2020 Winter『平野亮一 ドラキュラ in Japan』

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私は兵庫県伊丹市という場所で育ちました。大阪国際空港がある街。

物心ついた頃から頭上を飛行機が飛び交っていたので、騒音は私の生活の一部でした。
だから「騒音」は私にとって騒音ではなかったのです。「ゴォーーー」と近づいて来る轟音を待ち受け、通り過ぎて行く機体とともに、遠くへ消え入る音が一体いつまで続くのか、いつも耳を澄まして聞いてみたものです。空深く消えゆく飛行機と、重なり迫り来る山々を目にすると、伊丹に帰って来たんだなという懐かしい思いとともに、私の住む場所はもうここではないんだというはっきりとした二つの思いを毎回感じるのです。

飛行機が間近に見える大阪府豊中市千里川土手

ここ数年2,3ヶ月おきに伊丹に飛行機で帰ります。理由は一人暮らしの母に会いに行く為。帰るたびに母の記憶の感覚が狭まっていきます。30分が15分になり、5分になり、今は3秒前に話した記憶がもうありません。休むことなく家事をし、動き回り、負けず嫌いで完璧だった母が、料理をする手順も、娘を産んだ日も思い出すことはないのです。でもまだまだ元気でいてくれるから嬉しい!そこで私はお赤飯や炊き込みご飯、お好み焼きにホットケーキなど、電子レンジで温めて食べられるものをいっぱい作ります。炊き上がったご飯を一膳ずつサランラップに包んでねと母にお願いしますが、その記憶は3秒後に消えてしまいます。一日中同じ会話をして2人で過ごすのです。この現実を受け止めようとする自分と、あんなにしっかりしていた昔の母の記憶が重なって、時々その場から逃げてしまいたい、と思う瞬間があるんです。そんなときは、ふら〜っと1人で出かけます。

★「お母さ〜ん、ちょっと買い物に出かけるよ〜。おやつ置いてるからちゃんと食べて食器洗っといてね。時間があったら運動のために掃除機かけててよー。」

♡「あいよ〜。食べとくよ。夕飯はどうしたらええの?」

★「私が買い物して来るから大丈夫やで。甘いもの買って来るから帰って来たら一緒に食べよー。ほな、行ってくるわ〜。」とは言っても、食器も掃除機ももう記憶には残っていないんですけどね(笑)

最近はふら〜っと京都まで足を延ばすことが多くなりました。
京都を訪れると、日本人以外の観光客の多さに驚きます。そしていつも笑ってしまうのが服装。冷たい冬、ダウンの上着を着ているのに足元はなぜかビーチサンダルとか。こんなに暑いのにそのダウンはないでしょーとか。そんな光景を見るといつも拍手したくなるくらい楽しくなる。そしてなぜか勇気が湧いてくる。自分らしく、あなたらしくいこーじゃないか!って背中を押されているような気がしてね。

6月曇り空の中、小豆色の阪急電車に乗って十三(じゅうそう)駅で京都線に乗り換え。特急京都河原町行きに乗り約40分。今回は烏丸(からすま)駅で降りました。なぜなら、ちょいと気になるたい焼き屋さんへ寄り道したかったから。その後、目指すは京の台所、390メートルにもなる商店街「錦市場」。昔、母と2人で来た場所。ちょうど雨がザーッっと降って来たので、元気だった母を思い出して雨宿りがてら1人散策。

…と思ったら、いきなりおっちゃんが牡蠣さばいてるやん!食べたくなって見てられへん!店に入ってしもたがな!

「すんませ〜ん、生牡蠣、焼き牡蠣、冷酒ちょうだ〜い」

サクッと食べて店出たら、なんやの、も〜、目の前で長椅子に座って冷たいお茶と麩饅頭食べてる人がおるやん!!

「すんませ〜ん、同じもん、ちょ〜だ〜い」

このタコ🐙訪日観光客の皆さんに大人気やねん🌏

めちゃめちゃ立派な祝鯛!

そういえばお誕生日、お正月には
母がいつも用意してくれてたなぁ

この錦市場、すれ違う人、ほとんど訪日観光客。その中でもひときわ賑わっていたのが「有次 錦店」。1560年、藤原有次が刀などの刃物を作る鍛治職を始めた日本刀をルーツとする「有次」。刀鍛冶の技術を受け継ぐ包丁「有次」は海外の料理人の憧れの包丁。また日本料理を支えるたくさんの料理道具の品揃え。これぞ日本文化の象徴です。

抜き型
職人さんの手作業の為、同じ型でも全然違う

そんな「有次」の包丁を購入すると、希望により名前も彫ってもらえるのですよ!

華麗な職人技に釘付け

そこで、みなさ〜〜ん!

あぶそる〜とロンドンのコラムに英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパル、平野亮一さんが執筆なさっています。タイトルは『平野亮一 LIFE IN UK』(カッコいいですね!)

ロンドンの中心部、コヴェントガーデンにあるロイヤル・オペラハウス。そこを本拠としている英国ロイヤル・バレエ団。そこで亮一さんは2001年からプロのダンサーとして踊っています。18歳でバレエ団の研修生として渡英以来、約17年ここでバレエとともに過ごしているのです。

9月25日発信の亮一さんのコラムには、先シーズンのツアーであった東京、横浜、ロサンゼルスでの大成功のお話と、カルガリー在住のお兄さん啓一さんご家族との休暇、吉田都さんの引退についてのお話。また一時帰国された際に訪れた川越と京都のお話も書かれていました。毎年シーズンとツアーが終了すると、日本での彼の夏休みが訪れます。ほんの少しバレエから離れて過ごす時間。亮一さんの趣味は幅広く、ロンドンではマーケットでお気に入りの陶器探し。また料理も大好き。器がいいと不思議と美味しく感じられ、自分の為なのに器が綺麗だと盛り付けも気にする、とおっしゃるほど食への楽しみを持たれている方。そして様々な角度からの素敵な写真もインスタグラムにアップされています。(ユーザーネーム:riohirano)

是非、みなさん!あぶそる〜とロンドン『平野亮一 LIFE IN UK』ご覧ください!そして数あるコラムの中から次の一文、『夏休みは毎年絶対京都に行く』を見つけてください!そう!今回のお話のキーワードはこの一文。

ではここで質問。食に携わる世界中の人々が憧れる日本の伝統道具といえば何でしたか?
ぴったしかんか〜〜ん ♬ そうですね、それは「有次」の包丁。

2019年の日本での夏休みで京都に立ち寄られた際、亮一さんは「有次 」で包丁を購入されました。しかも「平野亮一」と名前まで彫っていただいたそう。
亮一さんのコラムから引用させていただくと
「今回のショッピングは錦市場で包丁!有次で買いました。しかも名前も彫ってもらって最高です!」と!

では『 英国愛🇬🇧が止まらないみなさまへ 』…
京都市中京区錦小路通御幸町西入ル鍛治屋町219へお越しやす。
ここには『英国を愛する人が愛する』素晴らしい包丁「有次」に出逢えます。

そして2020年2月(15日14:00・16日14:00公演)新国立劇場にて、NBAバレエ団「ホラーナイト」に平野亮一さんがドラキュラ役で出演されます。

ホラーバレエの美しさを是非ご一緒に!

ブラム・ストーカー原作のホラー小説「吸血鬼ドラキュラ」(原題:Dracula)を、マイケル・ピンクが振り付け。すでにチケットは発売中。

余談ですが「SWAN」っていう漫画ご存知ですか?1976年から1981年まで「週間マーガレット」に連載された、有吉京子さんの漫画です。北海道の旭川に住む15歳の聖真澄が、一流バレリーナを目指すチャンスを次々と手にしていくストーリー。実在するバレリーナ、マイヤ・プリセツカヤや他舞踏家、振付師も作中に登場する物語。その中で聖真澄はロンドンのロイヤルアカデミーへも留学することに。当時、小学生だった私は、紙に穴があくくらい読みまくったことを亮一さんの存在で思い出しました。芸術とも言える華麗な筋肉美、緊張の細い糸が張っているかのような美しい姿勢。手、腕、肩、首、顎、跳ねる脚、頰、口元、目、眉…一瞬の小さな動きでさえも人は表現することができるんだと、幼いながらにドキドキして一枚一枚ページをめくった記憶が蘇ってきます。そんな想いを胸に秘めて、2020年の冬、平野亮一さんの登場を観客席で待ち続けようと思います。

そうそう、私の帰りを楽しみに待っている母にお土産を買いましたよ ٩( ᐛ )و
阪急烏丸駅にほど近い、路地をそろそろ入ったところ。「あまいろコーヒーとたい焼き」
母にまるいたい焼きを食べてもらいたくて急いで 帰りました。
母は丸い形に驚き、美味しいねって笑って食べてくれました (๑˃̵ᴗ˂̵)
食べた3秒後にはもう母の記憶の中には残っていません。
でも私と一緒に美味しそうに食べていた母の笑顔を私はいつまでも覚えています。

あまいろコーヒーとたい焼き
これは粒餡、カスタード味

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【ロイヤル・オペラハウス】
https://www.roh.org.uk/
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【NBAバレエ団】(「ドラキュラ」の公演チケット)
http://www.nbaballet.org/performance/2020/horror_nights/
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【有次 錦店】
住所:京都府中京区錦小路通御幸町西入ル鍛治屋町219
Tel:075-221-1091
営業時間:9:00-17:00
定休日:元日/1月2日・3日
http://www.kyoto-nishiki.or.jp/stores/aritsugu/</
https://www.aritsugu.jp/shopping/shop/(オンラインショッピング)
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【あまいろコーヒーとたい焼き】
住所:京都市下京区仏光寺通室町東入釘隠町242
https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260201/26031292/

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About Author

ナミヘイ

兵庫県伊丹市出身。東京都在住。主婦時々パートタイムジョブをこなす。子育て期をニューヨーク、ロンドンにて駐在生活を送る。思いつきのその日決めで行動する一匹オオカミ派。『成るように成る』をモットーに今世を生きる。水泳・ジョギング・登山・ウクレレ・映画、ライヴ鑑賞・ボランティアと未知なる自分を今後も探求し続ける。

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