クリスマス・シーズンたけなわ〜♪
ジンジャーやシナモンが香るフェスティブな空気を胸いっぱい吸い込んで、来たるクリスマス に備えていらっしゃると思います^^
ギフトが飛び交う季節でもありますが、今日はとっておき! 皆さんに、ぜひともお手にとっていただきたい、クリスマス・プレゼントにぴったりの素敵な本をご紹介したいと思います。
それはこちら、当サイトで「イギリスおかし百科」をご執筆くださっているイギリス菓子研究家、
安田真理子さんの著書『ジンジャーブレッド 英国伝統のレシピとヒストリー』♡
表紙だけ見ても、じつにクリスマシーです ^^
「ジンジャーブレッド」とひとくくりにされている、英国全土に散らばる40種の見た目も香りもカラーも歯ざわりも異なる生姜入りのお菓子を、おたく心たっぷりに再現し、一挙に紹介!
それぞれの特徴や歴史はもちろん、真理子さんならでは、現地調査に根ざしたレシピもついていて、まるごとたっぷり、ジンジャーブレッドに酔いしれるためのジンジャーブレッド・ブック。
こんな本、見たことない(笑)。
いえいえ、本当に。こんなジンジャーブレッド愛に満ちた本は、古今東西、どこを探しても見当たらないでしょう。きっと英国本国にも、これだけの種類を地域別に網羅し、一冊にまとめた本は、ないと思います。
そして安田真理子ファンならご存知、出来上がったお菓子を愛でる視線がとってもセクシー ^^
書物の中にしか存在しない昔のレシピまでも忠実に再現し、ご自身でセットアップして写真を撮る、その作業工程の素晴らしさにも、心からシビれるのです・・・。
この本のお愉しみは、それだけではありません。
著者がイギリス滞在時に切り取った、英国カントリーサイドや地方都市の日常風景、素朴な魅力、反面にある艶やかさが、全て閉じ込められているのです。
旅先のB&Bでお菓子のレシピを女将に聞くことも厭わない真理子さん。その行動力がときにジャーナリスティックな特ダネ・レシピにつながり、既存資料の補完にもなるのですね。ブラボー!
しかしジンジャーブレッドと言えばジンジャーブレッドマンか、湖水地方のジンジャーブレッドくらいしか知らなかった私も、随分勉強になりました〜。その深い知識、そしてジンジャーブレッドへのひたむきな愛に、心底脱帽。全国的に知られるものから、地方の名産品、そして昔の本に登場する伝説のものまで、たっくさんのジンジャーブレッドたちに出会えます♡(ジンジャーが入らないジンジャーブレッドまで!)
えっ、私のお気に入りですか? そうですねぇ、写真と文章、レシピ材料から推察するに(笑)
オームスカークという北部の町のジンジャーブレッド、小麦粉ではなくオーツで作るハーケーキ、チーズを添えてぜひ食べたいウィットビーのジンジャーブレッド、アイリッシュスタウト入りのジンジャーブレッド(!)、などなどに特に惹かれます^^
そう言えば、以前から真理子さんがよく名前を出されていた、イギリス生活のご師匠、マデリンさんが本書に登場されていて、嬉しくなりました。マデリンさんが提案する「バターを塗って食べると美味しい、あまり甘くない」ジンジャーブレッドも、とても気になります。(作ってみるべし、ですね^^ )
イギリスのジンジャーブレッドの後ろ側には
恐ろしく豊かなバックグラウンドが広がっていること
また食べる人を幸せな気持ちにしてくれる
その包容力にあふれた魅力を
少しでもお伝えできればこの上ない幸せです
真理子さんがそう、あとがきで書かれています。
クリスマスばかりに関連づけられるわけではありませんが、それでもジンジャーの香りがするジンジャーブレッドは、秋から冬にかけていただくとさらに幸福度が増す、ほっこり系のお菓子だと思います。
ジンジャーブレッドや英国をあまり知らない方でも、きっとこの本を手に取れば、あっという間にその奥深い世界へと誘われ、ひとつやふたつは作ってみたくなるでしょう。
クリスマスにふさわしいギフトとして、あの人へ、そしてご自身にも^^
『ジンジャーブレッド 英国伝統のレシピとヒストリー』安田真理子(内外出版社)
https://www.naigai-shop.com/SHOP/732031.html
https://www.amazon.co.jp/ジンジャーブレッド-英国伝統のレシピとヒストリー-Galettes-Biscuits-真理子/dp/4862575412