サポートバブルって何? 一人暮らしの独り言

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年末からの寒さがいったん和らぎ、窓ガラスの結露もちょっぴり落ち着いたロンドンですw  皆さんはいかがお過ごしでしたか?

ロックダウンに入っているイギリスでは、外に出るのはもっぱら買い物や散歩だけ。人と会うことは稀になりました。私自身は散歩中に街で起こっているさまざまなことを観察したり、買い食いをしたり、コーヒーを持ち帰りにしたり、よその家のお庭の植物を観察したり、ちょっと遠くまで行って仕事の材料を探したりすることが、穏やかな日常を彩ってくれる大切なひとときとなっています。

徘徊中の風景。

昨春の最初のロックダウンでは、家の中でいかに楽しく過ごすかに注目が集まり、ベーキングや室内エクササイズが流行りましたよね^^  子どもが小さな家庭では毎日のように楽しそうなSNS投稿がオンラインの世界を賑わしました。もちろん大人だけの家庭からも料理や趣味の投稿が相次ぎ、楽しませていただきました。いろんな意味で家族の絆について思いを新たにした時期でもありましたよね。

反対に家族で過ごすことが負担という方もいるでしょう。子どもたちの学校がないと自宅で世話をしたり気を配ったりしなければならず、一人暮らしの呑気さからはその大変さは想像もつきません。きっとお母さんによっては「戦場」なんて言葉で表現する人もいるのかも^^  1ベッド・ルームのフラットに小さなお子さんたちと家族4人で暮らしている家庭もあると友人から聞いて、それもコロナ時代の一風景として記憶に刻みました。

そんななか、一人暮らしの皆さんは気楽だとはいえ、人になかなか会えないこのご時世だと、寂しいと感じる瞬間もあるのではないでしょうか。または生活が不安定だなと不安を感じたりしている方もいるかもしれません。かくいう私も現在は個人的なミッションの途上(笑)にあることにより、一人で暮らしています。コロナ規制が敷かれる前は友人たちと会う機会が多く、寂しいと思うことはほとんどなかったのですが、ロックダウン3の現在は、やはりご家族と一緒に住んでいる皆さんを眩しく感じます。

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ガーディアン紙によると、イギリス人口の約6,800万人のうち、一人暮らしは約1000万人弱。こちらの統計によるともっと多くて人口の30%近くが一人暮らしとなっています。私も今回調べてみて、初めてこれだけ一人暮らしの人が多いことを知りました。イギリスの独居人口は年々増えていて、2039年頃までには7人に1人が一人暮らしになると予想されています。

年代としては65歳以上の一人暮らしが最も多く、独居生活の高齢者が多いという世界共通の現象を浮き彫りにしています。イギリスではロックダウンを導入するにあたって、そんな一人暮らしの皆さんを孤独から守るために「サポートバブル / support bubble」というシステムを取り入れました。

サポートバブルについて政府の説明はこちら:
https://www.gov.uk/guidance/making-a-support-bubble-with-another-household

サポートバブルとは、一人暮らしの人が特定の一つの家庭とサポートバブル縁組をして、家族同様に付き合うことです。そこにはソーシャル・ディスタンスも関係なく、一つ屋根の下に住んでいるようにいつでも行き来することができます。最も多いのが片親と、その子どもの家庭でしょうか。あるいは、成人まもない子どもが、実家のサポートバブルに入る場合もあるでしょう。近くに家族のいない一人暮らしのお年寄りは、ご近所の親しい家庭と縁組する場合もあるようです。

私も有難いことに自宅から歩いて3分のところに親しい友人夫婦が住んでいて、少し前から公式に?サポートバブル縁組をしていたので、年末年始は嬉しく行き来しました。彼らはジャマイカ系イギリス人とトリニダード・トバゴ出身女性の素敵なカップルで、先日はトリニダード風ブランチへ招待してくれました♡

手前はソルト・フィッシュとアキの炒めもの。アキは黄色い木ノ実で、柔らか〜♪  アキを入れるバージョンはトリニダードにはなく、ジャマイカ風にアレンジしたのですって。風味がエキゾチックで激ウマです!

トリニダード・トバゴというカリブ海に浮かぶ島国について、彼女に出会うまでほとんど知らなかったのですが、リオのカーニバルと比肩するほどのすごいカーニバル文化のある国なのですよね。このお祭りはコスチュームがすごい。以前彼女が参加したときの様子を写真で見せてもらったのですが、想像をありったけ飛翔させたデザインはシュールとさえ言える奇抜なものが多くて、お金もかかってます。島民は1年かけて準備をするみたいですよ。今年は2 月15日・16日に予定されていたようですが、残念ながらキャンセルとなったよう・・・・いつか一緒に行こうと話して早何年。一生に一度は行ってみたい!(きっと行くと思います^^)

日本風カボチャのマッシュ。炒り卵。プランテイン。その奥にほうれん草があるのですが、これもハーブやココナッツミルクで丁寧に調理されています。シンプルに見えますが、全部トリニダード風の味付けがしてありどれも新鮮〜。本当に本当に美味しかったです。

こういった友人家族がいてよかった〜と思う一方で、家の近くにサポートバブル縁組ができるような友人がいない人もいるのかな?と思うと、胸が痛みます。

コロナ禍にあって思うのは、やはり人には人の温もりが必要だということです。ベタですけど、こういった状況になって初めて心から実感することもあるものですね。心があったかくなる♡という経験は、人と人との交流や動物との交流から生まれます(もちろん大自然に対して畏敬の念を持って胸が打ち震えることはあると思いますが、“通いあう”経験ができるのは生き物だけではないでしょうか)。

孤独な状態、そこから来る感情、ストレスは、メンタル・ヘルスにはてきめんに来てしまいます。こちらのレポートによると、英国民の3分の2以上が、コロナ禍における自身の状況から、何らかの心配をしたり憂慮を感じているとあります。顕在意識でこれだけの影響があるということは、潜在意識下では、もっと強い影響があるということですよね。

ストレス・レベルが上がれば上がるほど、肉体への影響も増してきます。ストレスで胃潰瘍になるのと同じ原理ですね。あらゆるストレスは、過剰になると結局は何らかの形で身体に表れてしまいます。症状の出方は、個人によって異なると思いますが。

手作りのザ・トリニダード・ブランチ♪  次はいつ食べられるかなぁ^^  あ、一番奥に見えているのは私も好物のジャマイカのハード・ドゥ・ブレッド。むっちりフカフカの歯ごたえが病みつきに♡

私は免疫力を上げることこそが、究極のコロナ対策だと思っています。これは昨年春の段階から、ずっと言い続けていることです。免疫アップにいいのは、自分ができる楽しいことをすることです! ネットで人にあったり、話したりすることも良いですよね^^  人が人に会って交流すること。そこから活性化されること。それは根幹的な癒しです。

成人病をはじめ、その他の病気を持っている皆さんには、普段の生活を改善することをお勧めします。良い食事、良い睡眠、良いリレーションシップ。そして自分を満喫できる生活環境。そういった基本的なことが、あなたをコロナから守ります。今は自分自身や、生活全般を見直す良い時期なのです。

さて、サポートバブルの良さについて書いていたところでした。今、誰もがすぐに会える状態ではないですが、大切な人たちと心だけでも繋がっていられるようにしたいものです。イギリス全土、1千万人の一人暮らしの皆さん、そして世界中の一人暮らしの皆さんに心を寄せつつ・・・・皆の心が温かくいられますように。

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岡山県倉敷市出身。ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。東京の文芸系出版社勤務、雑誌編集・ライターを経て、1998年渡英。英系制作会社にて数多くの日本語プロジェクトに関わった後、2009年からフリーランス、各種媒体に寄稿中。2014年にイギリス情報サイト「あぶそる~とロンドン」を立ち上げ、編集長として「美食都市ロンドン」の普及にいそしむかたわら、オルタナティブな生活、人間の可能性について模索中。著書に『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房) 『ロンドンでしたい100のこと』『イギリスの飾らないのに豊かな暮らし 365日』『コッツウォルズ』(自由国民社)。NHK文化センター名古屋教室「江國まゆのイギリス便り」講師。MUSIC BIRDのラジオ番組「ガウラジ」に月一でゲスト出演。チャネリングをベースとしたヒーラー「エウリーナ」としても活動中(保江邦夫氏との共著『シリウス宇宙連合アシュター司令官 vs.保江邦夫緊急指令対談』もある)。Instagram: @ekumayu

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