写真が好きです。撮るのも好きだし見るのも好き。(撮られるのは苦手。)
なかでも夢のあるファッションフォトと、ヒトが見えるポートレートは格別。
仕事でいちばん楽しいのも、撮影と写真をセレクトする時間です。
そんなわけで、今日はおすすめのフォトエキシビジョンを紹介します。
National Portrait Galleryで毎年開催される「TAYLOR WESSING PHOTOGRAPHIC PORTRAIT PRIZE」。
文字通りポートレートのコンペティションで、その入賞作品展示なのですが、これがここ近年の冬の楽しみ。
街中にもよくポスターがあるので、これ ↓ 見憶えのある方も多いのでは?
このエキシビジョンの魅力は、いろんな国といろんな被写体と、いろんな写真家の視点が一気に見られるところ。ちょっと大げさに言うと、世界を見るような面白さというのかな。
撮られた場所も違えば、人種も年齢も違って、テイストもユーモラスなものから悲哀を含んだものまで、とにかくいろんな人々の顔、顔、顔。
さらに傍にある作品解説を読むと、フォトグラファーがなぜこの写真を撮るに至ったかが分かります。
一枚の写真から撮る側、撮られる側それぞれのストーリーが見えるから、より深く見入ってしまう。そう、ドキュメンタリーなんですよね。バックグラウンドや被写体の気持ちを想像させられて、コンパクトな会場ながらなかなか長居してしまうのです。
個人的に好きだったものをいくつか。
子どもたちのパーフェクトに自然な瞬間と、悲しみと笑いが混じった母親の記録、一期一会な人々の定点観測、バングラディシュの少女たち。
写真のディテールや具体的なストーリーはぜひ会場で見てみてください。
ちなみに、普段いろんなフォトグラファーと仕事をしていて感じるのですが、写真ってほんとうに、その人を写すものなんです。撮られる側よりも、「撮る人」を。たとえ同じものを撮っても、同じテクニックを使っても、誰が撮るかによって写りがぜんぜん違うから不思議なもので。
のびのびした少年たちの姿が撮れるのは、人をのびのびさせる空気を持った写真家だろうし、
何を被写体に選ぶかには、写真家の興味が反映されるし、
被写体との距離感から、人懐っこいかシャイかもなんとなくわかる。
そういえば、おちゃらけた人なのに、写真はものすごくダーク! なんて意外性を見たこともあったな。笑
カッコよく撮れているけど、何も感じるものがなかったり、
逆になんてことないスナップだけど、なんだかジンときたり。
そんなふうに、撮る人のパーソナリティや価値観を感じられるのも、写真の面白さのひとつではないかなぁと思っています。
展示は2月16日までなので、お早めに!
NATIONAL PORTRAIT GALLERY
https://www.npg.org.uk/whatson/taylor-wessing-photographic-portrait-prize-2019/exhibition/