オファーをもらった次の日、大陸出身のミスターCから早速呼び出しがかかった。
「明日、必要書類を揃えて12時に持って来てもらえますか?」
次の日、いろいろな書類を揃えてお昼頃学校に向かった。キッチンがある学校の裏口のドアをノックすると・・・
「やぁ!お昼ご飯はもう食べたかな?食べてなかったら一緒にいかがかな? どうぞ好きなものを選んで」ドアを開けるなりミスターCがことのほかフレンドリーに出迎えてくれた。
中へ通され、サンドイッチ類が並ぶところへ。面食らいながらもすかさずスモークサーモン&クリームチーズ・サンドを選ぶと、別の場所へ連れていかれた。
そこはどうもこの学校の食堂らしかった。長テーブルが並べられ、昼には子供達がワイワイ食事をする場所だ。そこには7〜8人の女性スタッフが座っていて、みんなそれぞれ昼食をとっている。
するとミスターCからいきなり「みなさん、彼女が今度から一緒に働くなぽりんさんです」と、紹介された。これから一緒に働くことになる同僚だが、唐突な初顔合わせでよろしくお願いします的な英語を思いだせず。とりあえず「ハーイ、ナイストゥー ミーチュー」と言って微笑んでおいた。しかし彼女たちの反応は、ほとんどこちらを一瞥するかしないかで・・・
「ハーイ」・・・
ん、それだけ?もっとなんかしゃべりかけたりしないの?
新しい同僚にはほとんど無関心で、愛想笑顔もふりまかない。と思ったら、みんなおしゃべりと携帯ゲームに夢中なのであった。
とりあえず黙々とサンドイッチを食べ上げ、ミスターCに連れられ事務所に移動。担当の女性とともに書類手続きにのぞむ。年金のこと、車の保健のこと、その他諸々。
「このDBSチェック※が通ればすぐ仕事を始められるわよ!」
ちょこっとバイトでも、と思って応募した仕事だが、さすが公共の学校、何もかもが正規の手続きを踏まなくてはならず予想外である。
最後に仕事を始める上で必要なノウハウ的な本と、衛生管理者の心得のテキスト等が入った分厚い封筒を渡された。
「州が定めた就労者の決まりごとが書いてある本には、全部目を通して置いてね。それから仕事始めの日に、この衛生管理のQ&Aテキストを全部終えてマネージャーに提出して」
マジ?いきなり衛生管理者の心得とか就労者の決めごととか勉強するの?しかも英語で・・・
そんなことより何より、この日のスタッフとの初顔合わせが、なぽりんにとっては衝撃的であった。想像と少し違っていたというか何というか・・・彼女たち、なかなかのガテン系なのである。
彼女達がしゃべってた英語も、私がいつも聞いている一般的な英語と少し違うような・・・。日本で言えば昔の下町なまり?べらんめぇ? ともかく外国人にあまり馴染みがない英語なのである。
『ちょっとちょっと、大丈夫、私?』
何やら一抹の不安を胸に抱きながら、その場を後にしたなぽりんであった。
(つづく)
※DBSチェック(犯罪履歴のチェック 通常1週間から10日で結果がでる。学校等でボランティアする時にもこのチェックが必要)
2件のコメント
ユカさん、ありがとうございます。
5年間ってすごいですね。すでにベテランの域では?
これからいろんなキャラクター登場いたします。お楽しみに!
はじめまして、はじめて仕事をゲットして手探りで仕事をし始めた時の事を思い出しました。
あれから5年、今でも戸惑うことも多いですが楽しく勤めています。
イラスト付きで楽しく読ませていただきました^ ^