イスタンブールで気づいた「今を生きるために丁寧に暮らす」こと

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前回、イスタンブール9日間旅行記を書いてみたけれど
実はまだまだ書き切っていない、という思いがあったので
旅日記の続きをもう少し書いてみようかと思った…
けれど、今回は、私がイスタンブールを歩きながら、
考えたり感じたことを書いてみることにしました。

さて、私の今年のテーマは【暢気】

「今更、カオちゃん、そんな~、いつも暢気でしょう~」
と、私の周りにいる人達には言われてしまいそうですが…

実は、私は暢気を心の中に押し込んでしまっていました。
その暢気レベルを今年は引っ張り出すぞ!という
身も心も暢気で満たす、
それが私の今年の大きなテーマです。

まえにも書いたことがあったけれど、

*ハムスター症候群
(私が命名した病状で、
ハムスターのように部屋にこもってコソコソと働いていること)

私はここから抜け出せなくなってしまっていて、
達成感を追い求めて追い求めて
見えない未来ばかりを見て数十年過ごしていました。

今日よりも良くなる未来に向けて、
毎日やることリストを書き、それをどんどんこなしていくと
なんとなく毎日ちゃんとやっている気になってしまう
達成感を感じる喜びが、大きくなると
ほんの数時間しか感じることが出来ない
その達成感を感じるため、が目的になったり、その上
プロダクティブな時間を持つことが出来ないとイライラし
思った稼ぎが出来ない自分に焦りを感じ
私は毎日何かに追われるように絵を描いたり、
物語を綴っていて、楽し日はずのそれらの仕事を、
毎日の生活を、心から楽しんでいなかったのです。

こんなにやっているのに、
いつになったら、その求めている未来が
やってくるのだろう?
思っていたように動いていないぞ…

そんなことを思いながら、私は
あれをやったりこれをやったりと、
今、ではなく焦点はいつも未来。
開かれるであろう未来のことばかりに目を向けて
毎日ハムスターのように、動いていました。

一昨年の秋、デンマークに移住しました。
相棒が世界を飛び回って留守の間は、友人もいない
外国で、久しぶりの孤独を感じる時間の中で
私は自分とじっくり向き合う時間を持ちました。
それと同時に
ワークライフバランスの良さ、今の瞬間を大事にする、
という意識感、行動力のあるデンマーク人を見ることによって

やっとやっとやっと、気がついたのです。

私、なにか変!おかしい!

と、やっと気が付いたのです。

その後、デンマーク国内、隣のスウェーデンやノルウェー
などへ旅を続けたり、
1年前のバルセロナ旅行をしているうちに

私の心の中に【暢気】という言葉がどんどん響き始め
積み上がっていきました。

そして、今回イスタンブールの彼の地で
【暢気】という言葉が、また私の心にグサっと刺さったのでございます!

それは、お喋りしながら店先でお茶を飲んでいる人達をみたり
アトリエで夢中になってモノを作っているアーティストに会ったり
楽しそうにゲストのために動いているホテルのスタッフの笑顔を見たり
お祈りの時間に流れるアザーンを聞いた時だったり
カフェでゲームに興じているおじさん達をみたり
人懐っこい野良猫や野良犬を見たときだったり…

と、雨で寒いイスタンブールだったにもかかわらず
メチャクチャなドライバー達で街は混沌としているにもかかわらず
あの街の空気に漂っている、なんとなく暢気な感じを
私は、あちこちで目撃し、厚いコートを通して
肌で感じることが出来たのです。

絵を描いたり、お話を書いたりして暢気にのほほんと暮らす、
というのは、私の憧れのイメージです。
でも、なかなかこれは私にとって難しくて…

私の相棒が犬のように頑張って働いているのに
私は暢気に過ごすなんて、とんでもない…
と、罪悪感を感じていたのです。

でも、最近、その罪悪感こそを外すべきなのではないか?
そこが1番重大なポイントなのではないか?

と感じるようになったのです。

「今よりも、もっともっと心を自由に解放して
今の気持ちを大切に、楽しく
あなたは、暢気に生きるんだ」

イスタンブールの横丁を歩いている時、
黒い野良猫が寄ってきて
私にそんなことを言ってくれました。

 

私は、今年に入ってから暢気に、
そして未来ではなく今を生きるために

丁寧に過ごす、ということを考えることにしました。

朝起きたら、チベット体操をする前に
育てている植木や集めている石やモノをじっくり観察して、
気持ちを同じレベルにもって会話をする、とか
料理をする時、丁寧に気持ちを込めて野菜を洗って切って火にかける、とか
コーヒーを入れる時もそう、食事をする時も、お酒を飲む時も、
お風呂で身体を洗う時も、洗濯を干す時も、しまう時も
私が嫌いだった掃除をする時にも!

こんなふうに、今までプロダクティブじゃないから、
時間が勿体無いと、サッサと終わらせようとしていたことに、
心を込めてすることにしたのです。

意識を少しづつ変えて行動すようにしていたら、
なんとなくだけれど
【暢気】実験がうまく動き出したように感じて…
今までの私と、ちょっとだけ変わってきたような気がしている。

こんなビハインドストーリーがあって、
本来の暢気な島田カオルに、戻れるようにと

今年は、毎日を丁寧に生きてみようと思っています。

さて、美しいその黒猫と別れた後…

私たち家族は歩き疲れ、トイレにも行きたかったので
良さそうなカフェを探していました。そして見つけて入った
このカフェは、ごめんなさい、チェーン店でした。
どうやら、チョコレートとカフェで有名なお店らしく、
造りはモダンで、デンマークやロンドンにありそうな雰囲気です。

しかし…驚く事に、トイレがありませんでした!
えー、このカフェにトイレがないの?!

びっくり仰天の私達は、コーヒーを飲んで一休みした後、
再びトイレを探して街に…

そしてついに貸してもらえたのは、従兄弟達が叔母のお土産用に
見つけたちいさなスカーフ屋さん。

それはお店の上の階にある、
昔ながらの、穴があいてあって、自分で水を流すトイレだった。
お店のおばさんは親切にも鍵を貸してくれて
「使っていいわよ」って

私達家族は、
こんな忘れられない親切なトルコ人達との出会いに本当に感謝でした。

そしてもちろん!
スカーフ屋のおばさんの暢気な陽気を私はたっぷり感じ、
それは矢になって、私の心にビヨ~と、ささってしまいました。

+++++++++++++++++++++
【きょうのヒント】
またあまりヒントになっていませんが…
ガラタ塔地区にあり、その通りにはイスタンブール現代美術館やペラパレスというホテルがあります。このお店はイスタンブールにたくさんあるそうです。

【前回のこたえ】
Moda Aile Çay Bahçesi
Ferit Tek Sokak
Caferağa, 34710 Kadıköy/İstanbul

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About Author

島田カオル

東京生まれ、ロンドン在住の絵本作家。高校卒業してすぐに渡米。その後、パリ、南仏に暮らし、ロンドンへ。ロンドンでセシルコリン氏に師事、絵や陶芸などを学ぶ。1984年からイギリス人の夫と2人の子供と暮らしながら東京で20年以上イラストレーターとして活躍、その間、「レイジーメイドの不思議な世界」(中経出版)の他、「ある日」「ダダ」「パパのたんじょうび」(架空社)といった絵本を出版。再渡英後はエジンバラに在住後、ロンドンへ。本の表紙、ジャムのラベル、広告、お店の看板絵なども手がけている。現在はロンドンのアトリエに籠って静かに絵を描いたりお話を創る毎日。生み出した代表的なキャラに、レイジーメード、ダイルクロコダイル氏などがいる。あぶそる〜とロンドンにはロンドンのカフェ・イラスト・シリーズを連載。好きなものはお茶、散歩、空想、友達とのお喋り、読書、ワイン、料理、インテリア、自転車、スコーン、海・樹を見ること、旅行、石(特にハート型)、飛行場etc etc...

2件のコメント

  1. 島田カオル on

    Marikoさん❣️
    コメントどうもありがとう。
    私も、自分でここに書いたことを守って、今年は丁寧に暮らすことを続けていこうと思っています!

  2. yasuda mariko

    「暢気」いいですね!
    わたしも同じく若干ハムスターなところがあり、余暇に好きなことをしているはずの時も何か心の底で落ち着かない。。勿体ないですよね。カオルさんを見習って今年こそは丁寧に、これまではいかに手早く済ませるかに重点を置いてきた日常のことも、もっと観察しながら今を楽しんでみます♪

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