
Calong カロング
マルチ・カルチャーが交差するロンドンで、すでに確立されている伝統の食ジャンル、例えば日本料理、フランス料理、中国料理などを他のジャンルと融合するとき、2つのパターンが考えられると思います。
一つは調味料だけ日本風や中華風のものを使って、本体の8割はヨーロピアンのまま。名前だけの “フュージョン” で、あまり創造性を感じないもの。もう一つは、調味料だけでなくレシピや技術も融合しようと試みている創造性が高いもの。これはかなりの手練れシェフでないと成功させるのは難しい。下手をするとどっちつかずになって、失敗してしまうから。
昨年ストーク・ニューイントンにオープンしたモダン・コリアンの「Calong」は、間違いなく後者の部類なのですが、ぎこちなさを微塵も感じさせない見事なフュージョン料理に圧倒されました。韓国とヨーロッパが手に手を取り合ってモダンなダンスを踊り、楽しんでいるのですね♡

「Calong」とは韓国語で「ヒップでトレンディー」のような意味。でも実際は、かなり控えめなビストロです^^
なにはともあれ、最初は定番のキムチ・フリッターからいきましょう! ほどよいキムチ味のさつま揚げ風フリッターに、チリマヨを少しだけつけていただくムチムチのおつまみ。あるようでロンドンではあまり見かけないスナックなのですが、なかなかクセになるお味です。問題なく完食♡

ノンアル・ドリンクもなにげにオシャレ。
トマトとナスのサラダは、松の実やレーズンが加わり、テンジャン・ソースでいただくハイレベルな無国籍料理へと変身。一方、タコのサラダはハーブの香りとともにピリ辛ドレッシングで楽しむさわやかな魚介料理。本当はチヂミもいただきたかったのですが、ネギが苦手な友人がいて断念・・・好物なのでいつか食べてみたいなぁ。

北ロンドン発のTwo Tribesのビールがトマトとナスのサラダに合いますね^^

タコのサラダ!その他に「ジュ(シェフ)のフライド・チキン」が名物。
主菜として申し分なかったのは、ポークとソーセージの柔らか煮込み。フレグラと一緒に甘辛いソースでいただくお肉は完璧。グリーンも添えられ、甜麺醤風の甘いソースがアジア気分を盛り上げてくれました♡
こういうお料理って天才的だなぁと思います。イタリアのパスタ、アジア風の煮込みソース、中東風のスパイシーな牛肉ソーセージ、チョイサムと甜麺醤ソース。一つ皿の上で素晴らしいハーモニーを奏でる。不協和音がないんですよね・・・

シェフに拍手👏
デザートもすごかった! ふわふわの一口ドーナッツに、パンナコッタのように美しく成型されたカスタード、イチジクが添えられた一品なのですが、この三者を一緒にお口に運ぶことで格別なハーモニーを楽しむことができます。
あまりの美味しさにおかわりしてしまったほど(笑)。3人で2皿いただいた計算だけど、もっと食べられたかな・・・w

お見事!
韓国料理をベースに、欧州のテクニックを取り入れ、見事なオリジナル料理に昇華させている凄腕のシェフは、釜山出身のジュ・ウォンさん。キャリアが長いのですが、シェフを目指したのは23歳のときだそうで、かなり遅いスタートです。
大学卒業後、パンやケーキに目覚めて職人になり、フランスでの修業を目指すも言葉の問題で断念し、英語圏のイギリスにやってきてスコットランドでキャリアをスタート。自分のレストランを持つことを夢見てロンドンで本格的にミシュランの星付きレストランで働きつつ、コルドン・ブルーでの勉強も並行するという激忙の日々を送って料理に身を捧げてきたのだとか。
自身の店を立ち上げる前まで、フレンチの名店で7年間ヘッドシェフを務め、ミシュランの星を維持したそうです。カロングの前身は2021年に立ち上げたポップアップ・レストラン。そして現在にいたります。

言わばここは、コリアン・バー・ビストロ。モダンな韓国小皿に舌鼓を打ちつつ、ナチュラル・ワインやクラフト・ビールを楽しむ場所。その全てがストーク・ニューイントンのお洒落な住人たちにウケそうなものばかり^^
ストーク・ニューイントンは北東ロンドンでも独立系のレストランやショップがひしめくお洒落な街なんですよね。中心部からだと、73番のバスに飛び乗るのがいちばん簡単。オックスフォード・サーカスから1本で来られます。あるいはリバプール・ストリート駅からオーバーグラウンド(ウィーバー線)に乗ると1本です^^