新生スパからアフタヌーン・ティーまで、レインズボロウ大解剖

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実は昨年、ハイドパーク・コーナーにある五つ星ホテル、ザ・レインズボロウの取材に同行する機会がありました。

そのとき、日本から来たライターさんが一泊されて、私もまるで泊まっている人の気分でくつろいだのですが、担当バトラーさんがボタン一つで部屋に現れ、お茶まで淹れてくださるサービスに感動したことを覚えています。そう、ここはバトラー・サービス発祥のホテルなんです。「我が家のようにくつろげる」細やかでリラックスしたサービス。それがホテルの身上とのこと。五つ星ホテルで実現するのは難しそうですが、じつは部屋とスイートを合わせても93しかないこのホテルは、こぢんまりとしたブティック・ホテルと言ってもおかしくない規模なんですよね。だからこそ行き届く気配りというのがあるのでしょう。

心地よいラグジュアリーを体験できるブティック・ホテル

心地よいラグジュアリーを体験できるブティック・ホテル

あるお部屋では、40歳の誕生日を迎えるラッキーな方のバースデー・トリートが準備されていました♡

あるお部屋では、40歳の誕生日を迎えるラッキーな方のバースデー・トリートが準備されていました♡

レインズボロウの良さは、個人的には「ラグジュアリーの品格」にあると思っています。細部のどこを見てもゴージャスであることに変わりはないのですが、絢爛なけばけばしさとはかけ離れている。本物の「品」の良さが際立ち、だからこそ落ち着ける空間になっているというわけ。

レインズボロウ二世子爵の邸宅として建てられたリージェンシー様式のビル。かつてハイド・パークで狩りに興じた貴族たちのとってもおきの城だ。

レインズボロウ二世子爵の邸宅として建てられたリージェンシー様式の代表的建物。かつてハイド・パークで狩りに興じた貴族たちのとっては理想的なロケーションだ。

大広間では夜ごとイベントが・・・「The Library Bar」には年代物のコニャック&ウイスキー・コレクションが並ぶ。

大広間では夜ごとイベントが・・「The Library Bar」には年代物のコニャック&ウイスキー・コレクションが並ぶ。

レインズボロウは一年半のリノベーションを経て、2015年にリオープンしています。しかし昨年の取材時では、スパはまだ完成していなかったのです。ようやく、この春にクラブ&スパ施設が新生オープンしたとのことで、その様子をちょっと見に行ってきました。

できあがったスパは・・・品格の勝利、もうそう呼ぶしかない、非の打ちどころなく洗練された施設でした ^^ その名も「ザ・レインズボロウ クラブ&スパ」。各界のトップブランドとパートナーシップを結び、世界クラスのスタイリッシュな「会員制のライフスタイル・クラブ」を実現しているのです・・・

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都会の楽園♡

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レストランでは計算され尽くしたヘルシー料理の数々に舌鼓を打てます☆

各界のトップブランド? 例えば話題のフィットネス・プログラム「Bodyism / ボディイズム」。

あれ? これってそういえばノッティング・ヒルにあるClean and Leanカフェと同じなのでは?  私の場合、いつも食べ物=カフェと結びついて記憶が蘇って参りますが(笑)、そう、Westbourne Groveに超オシャレ&ヘルシーなカフェがあるのですが、その母体がフィットネス・エキスパートのBodyismなんですね。知らなかった〜。Bodyismは栄養とムーブメントの両方から真に美しくしなやかなボディを創ろうというコンセプトのもとに確立されたプログラムで、希望者は創設者のジェームズ・デュイガンさんの指導も受けられるのですって。さすが・・・

ジムの設備がスゴいんです・・・

ジムの設備がスゴいんです・・・

気になるスパ施設もラグジュアリーそのもの。ウッドパネル、大理石、シルクの壁紙がバランスよく配置してあり、英国らしさを強調することを忘れていません。サウナ・ルーム、ハイドロセラピー・プールもうっとりするようなラグジュアリーを漂わせています。

自分へのご褒美に、いかが?

自分へのご褒美に、いかが?

フェイシャルやマッサージを受けられるトリートメント空間に至っては、まるでフィトンチッドが漂う麗しの森の中に連れていかれたような心地よさに包まれ、至福の時間を過ごすことができること間違いありません。さらに特筆すべきなのは、トリートメントで使われているビューティー・プロダクトの数々・・・。

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イギリスが誇る名門スパ・ブランド、ila / イラの製品を惜しげもなく使っちゃいます。もともと自然治癒療法の研究家で看護師だったデニス・レスターさんが開発したブランドで、「真の健康や美しさ、豊かな生活の源は、自然の力に支えられている」という理念に基づいて開発されています。だから製品に関わるすべての原料、工程、人が、真の意味でナチュラル・エシカル・ポジティブであることを前提としているのだとか。

レインズボロウのクラブ&スパでは、そのイラとのコラボによってイギリス初のサウンド・ヒーリングを取り入れたビスポークのオーガニック・セラピーを受けられます。嗚呼、私もいつか受けてみたいです・・・♡ その他にもスイス発のラグジュアリー・スキンケア・ブランドLa Prairieも使っているようです。

さて、気分だけはほんわか豊かにほだされたところで、「ロンドンでいちばん美しいダイニング」とも称されるレストラン「セレステ」へ。そこでアフタヌーン・ティーをいただくのです♪

ここは昨年来たときも心を打たれました。淡い水色に古代ローマ模様の白いレリーフが施された壁面に囲まれてテラスのように一段高くなったテーブル席がぐるりと設けられています。コロニアルな香りが芬々と漂うなか、白いテーブルクラスが眩しい席で典雅なアフタヌーン・ティーを・・・

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五つ星ホテルのアフタヌーン・ティー・・・サンドイッチは、やはり美味しいですね〜。考え抜かれたパンとフィリングの組み合わせ。シンプルだけど、妥協なき素材と、トップシェフならではの工夫でこんなに満足度の高いサンドイッチが出来上がるのです。

あ、言い忘れましたが、ここはフレンチ・キッチンです。つまり、シェフもパティシエもみなフランス人の皆様。なにせ母体のオトカー・コレクションと言えば、食通の間ではとくに覚えめでたき同系列の「ル・ブリストル・パリ」の名がすぐに浮かびます。厨房をリードしているのはミシュラン三つ星を誇る「エピキュール」。その総料理長であるエリック・フレションさんといえば業界では知らぬ人のいない伝説的なシェフで、2009年に三つ星をもたらして以来、ずっと維持しているというすごい方なのです。

そのエリックさんが腕に惚れ込んでパリから連れてきたシェフとパティシエがここの料理とスイーツを取り仕切っているとあっては、クオリティはお墨付きですよね。すぐにミシュラン一つ星を獲得しました。そしてラッキーなことに、この日はパリからエリックさんが来られていたので、セレステのシェフであるフロリアンさんとのツーショットを拝むことができました ^^   フロリアンさんは昨年の取材時も情熱的に腕をふるってくださって、パティシエのヘッドであるニコラスさんとともに素晴らしい料理をしつらえてくださいました。

こおスイーツの数々・・・私はフレンチ・パティスリーの真髄を見ました。奇をてらわない、オーセンティクな美しさがあります。

私はこれらにフレンチ・パティスリーの真髄を見ました。奇をてらわない、オーセンティクな美と味わいがあります。

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さて、リノベーションから4年、新しく生まれ変わったザ・レインズボロウ、いかがでしたか? ホテルをよく知るには泊まってみるに越したことはないのですが、ロンドンに住む私たちでもレストランやアフタヌーン・ティーでその素晴らしさの一端をのぞくことができます。

会員でないけれどもぜひスパを体験してみたいという方は、STAY & SPAパッケージのご利用を。ホテル宿泊1泊+クラブ&スパの利用+トリートメント・コース+ブレックファスト&デトックス・スムージーがセットになっています。時期によって1泊640ポンド〜みたいですが、リーズナブルに感じてしまうから不思議。誰かへのプレゼントにも、いいかもしれませんね〜 うふふ ^^

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About Author

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岡山県倉敷市出身。ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。東京の文芸系出版社勤務、雑誌編集・ライターを経て、1998年渡英。英系制作会社にて数多くの日本語プロジェクトに関わった後、2009年からフリーランス、各種媒体に寄稿中。2014年にイギリス情報サイト「あぶそる~とロンドン」を立ち上げ、編集長として「美食都市ロンドン」の普及にいそしむかたわら、オルタナティブな生活、人間の可能性について模索中。著書に『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房) 『ロンドンでしたい100のこと』『イギリスの飾らないのに豊かな暮らし 365日』『コッツウォルズ』(自由国民社)。NHK文化センター名古屋教室「江國まゆのイギリス便り」講師。MUSIC BIRDのラジオ番組「ガウラジ」に月一でゲスト出演。チャネリングをベースとしたヒーラー「エウリーナ」としても活動中(保江邦夫氏との共著『シリウス宇宙連合アシュター司令官 vs.保江邦夫緊急指令対談』もある)。Instagram: @ekumayu

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