秋の長雨の季節もそろそろ終わり(と思いたい!)、秋の紅葉を見にウエスト・サセックスにあるWakehurst Placeに行ってきました。こちらはナショナル・トラスト(NT)のプロパティですが、サリーにあるキュー・ガーデンでおなじみの王立植物園キューがNTからリースし管理・運営しているガーデンです。ロンドンから車で南に1~1時間半行ったところにあります。
Wakehurst Placeは465エーカーの広大な敷地内に、オーナメンタル・ガーデンやウッドランド、16世紀に建築されたお屋敷、自然保護区、シード・バンクなどがあり、1日ですべてをまわることができないくらい見所満載のガーデンです。特に木に興味のある方、ウッドランドを散策するのが好きな方にはたまらないところだと思います。
ボランティアの方によるフリーガイドツアーに参加するとガーデンの歴史や木々についての興味深い話が伺えます。シーズンごとの見所を中心にガイドしてくださいますが、人数が少ない場合は何が見たいとか好きな植物などを伝えるとある程度ツアーに反映してもらうこともできます。私はずばり紅葉とWakehurst Placeの保有するナショナル・コレクションに認定された木々のコレクションを見たいとお願いしました。
Wakehurst Placeはバーチのナショナル・コレクションを保有しています。白い樹皮が人気の白樺などを含むカバノキ属の木々がずらーっと植えられています。濃い茶色、ピンクっぽい色の幹や、樹皮がめくれるペーパーバークのバーチもありました。冬の緑が少なくなる時期には背景と樹皮のコントラストがはっきりしてさらに美しいそうです。自宅の庭に欲しいのですが、かなり大きく育つので小さい庭には向かないそうで悩み中です。
ウッドランドには植物の自生する地域ごとに植林されている部分があり、世界の森を一周しているような気分に陥ります。プラントハンターが世界中で集めた種から大切に育てられた珍しい木々もあり、貴重な木がどのようにしてこの地にやってきたのかといった説明を聞くのも興味深いです。木々の下にはかわいらしいシクラメンが花を咲かせていました。
敷地の大部分がウッドランドになっていますが、お屋敷周辺にはオーナメンタルなガーデンもあります。紅葉が始まった木々やシュラブの間でお花が咲いていてとてもきれいでした。ヤブランって地味なお花かと思っていましたが、紫がとっても鮮やかだし花がたくさん咲いていて華やかでした。
2000年にオープンしたミレニアム・シード・バンク。文字通り、種の銀行。植物の絶滅を防ぐためにイギリスだけでなく世界中の機関と協力し種子を集めて保管しているそうです。キューの研究者は絶滅しそうな植物の種子を集めるため世界中に飛んで、膨大な日数を費やしてその植物を探し歩くそうです。
敷地内には1590年に建てられたお屋敷の一部が今も残っています。1903年に政治家であり事業家でもあった初代ウェイクハースト男爵がこちらを購入し、33年かけてガーデンを作り上げたそうです。彼の死後、ヘンリー・プライス卿がオーナーとなり園芸に熱心だった奥様と共にさらに素晴らしいガーデンへと発展させたそうです。
お屋敷内ではアート・エキシビジョンが開かれたり、子供たちの作品やキューの取り組みなどに関する展示がされています。通常のNTのプロパティに比べるとお屋敷内で公開されている見所は少ないかもしれませんが、素敵なステンドグラスや木造の階段などがありました。お屋敷の横にはレストランがあっておいしいケーキやお料理が提供されています。ベーカリーもあるので焼きたてのパンをレストランやカフェで楽しむのもいいし、家にもって帰るのもいいですね。
ワイルドフラワー・メドウでは芝刈り機のかわりに羊を使っています。羊が草を食べた後に地面に露出した部分ができるので、きれいに刈られた芝の上よりワイルドフラワーの種子の発芽率があがるそうです。
今年の秋はかなり温暖で紅葉にはいまいちな気候ですが、紅葉以外にもWakehurst Placeにはまだまだ見所があるので続けてご紹介しますね。
ガーデン名 | Wakehurst Place |
最寄り駅 | Haywards Heath |
住所 | Ardingly, West Sussex, RH17 6TN |
営業時間 | 3月~10月 10.00 – 18.00 11月~2月 10.00 – 16.30 |
URL | http://www.kew.org/visit-wakehurst |
注意点 | NT会員の方は入園料無料ですが、駐車場を利用する場合は駐車場代がかかりますのでご注意ください。詳細はこちら |
★情報は2014年10月時点のものです。事前に必ず公式サイトで詳細を確認してからお出かけ下さい。