Marugame Udon Liverpool Street 丸亀製麺 リバプール・ストリート店
ついに丸亀製麺がロンドンにやってきた。週明け7月26日(月)に初店舗となるリバプール・ストリート店がグランド・オープン。苦節10年くらいだろうか。ロンドンへ来る話はずっと以前からあったのだが、満を持してのヨーロッパ進出である。
公式ホームページを見ると、すでにボンド・ストリート、カナリー・ワーフ、O2アリーナへの出店が決まっている。日本と同じく人の流れのある場所にポンポンと勢いよく配置していく戦略らしい。
丸亀製麺が私の実家のある岡山県倉敷市に出店してきたのは早かった。ある年に一時帰国してみると実家のすぐ近くに丸亀製麺なるものができていて、家族は興奮気味に「セルフのうどんが美味しいんじゃ」と教えてくれた。そして初めていただいたときの楽しさと美味しい感動は、今も鮮明に覚えている。
瀬戸内海をへだてて香川県に隣接する岡山では、私が子どもの頃から現地とほぼ変わらないクオリティの讃岐うどんを食べることができた。また祖父の金比羅参りにくっついて毎年の讃岐詣でを欠かさなかった私にとって、讃岐うどんは言わばソウル・フード。丸亀製麺は兵庫発の企業だけど香川にルーツを持つ創業者が始めたもので、その味は香川県内で食べたおうどんと同じクオリティだった。その2000年創業の丸亀製麺が、ついにヨーロッパに目を向けてきて素直に喜ばしい限りなのである。
ロンドンの記念すべき第一号店は、シティの端っこリバプール・ストリート駅近く。オープニング・イベントに混ぜてもらって一足先にいただいてきた。それは角地の三角ビルに立派な佇まいで収まっていた。
注文の流れは日本とほぼ同じ。「かけ・ぶっかけ・釜揚げ」など、うどんのスタイルを選び、天ぷらなどのトッピングを自分で取ってお会計へ進むだけ。ご飯ものなどもある。
ちなみに濃いめのタレと薬味にうどんを絡めていただく「ぶっかけうどん」の呼び名は、私の故郷、倉敷で生まれたものだ。うどんの古市さんが90年代前半に商標にして以来、全国区で定着していったんですね。もちろんそれ以前から倉敷にはぶっかけスタイルのうどんが存在していた。それを古市さんが倉敷名物「ぶっかけ」として大々的にPRしていったのです。倉敷でぶっかけは学生が好んで食べる軽食で、もちろんデートでも食べるし家族でも食べる。30年来の倉敷市民のソウル・フードなのである。現会長の古市さんには、学生時代にお世話になったなぁなんて、懐かしくもある郷里の食べもの ^^ (古市さんは音楽好きの新しもの好きで、当時AMラジオ放送を立ち上げていたのだが、大学生を使ってDJをさせていた。放送研究部だった私はクラブの同人とDJブースで選曲したりDJをしたりしてた。懐かしい思い出だ)
そんな背景がアダになったか、私はうどんのスタイルを選ぶ際にヘマをしてしまった。
「釜揚げ」というロンドンではほぼお目にかかれない懐かしい字面を見て、つい「釜揚げください」と言ったすぐあと、この暑さで釜揚げ? と思い直して「ごめんなさい、やっぱりぶっかけください!」と口走っていた。冷やしうどんがない中で、メニューにあった「ぶっかけ」の日本語表記を見て、ぶっかけ=汁ほど熱くないと思ったからだ。しかし私に供されたのは・・・お汁たっぷりのかけうどんだった・・・
あれ〜、なんでだろう? スタッフさんが慣れてないのかな?などと思いつつ、「かけ」でスープのクオリティを見るのもいいかなと思い直し、おとなしくテーブルへ。しかし案の定、この真夏日に連れたちはしっかりぶっかけを頼んでいた! かけうどんなんて私だけ・・・笑
後になって、ぶっかけと言ったのにかけうどんが出てきた理由がわかった。「ぶっかけ」は日本人以外のスタッフが「かけ」と間違えやすいので、正式名称はぶっかけを略した「BK(ビーケー)」だったのだ!笑 ぶっかけ欲しけりゃ「ビーケープリーズ」と言わないといけなかったらしい^^;(メニューにあった「ぶっかけ」の日本語はただの飾りなのに、私の目には日本語しか入ってなかったw)
皆さんはお間違えなきよう、メニューをこちらのリンクからチェックしてほしい。チキン・カツカレーうどんや豚骨うどんなど、ロンドナー好みのものもあるよ。
ささ、次なるお楽しみは天ぷら選び。個人的に丸亀製麺の真骨頂は完璧な天ぷらにあると考えている。ゆえに天ぷらを添えない丸亀製麺はあり得ない。揚げたての天ぷらはざっと見ただけでも10種類以上。フライ類もたくさん取り揃えており、イギリスにおけるカツ人気への柔軟な対応が感じられる。(日本の丸亀さんもフライの種類多かったですっけ?)
ヴィーガン人口の多いロンドンUKマーケットを考えるとき「ヴィーガン向けとしての釜揚げ」の役割は大きい。うどんスープはどうしても魚出汁になってしまうので、お湯だけの釜揚げなら文句なかろうというわけ。(ただし野菜出汁のかけうどんもある。)だから天ぷらのバラエティに豆腐が存在していた。これは海苔で豆腐を巻いて揚げたもの。かたち美しい豆腐天を、そっとお皿に取ってみた。
お会計は一番奥にあり、冷蔵ケースに入った飲み物や、キムチ、漬け物と言った副菜も一緒にこちらへ。生ビールはプラスチック・グラスの底から魔法のように汲みあげる方式なのだが、ついぞ見かけたことのない噴水装置だった。どう言う仕組みか次回行ったら聞いてみよう。
豆腐天ぷらは厚みの割に挟み揚げではなく味が薄いのだけど、これはつゆの中にくぐらせながら、揚げだし豆腐の要領で食すものだと合点。そう考えると存外美味しいものだ。
麺もスープも日本のスタンダードで問題なし(スープは塩しっかりめ)。ぶっかけのタレも濃いめだったそうだが、やはり現地の人にはそのくらいの方が受けるのだろう。天ぷらはサクサクでかなりの高得点! 日本スタンダードをしっかりと実現していた。
素の釜揚げが3.45ポンド、かけうどんが4.45ポンドというのは、スープの材料や薬味取り放題などを考えると破格値。企業努力によりイギリスでも500円でうどんをいただける時代がきたというわけだ。
天ぷらは野菜類が0.95ポンド、イカが1.95ポンド、エビが2.45ポンド、豆腐天ぷらが1.95ポンド、チキンカツが2.95ポンドなど。釜揚げうどんに野菜天2種、エビ天を1尾加えると7.80ポンドになる。温泉玉子は1.25ポンド。メニューを見ると南瓜コロッケ1.25ポンドがある! 次回は試してみなくては。
ちなみに・・・おにぎりもあるのだけれど、ご飯の炊き具合はあまりよろしくなかった。したがってご飯もののクオリティには注意されたし。
さて、表題に掲げたクエスチョン「うどんは第2のカツカレーになれるか?」に対する私の答えは・・・
「Possibly」ひょっとしたらね
これまでいくつかの企業がうどんを武器にロンドンへ乗り込んできた。しかしチェーン展開するほどの広がりはなく、カルト的な人気はあるものの、うどんは未だ日本におけるような“国民食”レベルの地位まで獲得することはできていない。それが今、丸亀製麺がロンドンにおける「Wasabi」のようなチェーン展開に意欲的なのだ。現在、日本全国に800店を有するうどんチェーンは、果たしてこれから何店舗をイギリスに展開していくことができるのだろう。
イギリス人はうどんを国民食として受け入れるか? これはおそらく、すでに市民権を得ているカツカレーが、ボリュームのあるカツの恩恵により広く支持されたのと同様、天ぷらがその役割を果たしていくのかもしれないなと思う。今後の動きに注目したい。(カツカレーがいかにイギリスで浸透したかについてはこちらの記事でどうぞ♪)
それにしても南瓜の天ぷらがなかったのが辛い。かぼちゃのコロッケじゃ代替できないし・・・南瓜天ぷらプリーズ!
6件のコメント
ええっ、そうなんですね^^; でも知ってる人も少ないだろうから気にすると返ってアレな気もしますが😁
>「ぶっかけ」は日本人以外のスタッフが「かけ」と間違えやすいので、正式名称はぶっかけを略した「BK(ビーケー)」だったのだ!
それ表向きの説明かも知れません。別の招待された方によると、はっきりBUKKAKEは「複数の男性が別の人に〇〇するタイプの性行為。」と英語で訳されていて本来の意味よりそちらの意味が先行しているので、食べ物屋で下ネタをイメージされるのはマズいのでBKになったってのが裏の理由だと仰る方もおられます。
だから、日本人が現地で「ぶっかけ」を注文するときまちがっても日本人スタッフに向けて発音せずに「BK Plz」と発音するように啓発しないとマズそうです。
LondonLoveさま
コメありがとうございます!
この日は招待客だけだったので、満遍なく招待したのかもしれないです。
そして公式オープン後、毎日すごい行列だってSNSの投稿を見かけました!
日本人はうどんだけど、天ぷらやカツ目当ての人もいるのかも^^
現地のお客様もたくさん入ってますねー!
ロンドナー達もうどん好みが多いのでしょうか。。。
麺類でお醤油味は食べにくそうな気もしましたが、
違うのですね。
すでに、数店舗展開しているということで、
丸亀製麺、あっぱれ!です。
RITSUKOさま
コメントありがとうございます!
BKをお忘れなく(笑)
心強いですよね〜。私も次回の釜揚げがめちゃ楽しみです♪
丸亀製麺がイギリスに進出!確かに、おいしいから、定着するかも。
BKでぶっかけ注文になるとはおもしろいです。ぜひ、次回イギリスに行くときは、行くぞ丸亀製麺ランチ☀️🍴