神話の国、出雲でパワーをもらう

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ミステリーツアー日本の旅、今回は初めての、山陰地方でした。

羽田到着後、知らされていなかった【神話の国、出雲へ飛ぶ!】
と知った時の、私の喜びと言ったら!

そして、出雲に到着する30分ぐらい前から私は少々興奮状態に陥りました。

その日の天候は小雨。

それほど高くはないけれど見渡す限り穏やかに連なる山に雨雲が
薄く、濃く掛かっていて、空から見る地上の眺め、それはそれは幻想的でした。

「確かにここは、神様が集まる処だわ…」
なんてね、思いながら、私は飛行機の窓から、写真をカシャカシャと撮りました。

少しずつ機体が地上近くに降りてくると、
目に着いたのは、山麓に点在する民家の美しいオレンジ色の屋根、
なんとなく、スペインで見かけるような、そんなイメージと重なりました。

この地方では焼き物に適した土が取れ、作った瓦にも壺にも同じ釉薬をつけ
有名な特産物、石見のやきもの、いわみものができるのだそう。
雨に濡れたせいかオレンジ色の瓦の屋根は、山の緑の中でとても美しく光って見えました。

そして、いよいよもう直ぐ到着する、という時に、今度は違う驚きがありました。

田んぼやオレンジ色の美しい屋根の民家のまさに真上を飛行機は飛びながら、
穴道湖に突き出た滑走路へ降り立ったのです。

ドラマティックな旅の始まりに、私の胸は期待で一杯になったのでございます。

私達の旅は、いつものんびりと進みます。
今回もレンタカーをした後向かったところは、上空からも見ることが出来た、
’木造建築で有名な’ 島根のドームの見物です。
相棒が構造設計家なので、一緒旅にはいつも、建造物の見物がオマケについています。
でも、そういう普通の観光とはちょっと違った旅に、
普通とはちょっと違った面白さが潜んでいるようです。
巨大な建造物をマジマジと見ていると、人工物ではあるのだけれど、
それは大自然にそびえ立つ山を見て畏敬の念を抱く時と同じような気持ちになるのです。
人間の想像力、構築力建築力には誠に頭が下がります。

さて、ドーム見学をして出雲の美味しいお蕎麦を頂いた後、
私達は山奥にある聖地、パワースポットへと出向きました。

車を降りた時には、雨が降っていたのに、だんだんと空が明るくなり、
森の中の美しい川沿いの山道を歩いていたら、太陽が顔を出してくれました。
清涼感あふれる滝を見学した後パワースポットへの長い急な石段を登ります。
汗だくになりハーハー言いながら、滑る急な石段を登って行くと、
大きな岩が重なるようにありました。

そして、その割れ目、狭い狭い隙間は約45cm!を通り抜けると、本殿があるのです。
ひんやりとした、山の中の洞窟にあるような小さな神社は、静かなエネルギーが漂っていて、
何か、他では感じることのない不思議な空気を感じました。

長い石段を降りたところで、90歳代と思われるお婆さんと出会い、言葉を少しかわしました。
別れた後、見ていると、ゆっくりゆっくりと、あの石段を登り始めました。
毎日の日課なのでしょうか?どれだけ時間がかかるのでしょう?…でも、パワースポットです、きっと
どんどん速度が上がって、あっという間にお参りをして降りてきてしまうのでしょう!

私達は、次の日宍道湖岸辺を散歩しながら、寄り道をしながら、松江に行きました。

2015年に日本の国宝に指定された、松江城や明治の文豪小泉八雲、ラフカディオ・ハーンの記念館、
その隣にある旧武家屋敷であった元住居、など松江には興味深い名所が点在しています。
世界を放浪したアイルランド人(母はギリシャ人)の小泉八雲は、
1890年の8月の終わりから翌年の11月まで、1年2ヶ月の短い滞在でしたが、
彼の地を生涯忘れることが出来ない、心の故郷のように感じていたようです。
そして松江の人々も親しみを込めてヘルンさんと呼び、ヘルンさんを今でも町の宝物として
大切にしている様子が伺えました。

私の好きな水の都でもあり、素敵なカフェがあったら…と、思いながら
見つけた松江城のお堀岸にあった一軒で、割子蕎麦、抹茶と和菓子を頂き
私はのんびりと、スケッチをして過ごしました。その後新旧工芸品を扱う、
とても素敵なセレクトショップ
Objectsを訪れ、陶器やアンティックの木彫刻などをいくつか購入したのですが、
Objectsの若いオーナー二人から丁寧な説明を受けながらの買い物は、とても楽しく
二人の器やアンティックの木工芸に対しての愛情も購入した品物と一緒に連れて戻ったような感覚です。
買い物をする楽しさ、というのはこういうことである!と、思わされたObjectsです。
どこの国へ行っても地方都市で、若い人たちが、楽しそうに地元に根付いて働いている姿を見ると、
私はとても嬉しくなってしまいます。
歴史的建造物が多く残っていて、文化の根付く美しい落ち着いた松江がすっかり気に入ってしまいました。

人々がのんびりと楽しげに暮らしているこの町にしばらく滞在したい、と思いながらも、
私達は松江をしばらく探索した後、出雲に戻りました。

3日目、いよいよ出雲大社参拝です。
たくさんある社殿を一つづつ参拝しながらゆっくりと進みました。
日本最大級だという神楽殿のしめなわを真下から見上げたのですが、その質量・質感の美しさに驚きました。
誰が、どんな風に造っているのかと思っていたら、島根県飯南町の人々が造り奉納している、
ということをガイドブックで知ったのですが、私も出来たら一度参加してみたい、と思ってしまいました!
この日、日の当たる場所は、かなり気温が高かったのですけれど、森の中の聖地には、涼しい風が通り抜け
尊厳な社殿の上に巨大な日の丸が風になびいていたのが、とても印象的でした。

大社でのお参りが終わった後、民芸館へ行ったり、ビーチへ行ったり、
江戸時代にタイムトリップしてしまったような石見銀山の武家・町屋ゾーンを散歩したり。
世界100選にも選ばれたという灯台を見たり
大きな隕石が屋根に落ちてきた!という隕石見物に行ったり、鳥取砂丘へ行ったりと
短い間にのんびり呑気な旅をしたわりには、色々なところをみて周ることが出来ました。

初めての山陰地方であり、自然の美しい田舎の景色と神話、歴史、文化を感じることが出来た
島根・鳥取の今回の大冒険は、去年のクリスマスから年末に訪れたイスタンブールの冒険とも
匹敵するほど、感動の連続でした。

見知らぬところをドライブをしていると、思わぬ光景に、
「あっ」と声が出てしまうことがよくあります。
今回も山道を曲がったら、突然広がっていた綺麗な茶畑を目にした時、
こんな山の奥に茶畑があるんだ!と、驚いたり、
松林の真緑の中で真っ赤に燃えるような社殿を見つけた時も、目がその光景に引きつられて
しばらくの間は、赤と緑の世界に頭はグルグルしてしまいました。
空を悠々と舞う鳶を見ると、やっぱり「あっ、鳶!」と言ってしまうし
道路脇にたたずんでこちらをじっと見ている鹿に出会った時なんかも、叫んでしまう。
本のページを捲るように、カーブを曲がるたびに景色が移り変わる、
そんなドライブは、実に楽しく愉快です。

初日に、あの長くて急な石段を登って、岩の隙間から反対側にあった
小さな神社の本殿を見つけた時も、私は相当大きな声を出したと思います。
狭い狭い岩の割れ目を通り抜けたところにそれはある、と知っていても、
それでも「あっ!」と声が出てしまいました。

あの小さくて地味で、まるで岩から生まれ出てきたような神社、実は今回の旅で、
出雲大社よりも、何よりも、それは私の心の奥深くに残りました。

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【きょうのヒント】
今回のカフェのヒントは、もう上に書いていますが、お城のお堀岸にありました。
そして、ヘルンさんの暮らしていた屋敷の反対側です。
二人のおばさんが店番をしていて、とても親切にしてくれました。
お店の中ではなくて、テラスに座っていると、お堀をいく船頭さんガイドの船が通ります。
おばさんたちは、船頭さんと顔見知りなのか、大きな声で挨拶をしていました。

山陰地方は、本当にいいところでした。

【前回のこたえ】
% arabica NISEKO HIRAFU 188 KIOSK
北海道虻田郡倶知安町字山田188−9

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About Author

島田カオル

東京生まれ、ロンドン在住の絵本作家。高校卒業してすぐに渡米。その後、パリ、南仏に暮らし、ロンドンへ。ロンドンでセシルコリン氏に師事、絵や陶芸などを学ぶ。1984年からイギリス人の夫と2人の子供と暮らしながら東京で20年以上イラストレーターとして活躍、その間、「レイジーメイドの不思議な世界」(中経出版)の他、「ある日」「ダダ」「パパのたんじょうび」(架空社)といった絵本を出版。再渡英後はエジンバラに在住後、ロンドンへ。本の表紙、ジャムのラベル、広告、お店の看板絵なども手がけている。現在はロンドンのアトリエに籠って静かに絵を描いたりお話を創る毎日。生み出した代表的なキャラに、レイジーメード、ダイルクロコダイル氏などがいる。あぶそる〜とロンドンにはロンドンのカフェ・イラスト・シリーズを連載。好きなものはお茶、散歩、空想、友達とのお喋り、読書、ワイン、料理、インテリア、自転車、スコーン、海・樹を見ること、旅行、石(特にハート型)、飛行場etc etc...

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