テニスとファッションとスポンサーのせめぎ合い

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プロのテニス選手のコートでのファッション、気になりませんか? もちろん、手に汗握る試合運びにも一喜一憂しますが、わたしはいつも、テニス選手のファッションがやけに気になるんです。先日も、全仏オープンで初優勝したヴァヴリンカ選手がはいていたピンクのチェック柄のショーツには、目が点…だったのは、どうやらわたしだけではなかったらしく、ツイッタラーティたちの、恰好の話題になっていたようですね。

あんなパジャマみたいな(失礼!)のショーツを、いったいどこが作ったんだろ、とスポンサーが気になって調べてみると、あら、日本のYONEX(でも、彼のための特別デザインだそうですよ)。じつは、早くからこのショーツに注目していたのが、デイリー・メール紙でした。さすがですな。その、人目を引いたパジャマパンツ効果のおかげか、今回の全仏オープンは、いつも以上にアウトフィットが注目された感があります。

英メディアではここ、米メディアではここが、ファッションに関する面白い記事を書いています。個人的には、錦織選手(ファン!)とジョコヴィッチ選手のUNIQLOは、う~ん、ダサさと紙一重の色のセンスが裏目に出てる?という気が。ベルディハ選手のH&Mも、どうも…。わたしの「勝手にランキング」では、トップはフェデラー選手かしらん。長髪だったころのイメージを打ち消すほど、NIKEの色の組み合わせはシックです。

長髪にバンダナといえば、ランクを下げているナダル選手も、ずっとNIKEがスポンサー。全仏オープンでは、青装束で登場しました(「スマーフみたい」という声も)。やっぱり靴まで揃うNIKEは、コーディネート力が強い! そしてNIKEはルックス重視ですからね、若手有望株でイケメンのディミトロフ選手を看板に起用。あ、話を全仏に戻すと、モンフィス選手(超大足!)が着用していたASICS、なかなかよいデザインだと思いました。

で、ついでというか(笑)、アンディ・マリー選手のウェアの情報は、こちらの英メディアで知りました。なんでも彼は、ADIDASからUNDER ARMOURにスポンサー契約を変更したんだそう(アンディは好みが頑固なのか、スポンサーが変わってもデザイン傾向は変化なし)。最近のプロテニス界には、コリッチ選手のような美男子がいたりと、ついつい男子に目がいきがちですが、もちろん、女子のアウトフィットも話題が豊富!

全仏では、シャラポワ選手の、ボーダー柄とプリーツスコートのフレンチマリーンなウェア、可愛かったですよね? 惜しいところまでいったイヴァノヴィッチ選手のリトルブラックドレス風ウェアは、ADIDASの提供でした。デザインは山本耀司、と聞いて納得? ウィリアムズ姉妹は、いつも体格のほうに圧倒されてウェアの印象がかすみがちではあるものの、ヴィーナス自身がデザインしたEleVenの紫の花柄は、けっこう可愛かったかも。

昔は白一色だったテニスウェア、21世紀はほんとうに花盛りです。スポーツ選手はスポンサーが必要だし、スポーツメーカーは世界で活躍する広告塔が欲しいし、ウィンウィンの関係、なのでしょうね。さて、1877年に初めて開催され、いまだ「白いアウトフィットのみ着用」(各社デザイン力の見せどころの白一色も、見ごたえがあって好き)のルールを課す、伝統と格式を誇るウィンブルドン選手権の開幕はもうすぐ。待ちきれません!

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About Author

京都東山の生まれ。19歳から雑誌の仕事(編集者/スタイリスト/コーディネーター/ライター)に携わる。英国では、憧れのフローリストの下での花修行や、尊敬するアーティストが学んだカレッジで現代アートを勉強し、通算11年間のロンドンライフをエンジョイした。オーサカン(大阪人)となった今も、“心”はロンドナー。変わらぬ日課として読むUK のオンライン新聞から、旬なニュースをあぶそる~とロンドンのためにピックアップ。帰国後は本の翻訳を手がけ、この5月に『ヴェネツィアのチャイナローズ』(原書房)、2014年7月に『使用人が見た英国の二〇世紀』(原書房)、ほかを上梓。ロンドンで目覚めた世界の家庭料理チャレンジ&花を愛でる趣味ブログserendipity blogは、開設して11年目に突入。

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