The Service ザ・サービス
英国紳士服の聖地といえば、リージェント・ストリートにほど近いサビル・ロウ。高級テイラー街であり、一説では日本語の「背広」の語源になったとかならなかったとか。
普段は用事がないので通らないのですが、ある日、通り抜けしようとぶらぶら足を踏み入れてみると、見たこともない魅力的なカフェが忽然と目の前に現れたのです。世界でも指折りの高級紳士服を扱うメイフェアの一画であるはずが、そこだけイースト・ロンドンのアーバンな風が吹いていたのです。
吸い寄せられるように足を踏み入れると、びっくりするくらいにクールで落ち着きのある空間。深いグリーンと清潔な木目がなんとも言えない大人のニュアンスを放ち、まるでセンスのよい英国紳士が作り上げた都会のオフィスのような・・・。
目を凝らすとコミューナル・テーブルの上で、上質の生地を懸命に裁断する仕立て屋見習いの姿が見えてきそうなのです。
The Serviceというそっけない名前のそのカフェは、2022年秋のオープン。「Cad & The Dandy」というテイラー・ブランドが、コーヒーメーカーとのコラボで立ち上げたのだそうです。
何度通っても独特の色気にほだされそうになるのですが、理由はきっと、ここに出入りする人たちが醸す素敵なオーラにあるのだと思います。
私がここを「発見」したのは昨年の春くらいなのですが、来るたびにコミュニティーが大きくなっているのがわかり、今では貫禄ある通りの中心スポットに。壁際には商談にピッタリの落ち着いたソファ席もあり、ついつい長居してしまうのですよね^^
ちなみにテイラーの「Cad & The Dandy」は、2008年にロンドンで創業した比較的新しい仕立て屋さんです。サビル・ロウに旗艦店を構えたのは、2013年。リーマン・ショックで解雇された二人の銀行家によって設立されたそうです。
ここのスーツは現代風の少しソフトなシルエットと、生地の仕入れ先を選ぶことによって実現している柔軟な低価格が人気の秘密なのだそう^^
彼らのウェブサイトに行ってみてびっくり。ホームページのメイン・バナーでさまざまなスーツを着こなしているモデルの男性が、知人だったのでした^^
Greham Gardnerさん。彼は優れたモデルでありながら、アーティストとしても活躍している人。すごく面白い絵を描かれる方なので、ぜひチェックしてみてください! さすがにスーツ似合うな〜^^
気取らない東ロンドンの都会的センスと、高級テイラー街の歴史を取り入れたThe Service。
しばらく人気は衰えそうにありません♡