飲料を並べた後、ミスターCから洗い物の作業を説明された。
大きく深い流し台があり、金物類を全てここで手洗いする決まりになっている。皿や陶器、フォークやナイフ類はどでかい食器洗浄で一気に洗う。といっても量が量だけに次々出し入れしなくてはならないが。
とにかく今日はこの流し台でしばらく洗い物に専念。洗えばいいだけなので簡単!と思いきや、何やら色々と約束事があるらしい。
まず、流し台は洗剤を少し入れた後、お湯をためて泡泡にする。油がついたトレイなどが多いのでわりと熱めのお湯で洗う。使用後の鍋やトレイはそのシンクに次々に溜まっていくので、それを次々に洗ってふきんを敷いた横のスペースに立て掛けていくのである。洗われたものを次々に拭いて元の場所に戻す作業もある。
ミスターCが洗い物をしているスタッフに、「今日はなぽりんさんに洗い物の要領を教えてくださいね」と言い残してその場を去っていった。何もかも初めてなので全て一から習う必要がある。
洗い物はさほど難しくはない。シンクにある洗い物を全て洗いあげればいいのだから。そして、その女性スタッフからの手ほどきを見ていてやはりと思ったことが・・・
「この(泡ブクブクの)お湯の中で金タワシやふきんで洗って、サッとここに立て掛けるのよ! 洗ったらこのふきんで拭き取って、元の場所にもどすのよ」
やっぱり、やっぱりなのだ。欧米に暮らしている人ならお気付きであろう。そうなんです、すすがないんです。泡ブクブクのまま出して、あとは拭くだけ。
なぽりんもこっちの暮らしに慣れているのでさほど驚かないが、初めて見たときはかなりショックだった。しかし慣れとは恐ろしいものでだんだん気にならなくなるもの。もちろん自宅では必ずすすぎ洗いをする。だって、体に悪そうだから。
そして次の手ほどきは・・・
「あまり汚れてないものはこうよ!」
ザブッと浸けて出す。これだけ。
日本社会で生きてきた自分はもう捨てよう!と思う瞬間であった。
油汚れはこれくらいじゃ落ちないのでヌルヌルしているが、余程でない限り気にしない。かなり熱めのお湯の中で洗っているので油は気分的には落ちている、と言うことにしておこう。
適当にやってるわけではなく、この国ではあまり細かいことは気にしないのである。
神経が細やかな日本人の方々にとっては我慢ならないこと満載かもしれない。しかし、そうでない人にとっては心地よい国。それがイギリス。
さあ、気張らず明日もがんばろ。
つづく
4件のコメント
SERENDIPITYさん、ありがとうございます。
家事ハラ、最近よく聞きます。日本の奥様方にイギリスの緩さを知ってもらい、
少々の事は多めに見てもらいましょう!!
なぽりんさま
わかりますわかります!
大昔、現地校へ通っていた娘の学校行事で(運動会だったかな)、
(観戦する父母や先生に出した)紅茶のカップの洗い物のお手伝いをしているお母さん方が、
食器をすすがないことに大ショックを受けました。
いまも、変わってないんですね~というわけで、さらにショック。
じつは、こんな話を聞いたことがあります。
英国人が洗い物でリンスしないその理由は(嘘か真かは不明ながら)、
洗剤がついているほうが、お皿をふいたときに艶が出るからなんですって!
先日、息子(英国では日本人学校に通っていた)が滞在したさいに、
「うちで家事ハラ受けてる」と愚痴るので、その話をすると、
「お、それ、使えるっ!」と喜んで帰っていきました。
奥さんにご飯を作ってもらったら、かならず洗い物をする息子は(日本でも、ややふつうにありつつある)、
洗ったお皿にまだ洗剤が残っているかどうかの奥さんのチェックで、
よくダメ!が出て、やり直しをさせられるんだそうです(こういうのが「家事ハラスメント」…最近多いらしい)。
ま、日本人には通る理由ではなさそうですけど、英国人なら、なんか、わかる気がしませんか?
でも、その、お皿を磨く布巾がね~、汚れた手もそれで拭いてたりして…
やっぱり、衛生観念が、違うんですよね(そのくせ、漂白剤を大量に使いたがるきらいあり?)。
ともかく、dinner lady のお仕事、ショックにメゲズ、ガンバッテ!
ユカさん、ありがとうございます。うちの主人は日本式ですすぐ人になってます。でも、こんな事この国では話題にはなりませんよね!?
毎度失礼いたしますm(_ _)m
うちの主人もブクブク泡の中で洗って取り出して立てかけて、、と言うパターンです。
主人が洗い物をしてくれる時は目をつむります。私はもちろん日本式。
これがまさに郷に入れば郷に従えですね。