同じ焼き菓子でも作り手によって、見た目や色、味さえも変わってしまいます。
作られる国、風土、作り手を取り巻く環境もまた大きく影響していることでしょう。
ただ変わらないのは、焼き菓子を作り続けるその人の思いのみかもしれません、
長野県信濃町を拠点に各地の取扱店さんへスコーンをお届けしている、tohe (トーエ) 柴田 奈穂子さん。
私が知るSNSの中での彼女は、移り変わる北信州の季節を印象的に届けてくれます。
白樺とまじり合い咲き誇る桜の姿。
何本も生い茂る大きな木々と鳥の声。
雪深い朝の庭に見る小さな足跡の森の訪問者。
ちょうど今の季節は、秋色のグラデーションに染まる様がとても綺麗な頃でしょう。
常に自然と共生し合う静かな場所で、ものを作ることに向き合う時間。
彼女の焼き菓子に、雪景色を目にしたあのなんとも言えない静かな美しさを感じていました。
そのスコーンとの出会いは旅先で実現することになりました。
雪色に包まれた4種類の天然酵母スコーンが店頭に並びます。
3枚に重なった四角いスコーンです。
プレーン
ショコラ
栗の渋皮煮
林檎
「美しい」 この一言に尽きます。
ぎゅっと凝縮された彼女の思いをじっくりかみしめるごとに、北信州の季節を感じます。
tohe (トーエ)原点の味「プレーン」
口いっぱいに堪能できる「ショコラ」
ポピーシードのつぶつぶ食感と、ほっくりとした甘みの「栗の渋皮煮」
シナモン香るアップルパイのような味わい「林檎」
白い外包みを広げると、その中でもう一枚透明の包みに包まれています。その透明の包み方の、それはそれは美しいこと。すべての作業を一人で行っているためなかなか多くの数を生産することができませんが、その手作業にどれほどの思いが込められているか、今回初めて手に取り、口に運び、少しわかったような気がしたのです。焦らず、気長に待ち、とてもいいタイミングで巡り会えたtohe (トーエ)さんのスコーンでした。
「食べてくれる人が、その時どんなに気分が落ち込んでいたとしても、その時だけは幸福感を得られるように」
そんな彼女の思いが、いつか皆様ひとりひとりに届きますように。
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【 tohe (トーエ) 】柴田 奈穂子さん
Instagram
スコーンの詰め合わせを定期的にエンベロープオンラインショップで販売。詳細はSNSにて。