ボディ・ウォッシュなどで毎日皮膚の油脂分を洗い落とすと吸収が悪くなります。SPFスキンケア商品など、サンスクリーンの使用も、日光からのビタミンD摂取を妨げる原因に(3)。ずいぶん前に、サンスクリーンの使用でビタミンDが摂取できず、死に至った乳幼児の話を聞きました。母親は、赤ちゃんの肌を保護するために良かれと思って使用したのでしょうが、とても悲しい話です。肌の健康はもちろん大切ですが、朝からランチタイムあたりまでは、サンスクリーンを使用しない方が健康的といえそうです。さらには、ストレスや薬品、加工食品などによる、胃酸低下やリーキー・ガットなどで、脂溶性栄養素の吸収力が低下すれば、サプリメントで摂取してもあまり吸収されない状態になります(4)。この場合は、まず元を正すべきでしょう。

 

日光でビタミンD合成。でも秋〜春までは、十分にできない。

秋〜春まで、日光からでは十分に摂取できない。


足りないと…?

ビタミンDは、カルシウム吸収を助けるため、脚気や骨粗鬆症など、骨との関係 は一般的にもよく知られていますが、細胞の成長や、免疫機能、抗炎症機能を助ける効果もあるため(3)、その影響力は広範囲にわたります。足りない場合の症状は、癌、高血圧、自己免疫疾患、慢性疲労、アレルギー、ぜんそく、皮膚疾患、感染症の慢性化など(5)。また、子供のADHD、胎児の成長などとも関係があるようです(6)。数年前、とある医師が、インタビューで「ビタミンD不足を防げば、癌による死亡者数がもっと減る」と強調していました。近年増加中で問題となっている、自己免疫疾患と深い関係にあるリーキー・ガット。ビタミンDは腸の粘膜細胞修復も助ける(7)ので、腸の健康がすべての源と思うと、日光浴やサプリメントでしっかりサポートしたいですよね。
GPによっては断る場合もありますが、NHSでビタミンDテスト(25-(OH)D/血液検査)受けることは可能です。特に、更年期で骨密度が気になる女性、年に数回風邪をひく人や数日で回復しない人、また、疲れが抜けきれず気分も沈み気味という人は、GPに相談してみてください。断られた場合は、自宅で簡単にできるピンプリック・テスト( £50前後)を、個人でオーダーすることも可能です。

過剰の場合は?

イギリスに住む大多数の人は、低め(適正レベルの枠内であっても)とのこと。日光による摂取は、からだが皮膚の温度で調整するため、どんなに日光浴しても、摂取過剰にはならないと考えられています。平均的な食事から摂取できる量は、少なめ。サプリメントで過剰の状態に導かない限りは、ビタミンD値が高すぎになることはないようです。 過剰の症状は、拒食症、体重減、頻尿、不整脈など。(4)

何から摂取できるの?

夏の間は正午前後の日光浴が適切といわれています。魚介類からも、ある程度摂取できますが、毎日かなり食べないと、必要な摂取量に追いつかないのが現状。ちなみにビタミンDを多く含む食品は、イワシ(500)・鮭(350)・鮪(250)・エビ(150)・バター(90)・ひまわりの種(90)・レバー(50)・たまご(50)・マッシュルーム(40)など(カッコ内は100g摂取に対するIU値)(2)。 その他では、肝油にも多く含まれるようです。
*オーガニックや自然に育ったものでない場合は、ビタミンDは少なめという理解でいいと思います。特に動物性のものは、安全性と環境を考えて、可能な限りオーガニックを選ぶようにしましょう。

すべてのビタミンDサプリメントは同じではない?

サプリメントのタイプには、いくつか違ったものがあります。まず、大きく分けて、ビタミンD3とD2。D3はからだがすぐ使えるようになっているもので、羊のラノリンから作られているものが主流。 多くは、 ソルベント使用による抽出物。また、羊は薬品のディップを受けていたりするので、それも気になるところです。植物性のD2は、きのこ/イースト由来ものもが主流で、D3より吸収されにくいとされています。ベジタリアンやビーガン用には、苔由来のD3もあります。またこれらは、タブレット(錠剤)のものも多く出回っていますが、基本的に必要のない添加物が多く使われているので、避けるのがベスト。加えて、ビタミンDは、脂溶性なので、油脂分と摂取する方が吸収されやすいようです。なので、タブレットより、オリーブ・オイルのカプセルに入ったものや、MCTオイルと一緒になったものなどがお勧めです。特に夕食など、比較的油分の多い食事と一緒に摂取するとさらにいいでしょう。
特に骨の健康が気になる人は、サプリメントの摂取に加えて、カルシウムを多く含む緑黄色野菜を毎日しっかり食べて、イワシやアンチョビなどの小魚を中心に、サバ・鮭・ニシンなど、魚の献立を毎週最低2食取り入れるようにしましょう。

これから春までサプリメント摂取する場合、テスト結果が、適正値の高めなら1日2,000IU(インターナショナル・ユニット)、低めなら1日5,000〜8,000IUでスタートして、3ヶ月後に再テストを受けて調整してください。最適値は個人によって異なりますが、125nmol/L〜200nmol/Lの間(5)で最も体調の良いレベルを目安にするといいでしょう。なお、不足の症状リストにある症状を2つ以上お持ちの方は、上記よりもはるかに高いレベルでの摂取がスタート時に必要かもしれませんので、専門家の指示を受けることをお勧めします。

 

参照:

  1. Roxdy, P. (2016). Q&A: Vitamin D, Health. BBC News. [Online]. Available at: http://www.bbc.co.uk/news/health-36854950 (Accessed: 22 July 2016)
  2. Liska D, et al. (2004). Clinical Nutrition, A Functional Approach. 2nd edn. Washington: IFM. pp.139, 140.
  3. Axe, J. (2015). Vitamin D Deficiency Symptoms & Sources to Cure It. [Online]. Available at: http://draxe.com/vitamin-d-deficiency-symptoms/ (Accessed: 15 February 2015).
  4. NIH. (2016). Vitamin D – Fact Sheet for Health Professionals. [Online] Available at: http://ods.od.nih.gov/factsheets/VitaminD-HealthProfessional/ (Accessed: 09 August 2016)
  5. Murray T, Pizzorno J. (2012). The Encyclopedia of Natural Medicine. 3rd edn. New York: Atria Paperback. pp.77
  6. Morales E, Julvez J, Torrent M, et al. (2015). Vitamin D in pregnancy and attention deficit hyperactivity disorder-like symptoms in childhood. Epidemiology. 2015;26(4):458-65. doi: 10.1097/EDE.0000000000000292.
  7.  Raftery T, et al. (2015). ‘Effects of vitamin D supplementation on intestinal permeability, cathelicidin and disease markers in Crohn’s disease: Results from a randomised double-blind placebo-controlled study’. United European Gastroenterology Journal. 0(0) 1-9. doi: 10.1177/205064615572176.
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About Author

徳永 ゆり子

大阪府出身、1996年よりロンドン在住。京都で8年、ロンドンで7年間グラフィック・デザイナーとして働いたのち、2004年に補完・代替療法の世界に入る。CAM(コンプリメンタリー/オルタナティブ・メディスン)プラクティショナー。CThA、BANT正規会員。ハックニー地区にあるコンプリメンタリー・ヘルス・クリニックを拠点に、ロンドン内で活動中。好きなこと:健康的でおいしいものを作って食べること、ナチュラル・ヘルス・フード・ストアでヒット商品を探すこと。好きな色:ピンク紫(夕暮れ時の空の色とか)。好きな言葉:(実現の状態を)見る前に信じること(”You’ll see it when you believe it.” by Wayne Dyer)。

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