アーケイド・パラダイス

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cafevisit


先週末、Cardiffに引っ越した友人を訪ねた

ロンドン、パディントン駅から、列車で2時間8分
スーパーオフピークの時間だと£74

ウェールズには数回行ったことがあるけれど
夫と一緒だったから、田舎をドライブするばかりで
首都Cardiffの街中を歩いたことがなかった

だから、今回の電車の旅、週末プチ旅行を
私は楽しみにしていた

ガイドブックなどは、戻ってきた後に読むタイプの私は
旅行をする時、行き先の知識を何も頭に入れないで行くのが好きだ
その方が、驚きがあるし感動も多いから

 

今回の旅には一体どんな驚きが待っているのだろう…?
はたして、Cardiffの街に、驚くような発見があるのだろうか???

いつものように、Cardiffについて私は何も調べないで行く事にした

駅まで迎えに来てくれた友人と
先ず、彼女の引越し先のフラットへ向かう

駅と反対側にある彼女のフラットへは、街中を歩いて横断することになる

その時に見た街は、一見してイギリスのどこにでもある地方都市
あまり、驚きの発見は無さそうだ、というのがその印象…

と言っても、Cardiffには申し訳ないけれど
私はCardiffの街自体に対して、特別な期待をしていたわけではないので

別にガッカリすることもなく
私達は友人の、フラットへ到着したのであります

部屋の窓から見えるのは、樹々の緑
なんて気持ちの良い眺めなのでしょう!

裁判所、シティーホール、博物館等、大学
美しい建物の塔やドームが林の向こう側に見える

これらの美しい眺めを見ながら彼女のバルコニーに座っていると
ちょっぴり、フィレンツェにでもいるような気分になりました

一休みした後、私達は、Cardiffの街に出る事に…

「この街で、一軒だけ、雰囲気の良いカフェを見つけたい!」
それだけが、今回の旅の目的

あとは、親友に会いに来た、ただそれだけ
Cardiffの街を、観光する予定もなかった

彼女のフラットを見て
お喋りができればそれで良い、と思って来たのだから

 

 

さて、友人も、Cardiffに引っ越したばかりで
街の様子には、まだそれ程詳しくなかったので
私達は一緒にCardiffの街の冒険をする
そんな感じで散歩を始めた

街に出て暫く歩くと、友人が
「あ、あれ見て、ちょっと可愛い」と言ったので、
その方向を見ると、そこにはカフェがありました

まるでインドの王子様にでも、さして差し上げるような
タッセルのついている、赤い大きなパラソルを店の前の
テーブルに広げている!

なんだか、とても楽しそうな小さなカフェを
私達は、早速見つけてしまいました

中を覗くと、その楽しげな世界が小さなお店の中にも
広がっていて…

この時、私の頭の中で
パチパチと、何かがはじける、音がしたのです

「あら???もしかしてCardiff…ちょっと面白いかも」
「ひょっとして、この街には面白いものが隠れているかもしれない」

そんなことを、ちょっぴり思わせてくれたカフェでした

「このカフェには、後で戻ってこよう」と話しながら

私達は、もう少し先を進むことにしました
なんだかこのお散歩、ワクワクしてきました

その後しばらく歩いた時友人が「ここを通ろう」
と案内してくれたのが古いアーケイド

「あ~綺麗な建築!こんなのがグラスゴーにも、そういえばあったな」
と、思いながら、アーケイドの中のお店をキョロキョロと見ながら
反対側の表の通りに出てきました

すると…
「アーケイドがここにもあるのよ、こっちにも、あっちにも…
なんだか沢山あるのよ」と、彼女が言いました

「えっ???」

ここにきて、初めて
私はCardiffの街に興味が出てきました

「なんなの、これは!このアーケイド!!!」

彼女があっちに、こっちに連れて行ってくれる
そのアーケイドの多さに、私はビックリしてしまいました

なんと、Cardiffは
【ヴィクトリアン、エドワーディアン、そして現代アーケイドの街】
として有名だったのです

その昔、1790年代
Cardiffにはたったの25軒しか店がなかったそう
それも、店とは言ってもマーケットの出店

それが1858年にオープンしたRoyal Arcadeをきっかけに
ショップが徐々に増えていった、ということだ

そして、それからが凄いCardiffは
その後どんどんアーケイドを建て続けたのでございます

今でもヴィクトリアン、エドワーディアン時代に出来たアーケイドが
8つも存在している、其れ等は全て重要文化財、第二級建築物

各アーケイドには、其々の特徴と、歴史があり
ゆっくり探索するととても興味深い

 

1858年オープンの一番古いRoyal Arcadeには
店の構えが当時のまま残っている三軒の店がある #29 #30 #32
また、Wallyis Delicatessenはこのアーケードの中で
60年間営業を続けている有名店
私達はここで夕食の買い出しをした

1885年オープンのHigh St Arcadeは、デザイナー物、ジュエリー
ヴィンテージショップ等が入っている

1887年オープンのCastle Arcadeには、小さなブティックやカフェ、レストランが

1891年オープンのCentral Marketには
オリジナルレイアウトで349が出店、ここは主に食べ物マーケット
入り口にある 【E AShton’s Fishmongers】は、アーケイドオープン当時から
同じ場所で営業している魚屋さん、として有名

1896年オープンのMorgan Arcadeは、8つあるアーケイドの中で
その状態が一番良く残っている
二階のヴェネチアンウィンドウや
細い木製で出来ている店構えなどが、とてもエレガントで美しく
それらは、当時と変わらぬまま、大事に使われている
このアーケイドには
カフェや、オーガニック、フェアートレード系のお店が入っている

1902年オープンの Duke St Arcadesは
Cardiff城の反対側に位置していて
美容院や、ブライダルショップ、お土産やさんなどの店が入っている

この他に、1887年オープンのWyndham Arcadeと
1921年オープンのDominions Arcadeがある
そして、1866年に始まり1987年に閉まってしまったアーケードもあったらしい

この他に現代のショッピングモールが3つ

Cardiffの街の中心にあるアーケイドを全部足すと797メートルにもなるそうだ

思ってもみなかったCardiffのアーケイドに
私は目がキラキラしてしまった

美しいアーケイドの中にあるカフェ
ロンドンとは又違った、イイ感じのお店があちこちにある

「どこのカフェも、素敵じゃない!」
「どれにしようか…???」

グルグル歩いた結果、今回選んだお店がここ
一番美しく残っている、Morgan Arcadeの真中にそれはある

th_09-10-2015_Cardiff細くエレガントな木の美しいフレームに大きな窓
それが、カフェの三面を覆っている

カフェには二階があり、天窓まで吹き抜けになっている
だから、カフェ自体はそれ程広くないけれど
天井が高く、明るく、とても気持ちがいい

 

それにしても、スタッフは大忙しだ!

アーケイドは、重要文化財第二級建築物、ということだから
当時のままに使わなければいけない等
多分厳しい規制があるのだと思うけれど…

そこにはリフトがなかった
つまり、二階ののお客さんには
階段を上ったり下がったりのサービスをしなくてはならない
見ていて、本当に大変そうだった

こういう特別な場所で店を出すのは、憧れだろうけれど
ここでのビジネスには、いろいろ見えない苦労が多いのだろうな…

築2百年のジョージアン、ヴィクトリアン時代のフラットに
暮らした経験から、その大変さは想像できる

だけどそれ以上に、Cardiffのこのアイコニックなアーケイドに
自分の店を出す、その誇りと喜びも想像できる

この街のアーケイドは、Cardiffの誇りの1つ
リーマンショックの経済混乱から、立ち直り
この魅力あるアーケイドを利用して、Cardiffの街をもっと盛り上げていこう
という、方向に動いているらしい

短い期間の貸し出やアーティストに門戸を開くなど
Cardiffの象徴的なアーケードにCardiff市民だけではなく
観光客にも、もっとアピール出来るようにと、色々企画を持っているらしい

 

こんなに素敵な建築物が8つも残っているのだから!
アーケイドをもっともっと魅力的なものにして
Cardiffの街が活性化されたら、よそ者の私でも嬉しいと思う

店が倒産してシャッターが下りて
人通りが少なく、ガランとしている町を見ると
その町に暮らしていなくても、私は寂しくなり
気分が落ち込んでしまう

だから、不況を乗り越え、活き活きと町が生まれ変わる様子を見ると
私は自分の事のように、嬉しくなり、ハッピーな気持ちになる

Cardiffは、私の親友がこれから暮らす街だ!
彼女の心もワクワクウキウキするように
これらの美しく存続しているアーケイドを
より美しく見えるように盛り上げて
もっともっと楽しい街づくりをして欲しいと思う

何も期待せず、下調べもしないで訪れたCardiffの街に
私は、今回本当に驚かされた

それにしても、旅行は刺激的だ
旅をするといつも、何か予想せぬことが起こるから面白い

この旅に招待してくれた、私の大切な友人に感謝!
そして、彼女のこれからの人生と、美しいウェールズの首都Cardiffに乾杯!

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【きょうのヒント】
CardiffのMorgan Arcadeを見つけたら、すぐにわかるはず
ロンドンから、たったの2時間
イギリスNo 1 のアーケイドの街Cardiffへ
是非貴方も足を伸ばしてみて!

【前回のこたえ】
Notes, Canary Wharf Crossrail
Unit CR-24 Level -1, London E14 5AR
Ppening hours: 7:00 – 21:00 Mon – Wed, 7:00 – 22:00 Thurs/Fri, 9:00 – 21:00 Sat, 10:00 – 18:00 Sun

 

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About Author

島田カオル

東京生まれ、ロンドン在住の絵本作家。高校卒業してすぐに渡米。その後、パリ、南仏に暮らし、ロンドンへ。ロンドンでセシルコリン氏に師事、絵や陶芸などを学ぶ。1984年からイギリス人の夫と2人の子供と暮らしながら東京で20年以上イラストレーターとして活躍、その間、「レイジーメイドの不思議な世界」(中経出版)の他、「ある日」「ダダ」「パパのたんじょうび」(架空社)といった絵本を出版。再渡英後はエジンバラに在住後、ロンドンへ。本の表紙、ジャムのラベル、広告、お店の看板絵なども手がけている。現在はロンドンのアトリエに籠って静かに絵を描いたりお話を創る毎日。生み出した代表的なキャラに、レイジーメード、ダイルクロコダイル氏などがいる。あぶそる〜とロンドンにはロンドンのカフェ・イラスト・シリーズを連載。好きなものはお茶、散歩、空想、友達とのお喋り、読書、ワイン、料理、インテリア、自転車、スコーン、海・樹を見ること、旅行、石(特にハート型)、飛行場etc etc...

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