料理教室 その1

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realkyusyoku


毎週火曜の仕事の後、2時から4時過ぎまで料理教室に通うことになった。

レッスン中、娘ちゃんは旦那君の両親が面倒を見てくれる。いよいよ今日が初めての日だ。場所は、うちの学校から車で10分ほどのところにある小学校のキッチン。仕事が1:45ごろに終わって、着替えてから移動すると少し遅れるのだが、それでも大丈夫とのこと。

調理場で働く人は、仕事着を家で洗う日以外は、仕事着のまま帰ってはいけない。これは衛生管理上の約束事である。というわけで一旦仕事場で着替えて、また移動した場所で着替える。何とも面倒くさいがしょうがない……そんなことを考えながら車を走らせ無事到着した……と思ったら大間違いだった。カーナビがあるにもかかわらず、かなり入り組んだ場所にある学校で探すのに一苦労し、さらに10分も遅刻。何とか駐車スペースを見つけ、慌てて学校のオフィスに飛び込む。

「す、すいません。今日開催の料理教室に来たんですが……。」
「あら!?もう始まってるわよ〜。一旦そこから出て、右に曲がったところから入ってね。急いだ方がいいわよ〜。」

オフィスから出てキッチンを探していると、先生らしき人がキッチンの窓から大手を振っていた。

「ナポリんさーん、こっちよぉ〜!」

先生に軽く挨拶をして、奥の部屋で素早く着替えた。そしていよいよ初料理教室体験。そこには7〜8人の女性たちがにこやかに立っていた。

「あれ? みんな同じユニフォーム。って言うことは、みんな学校のケータリングの人なんだ……」

勝手に料理教室だからいろんな人がいるんだろう、と思っていたなぽりんはちょっとビックリ。ほんとにこれで免許が取れるのか一抹の不安が頭をよぎった。

しかし、遅れて参加したなぽりんには一刻の余裕も許されない。先生からプリントを手渡され、遅れた間にやったことを凄い勢いで説明されると、いよいよ実習が始まるらしい。今日は何やらクッキー、ショートブレット等お菓子類をそれぞれ自分で作るらしい。要は、学校の給食のメニューにあるものをかなり大量に作ってみる実習なのであった。

作業に取り掛かる時に先生に一言断りを入れておいた。

「私は日本人で、キッチンで働くのも初めてなのでどうかお手柔らかにお願いします」
「大丈夫ですよ、なぽりんさん。分からない時はすぐ聞いてくださいね。いつでも教えてあげますから」

とても感じの良い先生で、ホッとするのもつかの間。

「ハイ、いいですか。今計った小麦粉と砂糖、バターこれらをこのマシーンで練っていきますよ」

ヤバい、私もこれらを計らなければ! 周りを見渡し、みんながやってるのと同じように材料をボールに入れてみた。先生がみんなにお手本を見せるがごとく、後方にあるマシーンに材料をセット!

「いいですか、このレバーをまず1の所でセットしますよ。そして……。ハイ、ここで一旦止めて、卵と……。この後、これが大事ですよ……」

「あれ? せ、先生? う、うそ〜…………!!!?」

声なき声がなぽりんの頭の中で響き渡る。離れたところから見る先生は、近くで見た先生と様子が違う!

使ったこともないマシーンと作ったこともないお菓子に戸惑うなぽりん。しかし、そんなことよりも何よりもこの先生の体型にただただ驚きを隠せないなぽりんであった。(汗)

つづく

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PS
2014年も残すところ数時間となりましたが、駆け込みで今年最後の原稿をアップできました。今年は「英国リアル給食アワー」を読んでいただきありがとうございました。2015年も、どうぞよろしくお願いいたします!

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About Author

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福岡県出身。グラフィックデザイナー、アートディレクターを経て、2005年の結婚を機にイギリス・ロンドン郊外に移住。2009年出産後から専業主婦生活に。2014年6月より現在の仕事、地元中学校にてケータリングアシスタントを始める。幼少の頃より大のスピリチュアル・ファンである。

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