まごころ紅茶と焼き菓子@仙台・ハムステッドティールーム

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一年を通して日本各地で開催されている英国展。デパートの催事に殆ど行かなかった私は、英国展という言葉さえも知りませんでした。

2019年秋にスタートしたこのコラムの連載1本目が、日本橋三越さんの英国展のお話でした。初めて足を運んだ英国展。一番驚いたのは初日開店前からすでに長蛇の列だということです。二日間デパートに通ってみましたが、その勢いは日増しにエスカレートしていきます。英国展はこんなにも大人気なのだと、このとき生まれて初めて知りました。

催事場の目に見えるもの聞くもの全てが初体験。その時に学んだことは「予習をする必要があるかも」ということでした。ただ開店前に行って並ぶだけではもう出遅れていると感じたのです。

オンラインで購入できるものや、予約できるティールームは手配(いや、もうすでに皆さんご存知でしょうが…)しておくことをお勧めします。お目当てのものを手に入れるためには、開店直後から催事場までの最短距離(危ないので皆さん走ってはいませんが、若干早歩きでした)はもちろん、お店巡りを頭の中で予行演習しているお客さんがたくさんいらっしゃることです。

英国展の楽しみの一つは、日頃買うことができない遠方のお店のものに出会えることです。なんと、遥か海の向こうイギリスから、はるばる東京へ来ているお店もあるんだとただただ驚くばかりでした。

その中で遠く宮城・仙台からいくつかのティールームが出店していました。「遠方から大変だな〜」それが私の正直な感想でした。移動距離に加え、滞在場所、慣れぬ設備でのお菓子作りは大変ではありませんか。それでもこの日にしか出会えぬその店の英国菓子を楽しみに来店するお客さんにとっては、指折り数えて待ち続けた特別な日。仙台では会えないお客さんの「ありがとう」の生の声が、きっと出店者さんの原動力になっているのでしょう。

いつか仙台に行く機会があれば、必ず今回のティールームに立ち寄ろう。そうぼんやりと心に決めたことを覚えています。それから3年が経ちました。ある時「新幹線+宿泊パック」のJRセットプランを何気に見ていると、仙台行きのお手頃価格に目が留まり、同時に3年前の英国展の記憶が蘇ったのです。「よし、仙台に行くのは今だ!」

9月もそろそろ終わりという頃、念願の仙台ティールーム旅行が実現しました。

仙台の中心部、青葉区一番町にある「ハムステッドティールーム」さん。ハムステッドとはロンドン北部にある地区で、多くの芸術家たちから長年にわたり愛されてきた閑静な住宅地です。また広大な公園ハムステッド・ヒースがあり、自然と美しさを兼ね添えた場所でもあります。その地に想いを馳せながらティールームの扉を開けてみました。

賑やかな通りに掲げられたユニオンジャックの建物の3階にティールームがありました。扉の向こうは市街地だということをを忘れてしまうようなボタニカルな空間。ユニオンジャックのガーランドにクッション。ウィリアム・モリスがデザインしたクリサンセマムの壁紙に囲まれたアンティークの家具が、温もりあるシャンデリアに包まれています。テーブルクロスを前に、とびきりお洒落なレースのドレスを着たテディベアも座っていますね。

この看板が目印です🇬🇧

紅茶専門店だけに、取り扱う紅茶は40種類以上もあります。
日本紅茶協会認定ティーインストラクターの資格を持つオーナー兼店長である 平中直美さん。ロンドンにホームステイしながらイギリス各地のティールームを巡り、イギリスの紅茶文化を学びました。帰国後、仙台市内のティールームに勤務する傍ら、インド紅茶文化やティールーム営業を勉強。再度渡英し、アンティーク、アフタヌーンティー文化を学び、2011年東日本震災直後にハムステッドティールームをオープンしました。

ティールームのお客様がこしらえたエリザベス女王。扉を開けると真正面で私たちを迎えてくれます♪

「イギリスらしい、紅茶のある時間を楽しんでほしい」と、丁寧に淹れた紅茶とともに心のこもった焼き菓子で、私達をもてなしてくれます。

夕日が差し込む時間帯のステンドガラスが素敵です。

早速、予約不要のアフタヌーンティーBセット(サンドイッチ、スコーン、ケーキ、お好みポット紅茶 / 税込2,145円)をお願いしました。こちらのBセットの注文は11時30分からとなります(オープンは11時)。
またお子様と一緒にティータイムを楽しみたい方にはチルドレンメニューもあります。日によって内容が異なりますが、ミルクティーと焼き菓子を提供しています。

ポットで登場したディンブラ ホーリールード茶園2022年。ミルクティーが飲みたいとリクエストしたら、スタッフさんがお勧めしてくれた爽やかな渋みの紅茶。明るい赤い水色がさらに上品な香りを印象付けます。

大ぶりなカントリーサイド風のスコーンは、風味が強く、周囲はザクッと、中はほろほろ食感です。自家製のりんごジャムとクロテッドクリームをたっぷりつけました。スコーンと紅茶の香りが店内に広がります。

クレソンと卵。そして寒くなってくると食べたくなるツナと英国産チェダーチーズのホットサンドです。カレー風味のパウダーと自家製マヨネーズが隠し味!リッチで贅沢な味わいです。

何が入っているのか考えながら食べてみるのも面白いですね♪

ティールームではお客様の体を第一に考え、脂肪につながるカロリーではなく、健康な身体を作るためのエネルギーに帰れるようなケーキを用意しています。添加物など体に必要のないものは使用せず、こだわりの材料で作る美味しい身体に良いケーキです。

しっとり味の大人気のキャロットケーキ。ドライフルーツとナッツ類で作る自家製のスパイス漬けを約半年熟成させ、細かく刻んだものが入っています。それがプチプチ食感となって美味しさ膨らみ、ぼそぼそすることなく、軽くお腹を満たしてくれました。

私が座った席からは小さなキッチンが見えました。明日のチェダーチーズのサンドイッチの仕込みでしょうか。その仕込み作業を私はずっと眺めていました。まるで我が家のキッチンが引越してきたかのよう。ここから生まれる焼き菓子の味はあたたかく、私たちにまた来てみたいと思わせるのかもしれません。

壁を彩るミラーは 平中さんご自身がイギリスで買い付けたもの。たくさんのティーセットもイギリス各地で揃えたものばかりです。ここ数年は買い付けに行くことができなかった分、日々お菓子の研究を重ねてきました。この街に暮らす人々の日常に「ささやかであっても、なくてはならない時間」を温かい紅茶と焼き菓子で楽しんでもらうために。

すっかり居心地が良くなってアンティークな時計を見たらもう5時半!

ただいま冬季限定のハニーマシュマロミルクティーと、ホリデーシーズン限定のイチゴのハニーマシュマロスコーンが登場しました!

遠くイギリス、ハムステッドの風を感じながら、ハムステッドティールームで過ごすひとときが、日常のなかのちょっとした特別な時間になりますように。

ロンドン、ハムステッド・ヒースの丘の上に立つケンウッド・ハウス。映画「ノッティングヒルの恋人」のロケ地。

 

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【ハムステッドティールーム】Hampstead Tea Room  仙台の ” 英国紅茶専門店 ”
〒980-0811 仙台市青葉区一番町3-8-24 シャルムビル3F
最寄駅:広瀬通駅の西口より徒歩2分、青葉通一番町駅北口より徒歩2分 / 駐車場なし
営業時間:11:00~18:30(L.O.18:00)
☎︎ 022-711-7888 (お問合せ・ご予約 )
予約:アフタヌーンティーセットAは、3日以前、お二人様以上で御予約可能(現在お休み中)
アフタヌーンティーセットBは、毎日11時30分以降、お一人様以上でもご予約可能
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兵庫県伊丹市出身。東京都在住。主婦時々パートタイムジョブをこなす。子育て期をニューヨーク、ロンドンにて駐在生活を送る。思いつきのその日決めで行動する一匹オオカミ派。『成るように成る』をモットーに今世を生きる。水泳・ジョギング・登山・ウクレレ・映画・ライヴ鑑賞・奉仕活動と未知なる自分を今後も探求し続ける。Instagram: @n_amihey

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