本田選手から狂い咲きの桜まで、英紙がピックアップした日本の話題

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ガーディアン(愛紙❤)に目をとおしているとき(というか、オンラインでブラウジング)、ニッポンについて書かれた記事がどうしても目を引きます。英国人が、日本のどんなことをどう話題にしたいのか?そこが大いに気になるのです。たとえば、きのう(17日)はフットボール選手の本田圭佑の名前が見出しにあり、何が書いてあるのか興味をひきました。記事があったのは、スポーツページの「こんなこと知ってる?」みたいなコーナーなのですが、カンボジア代表チームの監督兼GMに就任しながらオーストラリアのメルボルン・ヴィクトリーFCに移籍し、現役の選手生活も続行する彼が、特殊な例なのかそれとも前例があるか?という記事。で、過去に似た実例はあったものの、外国の代表チームの監督と選手のかけもちは、本田選手が初めてなのだそうですよ~。

そしてきょうは? 秋なのに日本の各地でソメイヨシノが咲いている!という話題です。青空に映える富士山を背景に満開の桜の枝を捉えた、いかにも~という写真が添えられた記事は、10月14日現在で日本全国から350件もの桜の開花情報が寄せられている、と伝えた「ウェザーニュース」やNHKのニュースを引用。このいわゆる「狂い咲き」は、台風の影響などで葉が落ちてしまったために、花を咲かせるホルモンが作用してしまったのが原因のよう。お花見なしには春が来ない日本人の心配を察し、「来春のお花見には支障ないでしょう」と言う樹木医のコメントも紹介してます。来春、桜を目当てにニッポンを訪れる予定の英国人も、どうぞご安心を!ということなのでしょう。

そう、ガーディアンの旅行関連の記事では、食のトピックとならびニッポンは常連です。ひと時代前は、カプセルホテルだのロボット応対のホテルだの「奇異」な話題ばかりが目立っていたものの、ホリデー先に日本を選ぶ英国人の増加で、ストレートな観光情報が増えてきたのは双方にとっても好いこと。ですよね? 事実、空前のホテル建築ラッシュの京都にオープンしたばかりの「あちこちに分散したホテル」、ENSO ANGO が、きょうのガーディアンで紹介されていました。「完成形のないホテル」が売り文句のようですが、要するに、古都の街中ではホテルを建てられるだけの広い土地を新たに確保するなど至難の業なわけ。ただ、記事によると「分散型ホテル」は新しいコンセプトではなく、イタリアで発展したのだそうです。

以上のような、英国人が気になることに誇らしい気持ちにならないこともない記事が目を引くいっぽうで、実のところは、誇らしくない記事のほうが大半を占めているのが現実です。きょうは、大地震の際の免振装置ダンパーの、検査データ改ざんが記事に…。基準を満たしてないダンパーと同じ製品が使用されている建物には、スカイツリーをはじめ、東京五輪に向けて現在建築中のアクアティクスセンターも含まれているのだとか。恐ろしい~!! 最近の日本は、大企業のデータ改ざんや偽装が一条茶飯事で行われ、どっかの大国のだれかさんが悪いお手本になってるおかげで、政府も官庁も堂々と嘘をつくようになってしまっていて、嗚呼、嘆かわしい。

じつは、一時帰国中で、ニッポンの美しい秋を満喫されてる「あぶロン編集長」と久しぶりにお会いしたばかりなので、こじつけて今回は日本を話題にしてみました。それにしても、トランプ時代のメディアは、報道機関としての信頼度がつねに試されています。けど、内容によっては、日本のどの新聞よりもガーディアン(&ニューヨークタイムズ)のほうが世界の情報が速く入手できるだけでなく、日本では報道されないこと、ときとしては日本国内のことでもより詳しく伝えている場合があるので、やっぱり読まずにはおれません。読んでいると(ひとつの記事が日本の記事よりずっと長く濃いうえに、英語だと日本語よりも時間がかかる)、どんどん時間が経ってしまうのが困りものですが、個人的にも、あぶロンでも、あたくしのメディア・フープラはつづきます…✌

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About Author

京都東山の生まれ。19歳から雑誌の仕事(編集者/スタイリスト/コーディネーター/ライター)に携わる。英国では、憧れのフローリストの下での花修行や、尊敬するアーティストが学んだカレッジで現代アートを勉強し、通算11年間のロンドンライフをエンジョイした。オーサカン(大阪人)となった今も、“心”はロンドナー。変わらぬ日課として読むUK のオンライン新聞から、旬なニュースをあぶそる~とロンドンのためにピックアップ。帰国後は本の翻訳を手がけ、この5月に『ヴェネツィアのチャイナローズ』(原書房)、2014年7月に『使用人が見た英国の二〇世紀』(原書房)、ほかを上梓。ロンドンで目覚めた世界の家庭料理チャレンジ&花を愛でる趣味ブログserendipity blogは、開設して11年目に突入。

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