042 | コロナとわたしたちの健康

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今号では、前号に続く内容をと準備を進めていたのですが、予定を変更して現在の状況とも深く関係のある、健康とその周りにあることについてのコメンタリーに切り替えることにしました。ということで、前号からさらに間隔が開いてしまいますが、EMFについての続編は次回のお届けになりそうです。

世界に共通する状況とは?

現在、世界を不安の波に飲み込んでいる、新型コロナウイルス。パンデミックとなって感染を広げ、世界各地でロックダウンが相次ぎました。殺菌や手洗いに始まり、不要な外出の自粛に至るなど、現状を乗り切るための水際対策は当然必要です。しかしながら、この状況の周りや裏にあるものが見ながら、今から今後に向け最も重要なことは何なのか?と考えさせられ、以下をみなさんと共有することにしました。

世界に共通する大きな問題は、わたしたちの免疫力などを飛び越えて、それを左右する環境の状態にあります。コロナ感染によって打撃を受けている理由には、人間が弱くなってきていることも含まれます(例えば、持病持ち人口増加、病気で長寿の高齢者層、平均寿命が短くなっている今の子どもたちなど)。これは一見関係がないように見えても、大きな規模では、自然体系を包括する地球の健康状態とは切り離せない関係にあります。環境や汚染の問題に対して真剣に取り組む人や企業が増えている一方で、反対方向に向かう企業や業種もたくさん存在し、一般消費者層ではこれらを無意識のうちに支持する仕組みとなっています。多くのことは経済力で動くため、問題が明らかであっても大きな利益を生じる場合には、即問題解決というわけにはいきません。企業は利益があって成り立つものなので、ある意味当然のことです。コロナ感染とは一体どういう関係?と思われるのでしょうが、このような図式を土台に各種のパーツを並べると、すべてが複雑に重なり合って「弱くならざるを得ない状況」が浮き彫りになります。弱くなれば、抵抗力も落ちてウイルス感染に限らず各種の問題が生じます。
(それぞれのパーツに関しては、引き続きトピック別に少しずつ取り上げますね。)

何が必要とされているのか

いかなることでも、 困った時に全く備えがなければ、対応に無理や限界が生じてしまいます。反対に、日頃の気配りが、非常事態にはシールドとなって保護してくれるともいえます。

今のわたしたちに必要なのは、コマーシャル的な「これさえあれば!」というような、商品ではありません。もちろん、これらを否定するわけでもありません。業界内では、この状況下で「スーパー・サプリメント」や「スーパー・フード」の売り込みに熱心な人が多く、問題の核となる基本的なことや、その全体像について触れる人がほとんどいないことに気づきました。そしてその答えは、巨額をつぎ込んで開発され、さらなる巨額を生み出すワクチンでもないのです。むしろ、当たり前すぎてがっかりされるようなことです。例えば、建物の基礎部分がしっかりしていなければ、その上に安定した丈夫な家を建てることはできません。現在の状況に置き換えるなら、基本的なことがクリアできていない場合、「スーパー・サプリメント」はさておき、まず基本の強化が土台となります。すなわち、心身ともにより健康でいること。具体的には、快眠・快食・快便に加えて、適度な運動や各種の負担軽減となるアクティビティを定期的に取り入れることです。理想に近づく、または良好な状態を維持するには、日々の気配りを要します。望む結果が即得られる類のことではないため、無意識のうちにインスタントなものに手を伸ばし、本当に必要とされていることを放棄している人が多いのではないでしょうか。

もし毎日無意識のうちに、加工食品や砂糖たっぷりのおやつを食べていたり、ワイヤレス・ネットワークに長時間接続していたり、自然界に存在しないものに囲まれて暮らしていたり、また心の平穏が保てず精神的なストレスのスイッチが入ったままなら、どうでしょう? これらは全て負担となるため、表向きには病気がなくても、体内では現状維持が最優先となって、修復や再生が後回しになります。もちろん、シールドどころではありません。もし、からだへの負担を慢性化させているなら、それを改善してパワーアップすることが先決ですが、無理なくできることから始めて、生活全体とのバランスを見ることも大切です。仮に問題が生じた際には、ダメージを最小限に抑えて効率よく回復を促すなど、日頃からの積み重ねが真の力となってあなたをサポートするでしょう。

一つでも多く健康を選ぶ買い物を。

残念ながら、わたしたちの多くは、簡単に理想的な健康が手に入らない環境に暮しているといえます。その環境下で無意識の選択による生活を送れば、どんどん弱くなっても、丈夫になることはまずありません。今回のようなことが、今後さらに難しい状況でやってくることも大いに考えられます。ですので、特に慢性化している病気や症状(=慢性的に存在する負担)をお持ちの方には、年齢に関わらず、できる範囲で基礎体力の強化や心身ともの負担軽減に取り組むことを強くお勧めします。さらには、原因を探し当てて問題の根源から改善するのが理想的だと思います。

*前述の基本中の基本をマスターすることが、健康の基礎部分を作ります。個人向けの強化内容は、その人の性格や体質に加え、強化したい部分によって大きく異なるので、過去の記事からアイデアを得てくださいね。

不安の渦に巻き込まれるかは、わたしたちが選んで決めること

コロナ感染の拡大で、一部の人たちがパニックに陥り、社会的な混乱を招きました。メディアに振り回されている人たちの恐怖心から起きた、集団心理の方がよっぽど怖いかも…。わたしの周りには、報道や専門家のコメントに影響されて、地から足が離れ気味の人もちらほらいます。もしあなたも似たような状況にいるなら、直接的な助けとならない専門的なことは専門家に任せておきましょう。状況を詳しく知りたい気持ちはわかります。しかし、仮に知ったところで、それがあなたや周りの人にとって有益なものになるのでしょうか。メディアにどっぷり浸かって不安な時間を過ごすか、この状況をある種のチャンスと受け止めて自分や人にとって有益なことをするかは、わたしたち次第です。特にこの領域では、各個人の心の健康を優先した選択を行うようお勧めします。

角度を変えた視点で見ると…

ご存知のとおり、ヨーロッパではイタリアが先頭を切って、中国よりも厳しい状況となりました。死亡者数を見てショックを受けた人も多いと思いますが、3月半ばの時点で、その99%以上に持病があったという統計が出ています(1)。 このデータから、新型コロナウイルスが問題の核そのものだったというよりも、亡くなった人たちの患っていた病気など、負担となる要素が上限の真下付近まであったこと、そしてコロナ感染が個人の許容量を超す最後の負担となって加わったこと、などが伺えます。(39号で触れた、ラクダの背中に乗る麦わらの話がこの状況に当てはまります。)専門家のアプローチは、当然ながら専門領域の一点集中型です。全体をつなげて見ることはしないため、一般向けのこういう説明は、もしあったとしても希少だと思います。関連して、代謝の低下に加え慢性疾患の多い高齢者層がリスク対象となっているのは、逆に、若くても持病がある人や普段健康でも生まれ持った許容量の少ない人なら、リスクが高くなることを示唆しています。

イギリスにおける、過去のインフルエンザ関連死亡者数(すべての年齢層と年齢層別)も調べてみました。統計は以下の通りで、総死亡者数は、2014/15年が28,330人、2015/16年が11,875人、2016/17年が18,009人、2017/18年が26,408人となっています(2)。新型コロナウイルスが、通常のインフルエンザとは大きく異なるものと説明されていることは重々承知です。その上で敢えて、もし毎年シーズン到来とともに大規模なテストと調査を実施したら、どういう結果が出るのだろう?と疑問に思いました。個人的には、新型コロナウイルス云々よりも、その状況を悪化させる根本的な問題の方が気がかりです。

この状況を最もシンプルにお伝えするなら、健康な人が増えれば新型コロナウイルス感染に限らず、似たような状況で命を落とす人は減るということです。生態系の仕組み上、ウイルスvs人間の場合でも強い方が勝者となるため、さらに弱くなる方向に向かっている場合ではないと思うのですが、世の中はそういう風にものを見ないようですね。

より多くの人が、意識的な選択を行う必要性

最後に、問題の核にあたる部分をもう少し見てみましょう。人間が弱くなっている大きな原因は、負担の大きい生活環境と医療システムやライフスタイルにあります。日頃常に存在する負担の多くは環境によるもので、ワイヤレス文化への移行も深刻な問題ですが、薬品による汚染やライフスタイルの変化も、大きく関与しています。健康的な生活を心がけていても、かつて地球上に存在しなかった各種の汚染は年々増加の傾向にあるため、負担のベースラインは今後さらに上がっていくことが予想されます。わたしたちのライフスタイルは、それほど遠い昔ではない電気の発明以来、急激な変化を遂げています。良くも悪くも各種の技術開発が猛スピードで進み、その多くは便利な反面、わたしたちに新たな負担を加え続けています。しかも、人間が本来持ち合わせる、環境変化への順応性をはるかに越える速さで…。環境によるストレスは、細胞レベルで炎症を促すため、自動的に交感神経のスイッチが入って、 精神的なストレス増加にもつながっていきます。そして、負担の最大級となり得るのが、精神的なストレス。人の意識や思考ほど、パワフルなものはないでしょう。対象が何であれ、個人の意識は集合体となり、社会的な意識や思考の進行方向を決定します。当然ながら、病んだ意識は病んだ方向に進み、無意識は誰かの意識に誘導され、健康的な考え方がもっと増えれば、健康へと進んでいきます。なぜ、意識的にいろんなことを選ぶ必要があるのかは、もうおわかりですよね。

負担の合計をできるだけ低く保つことは、万人共通の課題だと思います。もし、あなたがさらなる安全や健康を求めるなら、意識的な選択を行うことは必然的についてきます。そして意識的な選択が直接的/間接的ルートを経て、地球全体の負担軽減に貢献するでしょう。規模の大きいトピックですが、現在のわたしたちに必要なことやその理由などから、わたしたちの現在地点がみなさんにとってよりクリアになれば幸いです。

*個人の抱える重荷に関しては、038号039号をご参照ください。
*その他、過去の記事はどれも負担の軽減に役立つと思います。

参照:

  1. Isutitvto Svperiore Di Sanita. (2020). Report sulle caratteristiche dei pazienti deceduti positivi a COVID-19 in Italia Il presente report è basato sui dati aggiornati al 17 Marzo 2020
  2. Public Health England. (2019). ‘Surveillance of influenza and other respiratory viruses in the UK, Winter 2018 to 2019’, Official Statistics Annual flu reports, [Online]. Available at: https://www.gov.uk/government/statistics/annual-flu-reports (Accessed: 6 April 2020).
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About Author

徳永 ゆり子

大阪府出身、1996年よりロンドン在住。京都で8年、ロンドンで7年間グラフィック・デザイナーとして働いたのち、2004年に転職。ナチュロパス、ニュートリショナル・セラピスト、ホリスティック・プラクティショナー。CThA、BANT正規会員。ハックニー地区にあるコンプリメンタリー・ヘルス・クリニックを拠点に、ロンドン内で活動中。好きなこと:健康的でおいしいものを作って食べること、ナチュラル・ヘルス・フード・ストアでヒット商品を探すこと。好きな色:ピンク紫(夕暮れ時の空の色とか)。好きな言葉:(実現の状態を)見る前に信じること(”You’ll see it when you believe it.” by Wayne Dyer)。

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