お腹の皮がねじれるほど笑ったのは3月10日のことでした。韓国の憲法裁判所が朴槿恵氏の大統領罷免を決定。世界中でこのニュースが伝えられ、BBCのTVインタビューに自宅で応じた釜山大学のロバート・ケリー准教授に起こった思わぬ事故について、みなさんすでにご存知のことと察します。演技やヤラセなどではない100%天然の可愛さと可笑しさ! BBC とご両親には気の毒でしたが、子どもにはかないませんね。
この動画、マリオンちゃん(4歳)のしぐさも可愛いけれど、個人的には、長男のジェイムズくん(9か月)が歩行器に乗って颯爽と(!)登場するところで大爆笑。そして気の毒になったのが、お父さんのケリー准教授よりもむしろお母さんでした。ところがこの動画を電子版ガーディアン紙で見つけたとき、キャプションを読むと「woman」とあり、え、あ、そうなの? 奥さんではなくナニーだったの? とどうも腑に落ちない感あり。
大慌てで部屋に入ってきた「woman」は奥ゆかしく、しゃしゃり出ないように子どもたちを引っこめ、「くのいち」(女忍者)のごとくドアを閉めました。夫の仕事を陰で支える妻、子どもの管理に責任を持つ母としてちっとも不思議はなく、あの行動パターン、十分に理解できるし、米国人とアジア人の典型的な国際結婚によるファミリーの姿に、わたしには見えたのですがね~。悶々としたあと、ついに真相が明らかになったのです!
部屋に飛びこんできた「woman」は、な~んだやっぱりケリー准教授の妻で、韓国ネイティヴのジョンア・キムさん。BBCが中断を余儀なくされたケリー准教授の子どもたちによる「インタビューハイジャック」は8800万回も再生(20日現在)され、一家がヴァイラルスターになったその影で、アジア人女性=ベビーシッター(使用人)とステレオタイプ化して見た(欧米人の?)人種に対する偏見を批判する声が、SNS上で炎上。
奥さんとしたもののベビーシッターだった、というのはアリかな~という気がしますが、逆は、やっぱりアジア人女性を卑下してる感じ? が少なくともキャプションを書いた方は、いい加減なニュースやフェイクニュースが氾濫するネット時代に、はたして彼女が奥さんなのかベビーシッターさんなのか愛人なのか、確認できてない情報を推測で書いてはいけないと、ジャーナリスト精神にのっとって「woman」としたのでしょう。
ケリー准教授は、自分が部屋に鍵をかけ忘れていたのが最大の失敗、と反省されていらっしゃいますが、Skype で簡単に世界をつなぐことのできる生放送には落とし穴(&お笑いの副産物)があることを、忘れてはなりません。ともかく、ケリー一家は記者会見を開くほど話題を呼び、あちらやこちらのメディアでひっぱりだこ。相次いでパロディ動画がアップされてます! トランプ大統領のパロディ番組動画に飽きた方にはお勧め。
なお、「woman」と3月10日にキャプションをつけていたガーディアン紙は、「wife」に訂正済みです。ヨカッタ。
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