キリコ・ワールドが英国ホスピタルに浸透中!

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最近、立て続けにウェストミンスターに行くことがあった。

ゴールデンなビッグ・ベン♪

ゴールデンなビッグ・ベン♪

国会議事堂近辺なんて年に数回行くか行かないかだが、その貴重な二回をこの10日間で経験したというのは、私としては珍しい。最初の機会を作ってくださったのは、仕事を通してご縁をいただいた漫画家の玖保キリコさん♪

キリコさんは1996年からロンドンを拠点に創作活動をされている。日本へ向けて漫画を発信されているだけでなく、イギリスにもしっかりと根をおろして活躍されていることを最近知ることとなった。その地元ベースのお仕事の一つに、NHS病院の案内用デコレーションとしてイラストを提供するという、あまりにも大規模なプロジェクトがある。

聖トーマス病院付属のエブリーナ小児病院で、玖保キリコさんのイラストが見られる!

聖トーマス病院付属のエブリーナ小児病院で、玖保キリコさんのイラストが見られる!

キリコさんが最初に院内デコレーション・プロジェクトに携わったのは、St Thomas Hospitalの一部であるEvelina Children’s Hospital。聖トーマス病院はちょうどビッグ・ベンの対岸にある巨大なNHS病院で、そこに併設されているのがエブリーナ小児病院である。近代的なビルなのだが、子どもたちはもちろん、外部からお見舞いに来た人達が必要な場所に行くにはあまり親切な構造ではなかったようだ。そこで院内を楽しくイラストで案内しちゃおう!というコンセプトで依頼されたのがはじまりだそうだ。

各階は海とか山とかいろんなテーマ別に案内イラストが描かれている ©Artinsite

各階は海とか山とかいろんなテーマ別に案内イラストが描かれている ©Artinsite

キリコ・ワールド、炸裂!

キリコ・ワールド、炸裂!

この圧倒的な規模・・・巨大イラストですw 原画を元に引き延ばして使用するのだそうだが、独特のラインを持つキリコさんの絵が目的にぴったりと合致してるなぁと感服してしまう。そしてキリコさんのイラスト・・・楽しすぎるっ。

そしてこの12月1日、キリコさんの次なる病院プロジェクトである聖トーマス病院の新しいDental Centre for Children(小児歯科センター)がオープン。プレスとしてローンチ・パーティーに呼んでいただいた。

窓なしの空間だけど、明るい!!

窓なしの空間だけど、明るい!!

子どもたちらしいロンドンの楽しみ方!?

子どもたちらしいロンドンの楽しみ方!?

エブリーナ小児病院と大きく違うのは、ここが窓なしの半地下にあるスペースだということ。暗くなりがちな空間を、公園とロンドンをテーマにしたキリコさんのビート感あるイラストが楽しげに照らし出す☆

こんな歯医者さんなら通いたくなるね♪

こんな歯医者さんなら通いたくなるね♪

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すごくいいアイデアだと思ったのは、治療台が設置されたちょうど上の天井に、子どもたちが数遊びのできるイラストが描かれていることだ。こんな楽しい天井画があったら治療の憂鬱も忘れちゃうかも♪

きゃぁ、こんな治療台で治療されたい!

きゃぁ、こんな景色が見える治療台で治療されたい!

ちょっぴり成長した子どもたちのための治療室があるエリアのイラストは大人っぽい雰囲気

ちょっぴり成長した子どもたちのための治療室があるエリアのイラストは大人っぽい雰囲気

いや〜こういう有意義な工夫は、今後もどんどん取り入れていただきたいですね。病院のアートも進化してるんだなぁ。そしてイギリスの国立病院に、日本人アーティストのイラストが大々的に使われるなんて、とても嬉しいですよね☆ キリコさん、ありがとうございました!(玖保キリコさんのイラスト見たさに病院内をウロウロしていると怪しまれる可能性があるのでw 本格的に写真など撮りたい方は病院に事前申し込みしてくださいね)

 

そして、12月9日にはウェストミンスターに出向いたもう一つのイベント、日英議員連名(The British-Japanese Parliamentary Group)主催「純愛/JUN AI」試写会へ。会場は国会議事堂の向かいにある議員会館Portcullis House。

「純愛/JUN AI」という映画作品を今回友人を通して初めて知ったのだが、日中合作という得難いチームが何年もアイデアを温めた末に実現したという質実で美しい映画だった。

日中戦争後、満州に残留した一般日本人が、中国の農村部で村人に助けられながら生きていく姿が描かれる。テーマは「愛」。男女の愛だけでなく、魂の根底に誰もが持っている尊い人間愛・慈愛を描いた作品だ。戦争は憎むが人は憎まない。まっすぐ人の本質を見る盲目の中国女性の凛とした佇まいが美しかった。

だが、争いは時として目明きの目さえも曇らせてしまう。権力者が起した争いの向こうには、常に食べて寝て笑って泣いて生活する市井の人々がいる。人の本質は世界のどこでも変わらないのだと、この映画は訴えている。

個人的に思ったのは、セドナやモナコ、ロンドンや東京で上映することも大切だけれど、もっともっと中国の地方都市や村、日本の地方都市の公民館のような場所で上映されるといいのになということ。中国ではきっと規制とかあるのだろうが、せっかく日中共同製作なのにもったいない。もしかすると中国の製作チームが独自に国内上映をやっているのかもしれないし、上映を阻む知られざるご苦労などあるのかもしれないが……。

試写会での小林桂子さん(右上)。下の写真はオフィシャルHPから拝借しました

試写会での小林桂子さん(右上)。下の写真はオフィシャルHPから拝借しました

製作総指揮・主演女優を務められた小林桂子さんが試写会後に同映画上映の目的を自ら語られた。彼女の曇りない意図が世界中に広まりますように。純愛プロジェクトについて詳しくはこちらで。

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About Author

江國 まゆ

岡山県倉敷市出身。ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。東京の文芸系出版社勤務、雑誌編集・ライターを経て、1998年渡英。英系広告代理店にて各種媒体の翻訳ローカライズや日本語コピーライティングを担当。日本語翻訳リライトのスペシャリスト。2009年からフリーランス。趣味の食べ歩きブログが人気となり『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房)を出版。2014年にAbsolute Londonを立ち上げ、編集長として「美食都市ロンドン」の普及にいそしむかたわら、オルタナティブな生活、人間の可能性について模索中。

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