
ライス・ワインから「SAKE」へ。スーパーでも本物の日本酒が買える時代に!
日本酒は英国市場でかれこれ何十年も流通しているのに、なかなかメイン・ストリームの仲間入りをさせてもらえないもどかしさがある。こんなに美味しいのに、どうして?^^
まず枠組みの問題。仲介業者や個人の専門家の数がまだまだ足りないので、大手以外は参入しづらい。業界全体がどう海外進出すればいいのか、言語の壁や専門性の難関、(原料や輸送コストも含めて)さまざまな課題を乗り越える必要があり、一筋縄ではいかない。
ソフト面ではやはり、消費者の日本酒への絶対的な認知度や知識が足りないこと。もちろん米を原料とする「ジャパニーズ・サケ」は多くが耳にしたことがあるだろうし、和食店だけでなく、アジア系レストランやファイン・ダイニングで日本酒を取り扱うようになり、少しずつ認知度は上がってきている。日本食の人気も手伝って、実際に試してみようという層が今ようやく育ってきているという状況なのだ。
価格的にはワインの高級レンジと同じくらい。だからもっとワインのように新しい味を試したい、酒としてのクラフトを知りたいという日本酒愛好家が多くなれば、裾野がさらに広がっていくのではないか。そんなことを願う、日本酒大好きな私なのである。
なにはともあれ美味しいクラフト酒をロンドンで味わいたいなら、上質な和食レストランへ急げ! あまり流通していない銘柄を輸入し、驚かせてくれる店もある。例えばモダン和食のROKAのような店だ。ここれはフィッツロヴィアの旗艦店へ足を向けてみよう♪

Shochu Lounge。ROKA Charlotte Streetの地下にある。
日本酒の話を突然始めたのも、実は先日、ずっと憧れていたロンドン唯一の焼酎バー、ROKA「Shochu Lounge」で開催された日本酒テイスティングに参加してきたから。テイスティングだけでなく、素晴らしいペアリングも楽しんできた。
ROKAについてはこちらの記事で詳しく書いたので、興味のある方はぜひ。2004年に創業し、ロンドンにおけるモダン和食の先駆けとしてブームを牽引してきた名店である。食事が美味しく雰囲気も素敵なので、私は大ファン♪
今回の酒テイスティングは、現時点でROKAでしか取り扱いのない、イギリス初上陸を果たした貴重な日本酒のお披露目会も兼ねていた。現地の人たちに日本酒の良さを知ってもらうためにはやはり、食事とのマッチングを深く理解してもらうことが大切。そんな信念もあって、ROKAではここ10年以上、ずっと食事とのペアリングに力を入れてきた。
今回はROKAグループ全体のグローバル・ワイン部門を統括する、ローラ・ブランシェットさんが4つの銘柄と居酒屋メニューのペアリングをアドバイスしてくださった。それがじつに的確でわかりやすく、存分に舌鼓を打つことに・・・😋

海鮮&アボ手巻きと冷酒。合わないはずない。

蟹&海老コロッケと日本酒!もちろん合います^^ ワイングラスに入っているのは「DREAMSAKE」。

ROKAのピリ辛唐揚げ最高。甘口の尾瀬の雪どけとよく合います♪
今回イギリスに初上陸したROKA限定の銘柄は、盛岡・菊の司の「純米酒きくつか – 透 -」(Tou)、そして淡いピンク色に心も染まる群馬・龍神酒造「尾瀬の雪どけ」純米大吟醸 ロゼ。
ローラさんはその他にも土佐鶴「azure」吟醸、松竹梅「白壁蔵」純米大吟醸などをセレクト、丁寧に日本酒そのものについて、さらに個々の特徴について概説し、粋なペアリングの提案もしてくださった。純米酒を含めて私の口にはいずれもあまりクセがなく、飲みやすいテイストに思えたので、どんな料理も引き立ててくれるはずだ。特に白壁蔵はふくよかで若干クリーミーな後味があり、好み♡
ちなみに今回初上陸した「尾瀬の雪どけ ロゼ」は、すっきりとしたキレのある喉越しだが上品な甘みが特徴。アルコール度も12%と低いので、食前酒や食後酒にもぴったり。きっと日本酒初心者にも好まれるはずだ。
最近はおしゃれなバーに置いてもしっくりくる洗練された日本酒ボトルも多い。ブルーが幻想的な土佐鶴「azure」、そしてローラさんが今回用意くださっていたもう1本の銘柄、兵庫・六甲山のふもとで生まれた「DREAMSAKE」の二つが、かなり目を引いた。

左が土佐鶴の吟醸酒。右が目下売り出し中の「DREAMSAKE」。
兵庫産のDREAMSAKE 大吟醸は、無添加で雑味のない飲み口により「どんなジャンルの料理にも、どんな機会にも合う」万能選手として、昨年さっそうと英国市場に登場(おそらく日本盛さんのOEM)。OCADOなどのオンラインストアではすでに入手可能で、売れ行きも好調だったようだ。
「グラスワインで召し上がれ」というコンセプトで展開し、市内約100店舗の高級店で取り扱いがあるほか、全く異なるマーケティング手法を採用し、今年になってマークス&スペンサーの全国220店舗で扱われることが決まり、2週間前からお目見えしている。スーパーマーケットとして本物の日本酒を棚に並べるのは英国では初めてのことで、英国における日本酒の認知度向上に、大きな一役を買うことになるのだ。
日本酒は海外ではどうしても高級品に位置付けられてしまうのだが、本来はワインと同様、さまざまなグレードのものを状況に合わせて選び、日常的に楽しむもの。一般的な日本酒を晩酌で楽しむお父さんたちの姿は、昭和の心象風景でもあった。私もどちらかというと、食事中はどっしりとした味わいの純米酒を合わせ、芳醇な香りを楽しむフルーティーな大吟醸は、食前や食後にたしなみたい派。
レストランでの食事中も近年は無意識のうちにオレンジ・ワインを選ぶことが多いのだが、これもオレンジ・ワインのミネラル感が強さのある純米酒に通じ、食事と合うからだと思っている。日本酒も楽しみ方を選べると分かれば、ワイン好きなイギリスの人々にも興味を持ってもらえるのではと思う。また個人的には日本酒を使ったカクテルが大好きなので、斬新なアイディアで日本人たちも驚かせてほしいと願っている。
日本酒の普及に尽力してくださっているローラさんのような専門家にも感謝。ロンドン、イギリスの日本酒市場は今年もっとビッグに、面白くなる!

ROKA各店、Shochu Lounge、いずれでも日本酒をいただくことができます♪