パリッシー、地域で守りたいクラフト惣菜&ベーキング

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Parissi  パリッシー

今年はどんなクリスマスでしたか?

私はごく身近な、大切な人たちとのんびりと過ごしました。いろんなことをシェアしたり、共に作り上げたりと、人とのつながりを強く感じる季節ですよね。世界のあり方に思いを馳せる時期でもあります。

そんな祝祭シーズンは、美味しいものへの希求も高まるとき。今日は南ロンドンはブリクストンにある、素敵なデリ・カフェをご紹介しましょう♪  強い個性を持つ独立系のシェフが、自慢のクラフト料理を作ってくれる場所は年々ロンドンでも物価高で減っていると思います。そんな中で、大切に守っていきたいカフェの一つが「パリッシー」。

味のあるロゴでしょ?

ブリクストン駅から歩いてすぐ、Parissiは、本当にキュートなお店でした。

パリと関係あるかって?  私も最初はフレンチ・デリかと思ったのですが、オーナーさんはギリシャの島、レスボス島出身のスピロス・パリシスさん(Spyros Parissis)で、店名はお名前からみたい。しかし! お母様がパリに長年住んでいらしたとかで、フランスの文化にも触れつつ育ったことからパリの香りも漂わせつつ。さらにレスボス島はトルコのイズミール近くに位置する国境の島なのです。つまり、パリッシーはギリシャ、トルコ、フランスをはじめとした欧州の文化をミックスした味を体現しているってこと。これはなかなかロンドン的です^^

手前にあるカウンターに本日の惣菜がたっぷり用意されている、小さなお店。奥に座ることのできる席が少しだけあります。暖かい季節は、そのまた奥にある秘密のパティオが大人気。私も爽やかな夏の午後に、いつかこのパティオ席に座ってみたいと思っています♡

さて、この日のお目当てはデリ惣菜でした! メニューにはシャクシュカ、トルコ風卵料理、ナス料理(ババガヌーシュ)のブレックファスト、本日のフリッタータや多彩なサラダなど現代のロンドナーたちが全力で支持する魅力的な面々がズラリ。その中から、シャクシュカ、本日のフリッタータ+サラダの盛り合わせをシェアしてみました。

あ、カウンターで一目惚れしたセイボリー・ブレッドも忘れずに!

フェタ・チーズとほうれん草のパンだったと思います。うまい!

熱々のシャクシュカ♡

食べ終わって思いました。「こんなお店が近所にあったらなぁ」と。

フリッタータは、ありがちな残念賞?と私が思っている水っぽさがなく、しっかりとした卵とポテトの味が感じられる素晴らしい出来でした。シャクシュカは平均点をクリアしていて満足。そして4、5種ほど盛り合わせてくれた野菜料理の美味しかったこと。それぞれの個性が互いを引き立てあっていて、ワンプレートとして完璧なのです。

これは、野菜料理を単なる付け合わせとして考えるか、メイン料理の一種だと捉えるかによっていると思います。ベイクしたフェンネルや、特にポートベロー・マッシュルームの料理は十分に主菜になりうるクオリティで、これを食べるためだけにリピートしてもいいと感じています。

栄養満点!

それから気になって選んだお惣菜パンは大正解でした。これだけ美味しいおかずパンを作ることができるパン職人さんって意外とロンドンでは少ないので、ぜひ。私の経験だと、見た目で買って見た目通りのお味ならまだしも、それ以下の味(失礼)のことがままある中で、ここは見た目よりもお味の方が勝った稀なケースw 中東の味ですよ。

そしてデザートはカウンター内でひときわ強く自己主張していたバスク・チーズケーキを♪  バスク・チーズケーキ人気は、ロンドンではまだまだ衰えるところを知りません。こちらも見た目通りに美味しゅうございました。

オーナーシェフのスピロスさんは、子ども時代の島での美味しい経験をもとに独学で料理を学んだ後、セラピストとしてのキャリアを経て、起業家を育て新しいビジネスを応援するスキームに参加し、家族や友人に助けられながら現在のカフェを2014年にオープンしました。

こちらの記事で、スピロスさんはこう言っています。

「僕はギリシャの小さな村の料理人一家に育ちました。母は料理本を書き、テレビにも出演しましたし、祖母は地元では有名な料理人でした。僕はキッチンで育ったようなものです。漁師の父の影響で海洋生物学を勉強したいと思い、ウェールズの大学に行きました。」

学位取得後、コッツウォルズへ。そこでダンス・セラピーを学び、社会福祉施設で働きつつ料理も担当。その後、薬物やアルコールの依存症患者のためのリハビリ・センターで野菜を育てたり、料理を教えたりする仕事に就いたのだとか。「薪オーブンでパンを焼き、地元で売っていました」。

セラピストやスポーツ教師の仕事をしながらも、食に関わる仕事をするという夢を実現したいと思い、ロンドンに移り住みます。その後は、自身の情熱が外側からのサポートを引き寄せ、パリッシーのオープンへと導かれました。前述した国が主宰する起業家スキームではプロダクト賞を贈られるなど確実に腕を磨いていったと言います。やはり自分のパッションを忘れず追っていくと、必ず実現するということですよね。

パリッシー、きっとレジェンドになる ^^

76 Atlantic Road, London SW9 8PX

店名Parissi
最寄り駅Brixton
住所76 Atlantic Road, London SW9 8PX
電話番号020 7924 9022
営業時間水〜金 9:00 – 16:00 土・日 9:00 – 18:00(年末は12月27日まで休業、28-31日 9:00 – 16:00、2023年1月1-3日は休業、4日から通常営業)
URLhttps://www.parissi.co.uk
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About Author

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岡山県倉敷市出身。ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。東京の文芸系出版社勤務、雑誌編集・ライターを経て、1998年渡英。英系制作会社にて数多くの日本語プロジェクトに関わった後、2009年からフリーランス、各種媒体に寄稿中。2014年にイギリス情報サイト「あぶそる~とロンドン」を立ち上げ、編集長として「美食都市ロンドン」の普及にいそしむかたわら、オルタナティブな生活、人間の可能性について模索中。著書に『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房) 『ロンドンでしたい100のこと』『イギリスの飾らないのに豊かな暮らし 365日』『コッツウォルズ』(自由国民社)。NHK文化センター名古屋教室「江國まゆのイギリス便り」講師。MUSIC BIRDのラジオ番組「ガウラジ」に月一でゲスト出演。チャネリングをベースとしたヒーラー「エウリーナ」としても活動中(保江邦夫氏との共著『シリウス宇宙連合アシュター司令官 vs.保江邦夫緊急指令対談』もある)。Instagram: @ekumayu

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