子豚軍団のファーム・カフェ

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cafevisit


今日こそ天気がイイから、水辺のカフェを探しに行こう!
と、思った私は地図を見て

Royal Dock、Greenwich Peninsula、Canada Water
Hertford Union Canal、City Airport

水の近くにあるのに、まだあまり探検をしていないところを挙げてみた
地図を広げて、候補に挙がった場所をチェックします

テムズ川の向こう側にある、Canada Waterにあるのは
大きなドックか…
(ドックとは、19世紀始めから、船を停泊させ荷役させるために造られた大きな堀)

なんだか面白そうだ…
私の家から駅一つで行かれる近さだし…

ハイ、と言うことで

今回の行き先は《Canada Water》に決まり!

散歩の時には地図を持たないし
スマートフォンも、ℹ︎ウォッチも持っていない私は
駅を出ると、いつものように、適当に、なんとなく勘を働かせながら
水辺があるだろうな〜、と思う方向に向かって歩き始めた

家で地図を見た時に、意外と駅から近そうだ、と思ったけれど…
暫く歩いても、水辺には中々辿り着かない
なにより、水辺の雰囲気が全くないのだ

方向がどうやら間違っていたようで、内陸部に進んでしまった模様
周りは、あまり面白くない商店街や住宅地ばかり

あっち方向へ15分歩いて
「どうも違うな~」と思ってまた戻って来て
こっちを歩いて15分

「あっ、多分あの辺り?」
と、思って曲がって
5分進んだら、今度は行き止まり

で、また戻ってずっとずっと今度は、20分以上歩いて…l
どんどん歩いてしまって…
で…、それがまた逆の方向だと判明

今日は、私の土地勘
全然働かない…

太陽の下を歩いていて、暑くなってきた

こんなセーター着て来なければよかった…
でも、きっとこの暑さも今日が最後かも…

と、考えながら気を取り直して、もうちょっと歩くと
そこに、地図がありました!
その地図をじっくりと見て
迷子になっていた私の、現在地がやっと、シッカリと判り

今度は地図を頼りに歩いてみると…

あらまあ意外と簡単に、目的地に着きそうです
…だから、地図を見て歩くのは、横道に逸れないし
つまらないのだ!

なーんてつぶやきながら、辿り着いたそこは
想像していたドックとは違って
大きなヨットハーバーだったのです

「きっと、この辺りに気持ちの良いカフェがあるはず!」と
いいカフェを見つける能力
《カフェ勘 》に今度は期待して…

私は、大きなヨットハーバーの周りをグルッと歩いてみたのだが…
う〜ん、カフェ勘も鈍い今日の私
カフェは、どこにも見つかりませんでした
そこで、今度はテムズ川沿いの散歩道、Thames Passを歩くことにしました

このThames Passは、長いテムズ川に沿って何キロも続いています
それは、テムズバリアーのある、ロンドン東南の町Woolwichから始まり
Gloucestershireの、Kembleまで、180マイルもあるそうです

部分的に川から離れる所もあるけれど、平坦な道がずっと続いているので
距離を、楽しく歩くことができる、とてもいい散歩道です

特にロンドン市内は、Thames沿いに観光地が集まっているから
時間があって、天気が良い日には、ノンビリと気持ちよく
【テムズ川沿いのお散歩ロンドン観光】を楽しむ事が出来る
リッチモンドの方まで行けば、プチ田舎気分も味わえてしまいます

さて、歩き出したその時、引き潮だったので、水の引いていたテムズ川のビーチでは
インド人の家族連れが遊んでいます
するとそこに、餌をもらえると思ったのでしょう
白鳥の親子がやってきました

それからは、白鳥とCanary Wharf摩天楼をバックに
写真大会が始まりました
きっと、とてもいい写真が撮れたでしょう…

そんな彼等を後にして、
カフェを探して歩き続ける私は、少し疲れてきました

今回は中々見つからない…

ちょっと、座って一休みしたいな〜
なんでないのだろう…

しょうがない
お目当ての水辺カフェが、もし見つからなかったら
もう少し先まで行って、
Bermodsy近辺で探そうかな???
それも、また楽しいか…

と、なんとか沈みつつ気持ちを引き上げるように
水辺のカフェを諦めかけた矢先でございます!

なになに???
この辺りでは珍しい匂いがしてきたのです

「なに?これは、田舎の匂いじゃない…、どうしてここに?」
そう思って、そこに立っている看板を見たら
なんとこんな場所に《Farm》があったのです!

ロンドンの街中に、幾つかの農場があることは知っていたけれど…

一つは、有名なHackney Farm
それと多分あまり知られていない
Canary Wharfから歩いても15分のところ
ドックランズの中心部分の大きな公園の中にある
Mudchute Park and Farm

ここは、32エーカーの広さがあって
ロンドンの街中では一番大きなファームで、馬場もある
それから、まだ行ったことはないけれど
金融街Cityの外れにはSpitalfield City Farm
今大開発真っ盛のVauxhall にも小さなCity Farmがあるらしい

こういう街中の小さな農場が
ロンドン市内になんと、約10箇所以上もあるそうです!

ロンドンって、面白い所…
とまた改めて興味をいだいてしまいました

 

それにしても…
「水辺カフェを探しているのに、見つかったのはファーム、どうしよう…」
と、思ったけれど

「ま、イイか、せっかくだからちょっと覗いてみよう…」

と、中に入ることにしました

うわっ!この匂い!
そして、動物のグワーグワー鳴く声、吠える声と
子供たちのキャーキャーはしゃぐ声!

静かな水辺の散歩中
今日の目標水辺カフェが見つからなくて
少々諦め気分になってきて、少し疲れてきちゃって…
ちょっと元気もなくしちゃって…

という状態の時、唐突に、こんな予想外の展開で
別世界入りしてしまったのです!

子供の心を取り戻したかのように
私はなんだか、急に元気が出てきて、動物の側へ駆け寄ったのでした

 

でも、まあ…
とりあえず、お茶でも飲んで落ち着きましょう
と、思ったら、目の前にはカフェがありました

水辺じゃなくて
ちょっと、野獣の匂いがするカフェだけど…

今の私にはぴったりのカフェ

ワクワクする、ワンダーランドのカフェ
と感じた

その上メニューを見たら、今まさに欲しいと思っていた
美味しそうなベリースムージーがあるじゃない!

それを頼んで、いつものように、カフェ全体が見渡せる
隅っこ席に座りました

そして、スケッチブックを開き
ドローイング開始!

だけど、なんだか気になるのは外の声です…
ブヒーブヒーと聞こえてきます

私は、カフェのスケッチは適当に済ませて

冷たいスムージーを、一気に飲んで
動物達のいる明るい外へ出て行きました

th_2015-09-10 17.53.55_piccalilli caffまず目にしたのが茶色い耳長山ヤギです!
なんとも、面白い姿だなー
ウサギのような耳、だけど、でれっと長い耳は垂れている

そういえば、私の大好きなあの《刑事コロンボ》の犬もこんな耳だった…
なんて、思いながら

その他に目にした
賢いおじいさんのような、顎髭の長い白いヤギや羊
そしていろいろな種類の美しくて
凛々しい姿勢で歩いている鶏達をスケッチしました

絵を描いている間中
何やらうるさい鳴き声が先の方から聞こえてきます
気になったので、そちらへ行くと…

なっ、なんと!
行ってビックリ!見てびっくり!なんとなんと

子豚軍団です!!

子供のピンク子ブタが20匹ぐらいでしょうか
キーキーピーピーと
餌の取り合いで大騒動を繰り広げていました

その隣にはご両親でしょうか?
巨大ブタが2匹、やはり餌を求めて
ブーヒーブーヒーと、大騒ぎ

食べることに命をかけている様子に、思わず見とれてしまいました

 

実は私には《豚の時代》というのがあって
とにかく豚ばかり、何百匹も描いていた数年がありましたので
豚を描くのはお手の物!と、思っていたのですが

そういえば、生きている豚をちゃんと観て
スケッチした事がなかったのかもしれません…

その時、昔々その昔のあることを思い出しました

「貴方ね、豚を描くんだったら、豚と一緒に暮らして
豚を心底から知らなければ、本当の豚を描く事はできないよ
だ か ら 貴方の絵は、こんなに 薄っぺら なんだよ」

これは、まだ20代初めの頃の私が、あるパーティーで
自信満々に見せたブタの絵を観た美術関係のオジ様に言われた言葉

いまでも、覚えていることの言葉に、私は少々傷つきました…
「でも…まあ、私は本当の豚を描こうとは思っていないのだし…」

生意気だった私は、そんな風に改めて思い直すと
「想像の豚の世界を私は描くのだから、文句はいわせない!」
なーんて、突っぱねたのであります

しかし、対象をしっかりと観察して
描く練習をするということは、とても大事なこと

そのオジ様のおっしゃる意味が
今ははよーく理解できるようになりました…

そんなことを、想い出しながら
スケッチをやめて
私はファームを後にしました

帰り道、今度の私は動物が ノリウツッテ イタノカノ ヨウニ…
ヤケに動物的な感度がよく

林の遊歩道や、運河沿いの気持ちの良い散歩道を
あっちこっちと見つけながら楽しくスムースに
Canada Waterの駅まで戻ることができました

いつか、また晴れた日にでも
こんどこそ、水辺の気持ち良いカフェを探しに行きましょう

ロンドンの地図の上には
見えない未知の世界がまだまだ限りなく広がっているはず

さあ、カフェを探しに!
ご一緒しましょう〜、いざお散歩ロンドン!

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【今日のヒント】
Canada Waterから、川沿いにまず出て、その辺りを探してみて!
簡単に見つかると思う
そうそう、このカフェSE16でのベストカフェに選ばれたそう
ファームには、お店もあって、お土産を買うこともできる
かなり、ここはロンドン穴場の観光地かも…
兎に角、子共連れには、最高のカフェじゃないかなー

行ったら、超かわいいピンク子豚軍団をジックリと観察ね!

【前回のこたえ】
Ombra
1 Vyner Street , E2 9DG
opening hours: 19:00 – 23:00 Tue – Fri, 10:00 – 23:00 Sat, 11:00 – 23:00 Sun

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About Author

島田カオル

東京生まれ、ロンドン在住の絵本作家。高校卒業してすぐに渡米。その後、パリ、南仏に暮らし、ロンドンへ。ロンドンでセシルコリン氏に師事、絵や陶芸などを学ぶ。1984年からイギリス人の夫と2人の子供と暮らしながら東京で20年以上イラストレーターとして活躍、その間、「レイジーメイドの不思議な世界」(中経出版)の他、「ある日」「ダダ」「パパのたんじょうび」(架空社)といった絵本を出版。再渡英後はエジンバラに在住後、ロンドンへ。本の表紙、ジャムのラベル、広告、お店の看板絵なども手がけている。現在はロンドンのアトリエに籠って静かに絵を描いたりお話を創る毎日。生み出した代表的なキャラに、レイジーメード、ダイルクロコダイル氏などがいる。あぶそる〜とロンドンにはロンドンのカフェ・イラスト・シリーズを連載。好きなものはお茶、散歩、空想、友達とのお喋り、読書、ワイン、料理、インテリア、自転車、スコーン、海・樹を見ること、旅行、石(特にハート型)、飛行場etc etc...

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