ヒースローから愛を込めて【新連載!】27L着陸時のスポッティング場所

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ロンドンや郊外に住む方の多くの方はロンドン西部 London Borough of Hillingdon(ヒリンドン・ロンドン自治区 )に在るヒースロー空港を利用されたことが一度はあるのではないであろうか?

出張時に毎週使っているという方もいらっしゃれば、親や親戚に会う際に毎月使っている、あるいは夏休みの里帰りはヒースローからなど、頻度や目的は違えどもロンドンに住む者以外でも、特に日本を含めた長距離の国際線の際の乗り換え地点として欠かせない存在となっている、今ではイギリスで一番大きな空港として知られている空港である。

ヒースロー空港の歴史等についてはまた他の回にて紹介させてもらう予定であるので今回は割愛させていただく。

空港を利用されるほとんどの方は(空港や航空会社勤務以外の方)

●飛行機に乗る為に空港に行く
●家族、友人、知人等をお見送り&ピックアップの為に向かう

といった方々が圧倒的に多いであろうと想像できる。

そして、それ以外の目的では美味しいカフェやレストランがあるわけでも無い空港に(失礼)
『わざわざ』出かける事は無いであろう。

だがしかし、、、

実は空港には、
いや、厳密に言えば “空港付近” には見方を変えれば
アミューズメントパークのような楽しさを味わえる魅力が隠れているのである。

<魅力とは?>

駐車場も高いし
市内から向かうと1時間くらいかかる空港付近に何の魅力が?

いや、あるんですよ魅力が。

はい、空にあるんです。

空港ですからね、飛行機があるのは当たり前なのですが

空を飛ぶ飛行機を至近距離で見られるというスポットが
ヒースロー空港の周りにはいくつかあるので、

見送りに行った帰りや
ピックアップ前の時間稼ぎなんかにも楽しめてしまうという
(自分は飛行機に乗る前にも楽しみますが)

今回はそんなスポットをいくつか紹介してみたいと思います。

<まずはその前に>

至近距離で見れると言っても
飛行機が発着する滑走路によって楽しめるスポットが異なってくるという事を頭の隅にでも入れておいて欲しい。

<ヒースロー空港滑走路使用ルール&滑走路のスイッチ利用>

滑走路交互スケジュール

聞き慣れない方がほとんどだと思うが、
ヒースロー空港は近隣地区の騒音緩和の目的とした
日中の滑走路交互運行を行なっている。

ヒースロー空港には東西に伸びる2本
北側滑走路(09L/27R) の南側滑走路(09R/27L)平行滑走路があり、

一年の空港近辺の住宅地への影響への考慮から70%程の割合で
「西風運用」という滑走路コード
英語で「westerly preference」と呼ばれている運行が行われており、
航空機は、東(ロンドン上空)から到着し、西(バークシャー/サリー上空)に向かって離陸する。

そして「西風運用」時の際は、通常北側滑走路(27R)と南側滑走路(27L)
15時に離陸・着陸滑走路を逆側にスイッチされる。

毎週月曜にどちらの滑走路から理着するかが(午前:通常6時〜15時&午後:15時〜その日の最終フライトまで)入れ替わる。

例:

Week 1: 2024年3月11日の週
6時〜15時まで
北側滑走路(27R)着陸
南側滑走路(27L)離陸

ウィーク1 15時まで

同週15時以降〜最終フライトまで
北側滑走路(27R)離陸
南側滑走路(27L)着陸

ウィーク1 15時から

Week 2 翌週の*3月18日の週は滑走路運行条件が入れ替わるので
6時〜15時まで
北側滑走路(27R)離陸
南側滑走路(27L)着陸

同週15時以降最終フライトまで
北側滑走路(27R)着陸
南側滑走路(27L) 離陸
となる。

滑走路の運行予定は通年決められており
ヒースロー空港のHP Runway alternation ページ
https://www.heathrow.com/content/dam/heathrow/web/common/documents/company/local-community/noise/operations/runway-alternation/Runway_Alternation_Programme_2024.pdf

から確認&ダウンロードできる。(その日の最終便から早朝6時までの予定スケジュールも確認できる)

然し乍ら
必ずしも100%運行予定通りに滑走路が使われるわけではなく、
一年のうちの30%は「東風運行/’easterly operations’」がある。
航空機は西からバークシャー上空に着陸し、東に向かって離陸する運行が行われるのである。
(東風運行の日は基本的に終日09Lが着陸09Rが離陸として使われる)」

東風

と言った様に
予定とは異なった運行方向の切り替わりなどがある為
「飛行機を見に行こう」と予定をしたら当日の朝に「現在の滑走路運行方向」が分かる
ヒースロー空港の “X”
Heathrow Runways (@HeathrowRunways) を利用するのをお勧めする。
毎朝「本日の滑走路運行状況」をアップしてくれている。

Heathrow Runways X

 

<人気のスポッティング場所>

さて、説明が長くなったが
ここからは人気の飛行機スポッティングの紹介である

初回の今回は「27L着陸時に楽しめる」スポットの紹介です。
➡️移動難易度が低く、且つものすごい至近距離で飛行機が見られる
ヒースロー空港エリアでも人気一番高いスポットも含むので
是非天気の良い日に挑戦してほしい。

周辺のスポッティング場所

スポット①
Hatton Cross ハットン・クロス駅周辺
駅周辺で迫力のある飛行機を楽しめる

地下鉄ピカデリーライン
空港手前の駅なので乗り換え以外に
わざわざ地上に出る人は少ないかも知れないが、空港からも地下鉄やバスに乗れば直ぐの距離なので、空港に行く前や後などに(あるいは人待ち時間など) 訪れてみてはいかがだろうか?

基本、駅周辺は様々な位置から飛行機を楽しめるが
お勧めはGreat South-West Rd”/”A30 “の道路沿い側。
以前駅前にあった歩道橋からの飛行機の眺めも人気だったが、
現在は撤去されてしまっている。

参考1: 東側運行の9Rからの離陸も(ベストアングルとはいかないが)
駅から楽しめる。

参考2: ハットン・クロス駅横の駐車場から(Great South-West Rd”/”A30 “の道路沿いからもだが)
退役したConcorde コンコルド(機体番号G-BOAB)も見ることが出来る。

スポット②
馬がいる牧草地

“Great South-West Rd”/”A30 “の道路脇の歩道沿いにある馬が放牧されている牧草地、ハットン・クロス駅から次でご紹介するマートル・アベニューに行く途中(隣)にある。

ハットン・クロスで降りた後Great South-West Rd方面に出たら、通りを反対側に渡る。(ここポイントです)そして南東に向かい直進、途中BPガソリンがあります(ここで飲み物&スナック等をゲット出来る/トイレも有り)。そのまま進むと牧草地が見えてきます。


 

スポット③
Myrtle Avenue :マートル アヴェニュー芝生広場

ハットン・クロスの駅から徒歩8〜10分の距離。
ヒースロー周辺のスポッティングで一番人気の場所である。
「至近距離」だけでなく、
「スポッティングカット」と言われる「型式写真=飛行機を真横から撮った写真」
が見れるので、晴天の日などや珍しい飛行機、特別塗装の機体などが来る日は(特別塗装については機会があればどこかでご紹介しようと思う)飛行機を撮影するスポッター(飛行機趣味の楽しみの一つである、スポッティングを趣味とする人達の事)で賑わうスポットである。

普通の広場であるので
土日、祝日の暖かい日などピクニックをしながら
飛行機を眺めて休日を満喫している家族もいるので
初めて訪れる方でもリラックスして楽しむことが出来るので安心してほしい。

大きな飛行機の代表とも言える、Airbus エアバス社のA380 はその大きさから、
離着陸の際の迫力が圧巻であり、
この機体を見に来る方も多く、 A380が来る時間帯は一際賑わいます。

Qatar AirwaysのA380 を眺めるカップル

実際の着陸時間はスケジュールされている時間と異なることも多いので
ヒースローのHP 等でフライトナンバー(便名)をチェックされるか、
Flightradar24  https://www.flightradar24.com
(アプリを入れておくと便利)
をチェックすると 飛行機が今どこを飛んでいて、
あと何分くらいで着陸するかをフォローできる。

Flightradar24より。BA192 9:45到着予定の A380機の飛行状況 この日の実際の着陸は9:47分

広場横の住宅街からひょっこり現れる機体を見ると
その大きさに驚きを感じるだけでなく、
ぶつからないのか?? など(安全な高度を保っているので大丈夫とわかっていても)
びっくりする人もいるであろう。

*参考までに

日中(滑走路がスイッチする15時前)に着陸するA380は何機かあるが、
11時〜などからの時間帯であると
以下の時間帯でスケジュールされる(2024年3月)

British Airways BA208 10:55
BA284 10:55

Emirates (EK) EK1 11:40
Etihad (EY) EY19 12:00
Emirates (EK) EK29 13:50

Etihad (EY) EY25 14:30

15時辺りの時間帯であると(この時間帯に離陸が27Lの場合)
日本からロンドンに飛んでくる機体も楽しめるので
これらの機体に乗ってきた家族や知人のお迎え前に写真を撮ってあげてはいかがであろうか?

JAL JL43便 滑走路がスイッチする15時近くの着陸スケジュールなので
この場所から撮れるか(見れるか)どうかは事前にしっかりとフォローチェックするのをお勧め。

NH211便 こちらは15:40が予定される着陸時間だが時には15時前に着陸という
時もあるので、こちらも事前のチェックをお勧めする。
この日はANAの特別塗装機「イーブイジェットNH」
JA784A / (Pokémon Livery)) でのロンドン着ともあって、
平日にもかかわらず写真を収める
スポッターの姿もちらほら見られた。

大型機に目が行きがちですが、小型機もヒースローを利用します。
ローカルだからこそ楽しめる機体です。
Loganair ATR 72-600ローガンエアー  スコットランドベース

番外編スポット

ここはスポットと言うよりも
休憩所と呼んだほうがしっくりくるかもしれない。
ハットン・クロス駅から徒歩7〜8分
マートル アヴェニュー芝生広場から徒歩12〜14分
の場所にあるパブ
Green Man : Green Man Ln, Feltham TW14 0PZ

このパブは、西風運用時の27L着陸時のほぼ真上を通るルート上にあることから
飛行機を真横から見ることはできず、飛行機の「お腹」を見る形になるが
「音も含め機体お腹眺めのめちゃくちゃ迫力ある」姿形を楽しめる場所の一つでもある。

パブなのでビールを飲みながらの一時も楽しめるのもポイントである。

以上、西風運用時27L 着陸時の代表的スポットの紹介となるが、
もちろん、これ以外にも「空港近くスーパーの駐車場スポット」など
いくつかの番外編もあるのはお許しいただきたい。

次回は27R 着陸時や東風運用時のスポットも紹介する予定である。

……. リエコ

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リエコ・大島・バークレー。英国サリー州在住。薬草、毒草、ワイン、ゴルゴ13 をこよなく愛する飛行機オタク。海外出張が重なっていた8年ほど前に突然機内でエンジン音に恋に落ち、そこからすっかり飛行機の虜の人生となる。 本業はメディカルハーバリスト、アロマセラピスト、リフレクソロジスト。ロンドンのセラピールーム及び癌ケアセンターにてのセラピスト活動、オンライン及び日本での講座活動の他、時々イングリッシュワイン応援& 執筆活動も行う。 著書に『メディカルハーブハンドブック』(説話社)『ハーブの薬箱』(文化出発局)。フレグランスジャーナル社にて2023年まで『ゴルゴ13とハーブカード』連載。インスタグラム@herbalhealinguk

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