アンディが新王者に! ジョコはスピリチュアルな世界へ傾倒

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身体を動かすのが気持ちよい、スポーツの秋。とはいえ、テニス競技は今年もすでに終盤です。男子では、2016年の上位8人(手首故障のラファ・ナダルは欠場)が出場し、13日にロンドンで開幕する「ATP ワールドツアー・ファイナルズ」がシーズン最後の戦い。この試合で今年の王者を決めるわけですが、世界ランキングでは、アンディ・マリーがついに世界1位になることが確定! 英国のファンは、喜びもひとしおですね。

現在(執筆時)開催中のマスターズ・パリ大会で、昨日、準決勝まで勝ち進んでいたアンディの対戦相手、カナダ人のミロシュ・ラオニッチが怪我による棄権を試合の直前に発表。その時点で、アンディの獲得するポイントがノヴァク・ジョコヴィッチのポイントを上回ることが判明したのです。ジョコは122週間にわたる王座から陥落。7日に発表されるランキングの1位はアンディです。と、ガーディアン紙電子版がいち早く報道

男子テニス界は、アンディがなかなか勝てなかったジョコの「一強時代」が長く続いたあと、ジョコ同様にパパとなったアンディの強さが安定し、「二強時代」へ。そして、とうとうアンディが悲願の1位を手にしたため、とりわけ英国のテニス好きにとって2016年は、特別な年となりました。お祝いツウィートはテニス仲間のみならず、コールドプレイ(のだれ?)や、スコットランド首相の二コラ・スタージョン氏からも…。

たしかに今年は、アンディの強さには目を見張るものがありました。一方で、ジョコが弱くなっていたのも事実です。グルテンフリー食の提唱者といえども、全仏勝利のあとは肉体的にさまざまな不調を抱えていたのは明らか。そして精神的にも、不調な時期をすごしていたようなのです。いつも冷静沈着なあのジョコが、ラケットを折ったりシャツ(安価なuniqlo 製で、ほっ)を引き裂いたり、敗退に涙を流したり、の脆さを露呈。

プロのテニス界で(どんな世界でも?)王者でいることが、いかに困難かがわかります。わけても、追われる者の精神状態ほど居心地の悪いことはないはずです。そこでジョコは精神的な「愛と平和」をえるために、最近はスピリチュアルな世界に傾倒し、師と仰ぐグルが試合に帯同しているそう(それで、決勝戦で錦織圭に勝ったトロントの大会で、会場の観衆にも隣同士で「ハグ」を「シェア」してほしいと呼びかけたのか!)。

心を清らかで穏やかにするスピリチュアルなプラクティスを、決して好奇な眼で見てはいけません。いいことです。でも、アンディが世界1位の射程距離に入ったころからジョコの奇行(いいすぎ?)ぶりはタブロイド紙にとって格好のネタとみえ、こんな記事になったりで、彼の精神面でのトラブルがここにきて公になってきています。そこいくとアンディは絶えず爆発してるしノンシャランとしているから、メンタルは強いかも?

いずれにせよ、勝負の世界でいつも勝つのは、肉体的にも精神的にも大変なこと。とくにテニスはツアーの試合数が多く、トップ選手の故障がとみに目立ちます。フェデラーしかり、選手の競技生活寿命は昔と比べれば延びてはいるものの、ATP は試合数を減らしてあげてもいいんじゃない、と思うのですけどね~。ま、とにかく、(わたしはあの辛口のジョークがファンの)アンディ・マリー選手、1位確定おめでとうございます!

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About Author

京都東山の生まれ。19歳から雑誌の仕事(編集者/スタイリスト/コーディネーター/ライター)に携わる。英国では、憧れのフローリストの下での花修行や、尊敬するアーティストが学んだカレッジで現代アートを勉強し、通算11年間のロンドンライフをエンジョイした。オーサカン(大阪人)となった今も、“心”はロンドナー。変わらぬ日課として読むUK のオンライン新聞から、旬なニュースをあぶそる~とロンドンのためにピックアップ。帰国後は本の翻訳を手がけ、この5月に『ヴェネツィアのチャイナローズ』(原書房)、2014年7月に『使用人が見た英国の二〇世紀』(原書房)、ほかを上梓。ロンドンで目覚めた世界の家庭料理チャレンジ&花を愛でる趣味ブログserendipity blogは、開設して11年目に突入。

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